JR線路際である船橋市立西図書館建設工法選択に関する市議会質疑(2014年6月2日)~2016年10月21日リニューアルオープン記念の日に再掲~

2016年10月21日 市議 朝倉幹晴

本日、JR線路際の船橋市立西図書館がリニューアルオープンしました。

道路側から見た写真です。総武線各駅(千葉行き)が近くを通過するところです。

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電車(総武線各駅(千葉行き)車窓からも近いことがわかります。

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高速の成田エクスプレスが更に近い線路を通ります。

「線路(電車)近接」のため、西図書館建設は工法を1回変更するなどの困難さを伴いました。

以下、そのことを私が理系の視点で議論した2014年6月2日の船橋市議会本会議議事録です。ご参考にください。

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◆朝倉質疑(他の議題を質疑した途中から)

それでは次に、議案9号船橋市西図書館建設工事請負契約についてお聞きします。これは、工事の請負契約の増額補正ですが、まあ、増額補正、増額に関する本議案について、私は特に設計図書の変更について質疑させていただきます。この議論を聞いた市民が、変更内容に納得できる議論をするために、まあ、設計図面に関しては、実際の詳細設計図ではなく、概略図を私がイラストレーターで作成していただいたものを議場に配付させていただいております。この議場にいない担当部課の職員並びに市民の皆さんにおかれましては、私の公式ホームページに載せてありますので、ごらんいただければと思います。
まず西図書館工事が線路際であり、工事がJRの線路に影響を及ぼし、列車の運行に危惧が生ずることをJRが非常に危惧し、JRと、鉄建・木村特定建設工事共同企業体との間で、技術的な協議が重ねられてきたと聞きます。そして、その結果、今回の工事変更の議案となっているわけですが、この2者の協議に、市の建築課など、市の担当課も入って、そのプロセスを把握しながら、今回の議案となっているのでしょうか。それとも、2者協議の結論だけを市が受け入れて今回の議案となったのでしょうか。
しばらくまたお残りいただければと思います。
[建築部長登壇]

★建築部長(豊田博史) お答えいたします。
JRとの協議についてですが、これはJR、それから施工者、市の担当者の3者において協議を行っているところでございます。
以上でございます。
[朝倉幹晴議員登壇]

◆朝倉幹晴 議員  お手元に配付した図面があるんですが、市とJRの敷地の境界線ぎりぎりのところの市有地の側に土どめの壁をつくるという工法について、JRと議論になってきたと聞きます。まずお聞きしますが、この土どめの工事に当たって、線路が微妙に影響を及ぼす。それが列車の運行に影響を及ぼすということが危惧されているという話で聞き、したのですが、その線路は、まあ総武線快速下り・上り、総武線の各駅下り・上り、4本の線路があるわけですが、それぞれの市有地境界との距離はどうでしょうか。そして、JRが危惧しているのは4本ともでしょうか。
[建築部長登壇]

★建築部長(豊田博史) お答えいたします。
今、議員がおっしゃられましたように、JR線の各線、これにつきましては敷地境界から隣接をしております順に、総武快速線下り、総武快速線上り、総武線下り、総武線上りがあります。最も近い総武線快速下り線で、敷地境界から線路敷までの距離は、約2.7メートルとなっております。JRが一番危惧しておりますのは、近接している総武快速線下りでございます。
以上でございます。
[朝倉幹晴議員登壇]

◆朝倉幹晴 議員  まあ、すると一番近い総武快速線の、下りを危惧しているということです。で、私もこの話を聞いた後に、実際に線路側、電車側から写真を撮ってまいりました。で、お手元に配付した図面では、一番トップが、道路側から見た西図書館の建設工事現場ですね。で、これは市民の皆さんが通学、通勤のときによく見る風景だと思うんですけど、ここでは余り問題がわからないんですが、実際に線路側、電車側から見ますと、これは総武線の快速、3番目の図は総武線の錦糸町・東京行きから見た総武線快速の線路と工事現場の様子です。で、さらに、その裏面に、実際に一番近い線路上の総武線快速から見た写真がありますが、これ、非常に実は、私自身ももう一回見直して驚いたところがあります。それは、まあ速いので、そもそも写真がはっきり撮れなかったぐらいであるということですね。(笑声)それと、非常に近いということを実感いたします。先ほど2.7メートルという話がありました。そして、さらにここは、西船橋駅へ停車しない総武線快速並びに成田エクスプレスが通るんです。で、総武線快速は時速100キロぐらいと聞いております。で、成田エクスプレス120キロと。その速度が2.7メートルのところを通るということですから、非常にやはり工事の影響が危惧されるということは非常にわかります。
それでは、土どめ壁を設置した工事をした後に、どのように線路に対する影響を調査するのか。そして、その機器の設置場所はどのようになっているのでしょうか。
[建築部長登壇]

★建築部長(豊田博史) お答えいたします。
工事中の追跡調査の方法は、線路の変位を観測するリンク型変位計と、地中に設ける、地下に設ける、土どめ壁の傾きを計測する傾斜計の2種類を設置します。リンク型変位計は、工事範囲を含めた85メートルにわたり、線路際に設置いたします。これは、上下左右の変位を監視してまいります。土どめ壁の傾斜計は、敷地内に2カ所設置して監視する予定でございます。
以上でございます。
[朝倉幹晴議員登壇]

◆朝倉幹晴 議員  それらの状況を踏まえて、今回、かつてはシートパイル・ウオータージェット併用方法という工法が考えられていたところを、SMW工法ということに変更されたと聞いております。この2つの方法の概要を説明いただき、SMW工法のほうが、実は高いんですね、費用が。にもかかわらずこちらに変更した、その理由をお示ししていただければと思います。
[建築部長登壇]

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◎建築部長(豊田博史) お答えいたします。
シートパイル工法は、地中に鋼矢板を埋設し、壁を築造する工法でございます。この工法の特徴といたしましては、地下水をとめることが期待できます。かたい地盤が一部存在するため、鋼矢板の先端にウオータージェットで、かたい地盤を水圧で緩めながら設置いたします。次にSMW工法ですが、地中の土とセメントをまぜながら、多くの連続した柱を築造するとともにですね、この柱の芯にH鋼を埋設する工法でございます。変形しにくく遮水性も高いといった特徴がございます。
工法を変更した理由は、シートパイル工法では、高圧水を使用して施工することから、現状地盤を一時、軟弱にしてしまうため、JRとの協議の中で線路への影響について懸念が示されたことから、地盤に対する安全性の一番高いSMW工法を採用したものでございます。以上でございます。
[朝倉幹晴議員登壇]

◆朝倉幹晴 議員  まあ、そのウオータージェットで掘り進んでいくわけですが、シートパイルの場合には。そうすると、そこに空隙が少しできると。で、そこが微妙な場所で地盤の変動をもたらすかもしれないという理由だというふうに理解したのですが、実際には本当にウオータージェットで危ないのかどうか。まあ、SMWのほうがより安全だということはわかるんですが、もしかしたらウオータージェットでもできるかもしれないという可能性もあると思うのですが、そこら辺の何らかの科学的な実証はあるんでしょうか、この工法の選択に当たって。
[建築部長登壇]

◎建築部長(豊田博史) お答えいたします。
これについてはシミュレーションによる構造計算を行い、より安全性を求めた工法としてSMW工法を採用いたしたものでございます。
以上でございます。
[朝倉幹晴議員登壇]

◆朝倉幹晴 議員  まあ、実際にシミュレーションをしたということですから、よりシミュレーションの結果を踏まえて安全な工法をとったというのは評価できるかと思います。実際に土どめ壁をつくった後、地下部分を掘り下げ、そして地下の基礎工事を始めるわけですが、その際もずっと、土どめ壁のときには当然、移動の監視はするんでしょうけれど、その土どめ壁の工事が終わった後も線路の移動の追跡調査はするんでしょうか。
[建築部長登壇]

◎建築部長(豊田博史) お答えいたします。
測定につきましては、土どめ壁を設置してから、地中、地下部分ですね、地下部分の埋め戻しが終わるまで、その期間を継続して行ってまいるところでございます。
[朝倉幹晴議員登壇]

◆朝倉幹晴 議員  この土どめ壁について、強度の保持に役立ちますけど、最終的に全ての工事が終了した後に、線路と図書館の間に残されるのでしょうか。地中と地上、それぞれどうなるのか、お答えください。
[建築部長登壇]

◎建築部長(豊田博史) お答えいたします。
今回設置した壁は、地盤から下へ、下部へ、約1メートルまで撤去し、それ以外は残存されます。地上部分には出てまいりません。
以上でございます。
[朝倉幹晴議員登壇]

◆朝倉幹晴 議員  まあ、いろいろ考えられた上で工法の選択がなされ、その追跡調査もされているということがわかりました。単に、多くの方が通勤・通学のときにあそこの場所の前を通ると思うんですね。そのときに、やはりこういうような工法についても十分考えられているところを感じながら通っていただければと願っております。で、工事の安全を願いながら本質問は終わらせていただきます。どうもありがとうございました。