「『つながり格差』が学力格差を生む」(志水宏吉・大阪大学大学院教授)を読んで~秋田県大仙市視察にあたって~

船橋市議会文教委員会で秋田県大仙市の小中学校の学力向上の取り組みを視察するにあたって、志水宏吉さん(大阪大学大学院教授)の2014年4月25日発行の「『つながり格差』が学力格差を生む」(亜紀書房)を読み直す。

(最近の新幹線は電源があり、ネットもワイマックスでつながるので、「こまち13号」新幹線座席にて書いています)

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私が見る範囲では、現状の学力格差問題(背景に子どもの貧困)、その原因と対策をまとめた最良の分析。この書の分析と、私自身が取り組んできた学習サポートや千葉県公立高校入試対策を踏まえ、大曲市教育委員会に話をお聞かせいただき質疑できるのが楽しみ。
実は船橋でも地域間格差・地域内格差が潜在的にある。その解決を目指した提案と実践ができればと思っている。

(皮肉なことに、この分野の先駆者である志水氏がいる大阪市では権力者・橋下徹氏の存在により改革が中断している。しかし2015年12月大阪市長選でまともな市長に交代すれば、志水氏の鋭い分析に基づいた改革が採用されると予想する。)

本書の締めくくりは以下の文章である。
「大阪では、『すべての子どもに十分な教育を保障する』という公平の原則が大変重視されてきた。そのよき伝統の『灯』が、政治の力で吹き消されようとしている。『公正を求める灯』は簡単に消えるものではない。しかしながら、政治的逆風が吹き続けるなら、灯の回りの空気が徐々に冷めていき、やがてはそれが消える日がきてしまうかもしれない。そうならないように、私たちはそれぞれの持ち場で、伝統の灯を守り続けていかなければならない。」(志水宏吉「『つながり格差』が学力格差を生む」本文末尾)