旧日本建鐵(株)工場跡地土壌汚染と近隣地下水汚染に関する基本的重要事実1 2015年7月11日

 2015年5~6月、旧日本建鐵工場跡地(船橋市山手)調査でトリクロロエチレンを中心とする土壌汚染と境界・近隣の地下水汚染は、NHK首都圏ニュースに取り上げられたこともあり、近隣をはじめ、多くの人々が影響を危惧されている。そうした中、開かれた塚田公民館で開かれた7月9日(木)三菱電機(株)(親会社・現在の跡地所有者)・船橋市環境保全課・船橋市保健所による住民説明会で、はじめて住民に直接の説明がなされ、新しい資料も提出された。私も「近隣井戸水利用者に対する三菱電機(株)による補償を」との発言をしたが、多くの方々からの質疑がなされた。説明会開催は、住民への説明の一歩としては評価するが、十分な納得や説明が得られたとは言い難い。そうした中で本日(7月11日)、第2回の説明会が開催される。
 私は第1回説明会(7月9日)で配布された資料と、住民から出された質疑を踏まえ、7月10日(金)に首都圏で最も理系技術系書籍が豊富な「ジュンク堂池袋本店7階理工書コーナー」で調査し、加えて東大生協駒場書籍部でも追跡調査した。
 そして、本問題の本質に迫る12冊の書籍を購入し今精読を始めている。その内容は、今後徐々に化学的・生物学的をできるだけわかりやすく噛み砕いて、2回の説明会での質疑応答内容とともに十分に公開していきたい。
 ただ、本日第2回の説明会を前にして先行して1点だけ基本的重要事実を報告したい。これを多くの皆様がご理解の上、本日の説明会に参加されることを願いたい。

管理マニュアルキャプチャ

本
【重要事実1】(7月9日、船橋市保健所配布資料)
旧日本建鐵工場は、1967年(昭和42年)~2004年(平成6年)までトリクロロエチレンを使用していた。

【重要事実2】(7月10日、ジュンク堂で入手した「特別管理廃棄物シリーズⅣ トリクロロエチレン等処理マニュアル」より)
 2001年(平成3年)10月に「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)が改正され、2002年(平成4年)7月に施行された。施行の際、7月3日付けで「床面や、トリクロロエチレン等の地下浸透を適切に防止できるコンクリート等の材料とすること。」が明記された厚生省告示(第194号)が出された。(少なくとも2002~2004年の2・3年間は、日本建鐵はこの改正廃棄物処理法と厚生省告示にも関わらず、トリクロロエチレンに対して適正な処理がとられていなかった可能性がある。)

【重要事実3】(「特別管理廃棄物シリーズⅣ トリクロロエチレン等処理マニュアル」より)
 改正法と厚生省告示の実践的指示書としての「特別管理廃棄物シリーズⅣ トリクロロエチレン等処理マニュアル」が1994年3月29日に発行されている。その中では、今回の事態を危惧した次のような記述が明記されている。
 「トリクロロエチレン等が地下水に浸透した場合は、地下水を汚染するおそれがある上、これらに汚染された地下水の回復が困難であることから、これらの地下浸透を防止するための構造とするとともに、床面等の日常点検に努め、ひび割れ等の損傷が認められる場合には。速やかにこれを補修する等の措置を講ずる必要がある。」(42頁)

今後の対処(井戸水調査・健康調査・補償)、汚染の除去をするのは当然として、日本建鐵操業時の管理状況について親会社「三菱電機」がきちんと調査し、住民に対して説明・謝罪をすることが必要ではないだろうか?

★本日の説明会 7月11日(土)午後3~5時 塚田公民館