船橋市の西浦下水処理場の残存活性汚泥法1系列の高度処理への転換実証実験について(2017年3月23日船橋市議会予算特別委員会討論)

★要約です。正式な議事録は市議会サイトにてご確認ください。

討論 
 下水道事業特別会計に賛成の立場で討論します。私たち人体の70%は水であり、私たちの生活と生命は水循環の中で育まれている。
私たちは自らが排出している生活排水が東京湾を過度に汚染させないようにする責務がある。

船橋市では高瀬下水処理場では全系列が東京湾の汚染を防ぐためN(窒素)・P(リン)を除去する「高度処理」となっているが、
西浦下水処理場では8系列のうち1系列は、N・Pの除去を考えていなかった時代の「標準活性汚泥法」が残存している。
この残存1系列に関し、昨年11月から今年10月までの1年間で、実質高度処理に変えていく実証実験が行われている。
担当課によると現在まで(3月まで)の状況で、除去効果が出ているそうである。この実証実験が成功し、残存1系列も
来年度途中より、本格的に実質「高度処理」形式に移行させ、より安定したN・P除去ができるように進めることを期待・要望して賛成する。

【技術的な説明補足】
(2015年6月の市議会質疑配布資料を使いながら)

食事や風呂の排水には生物由来の有機物が多く含まれており、これが未処理のまま東京湾に流れ込むと、「冨栄養化」による
プランクトンの大量発生、つまり「赤潮」の原因になります。また表層での遮光と有機物の沈殿が低層水の低酸素状態をもたらし、
「青潮」の遠因にもなります。

これらの防止のためには、有機物の中から遊離したN・Pを除去することが大切ですが、従来の下水処理場は
原生動物(ツリガネムシ等)などに有機物の炭素骨格部分を消費させるが遊離するN・Pは除去せずに
東京湾に放出する「標準活性汚泥法」を用いてきました。
1990年代より「活性汚泥法」から、N・Pの除去を進める「高度処理」に転換する動きが進められ、高瀬下水処理場は
全系列が高度処理に、西浦下水処理場も8系列中7系列が高度処理に転換しました。

高度処理には有名な2方法(A20法、AOAO法)がありますが、いずれも空気を曝気する「好気槽」と、
「無酸素槽」があり、好気層では硝化細菌(亜硝酸菌・硝酸菌)がアンモニウムイオン(NH4+)を
硝酸イオン(NO3-)まで変え、無酸素槽では、脱窒菌が、硝酸イオン(NO3-)をN2(窒素ガス)に変えて
空気中に放出させて、できるだけ東京湾への放流水には持ち込まない処理がされます。
またPもポリリン酸蓄積細菌に取り込まれ処理され、できるだけ放流水には持ち込まない処理がされます。
(なお一番下の系列の方法は船橋では使用されていますんが、円板の回転を経路の中に組み込んだ高度処理です、)

今、西浦下水処理場の活性汚泥法の残存1系列では、もともと系列の中にある程度の「しきり」があったことを
活用し、高度処理設計で作ったほど完全な区分にはならない中でも、硝化細菌がすむ好気槽に部分と、
脱窒菌がすむ無酸素槽に近い区分に分割して、活性汚泥法の系列のまま実質高度処理を行う実証実験です。



朝倉幹晴(あさくらみきはる)


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