2016年2月4日(木)船橋市議会広報委員会視察1日目 岐阜県可児(かに)市議会「高校生との意見交換会について」

2016年2月7日(日) 視察内容には他に「議会だよりの編集について」もありましたが、18歳選挙権実施前の今、まずは高校生との意見交換会を中心にご報告します。 まずは名古屋から乗り換え、名鉄(名古屋鉄道)で新可児駅着。可児市役所(市議会)に行く。 0204新可児抜粋キャプチャ150204可児市役所抜粋キャプチャ

可児市には、工業団地などに外国人が多いとのこと。市役所1階の入り口そばにポルトガル語相談窓口があり、「岐阜県多文化共生推進基本方針」のパンフレットが置いてあるのが印象的でした。

160207可児ポルトガル語キャプチャ

 

議会に伺い議員や議会事務局からパワーポイントと手元配布資料によりご説明いただきました。 160204可児担当者抜粋キャプチャ

以下説明と配布資料の抜粋要約(箇条書き)です。

★人口101125人 世帯40209世帯(2016年1月1日)

★人口の1/20 が外国人(工業団地などあり、ブルーカラー系)

★市議 22名

★名城大学との連携の取り組み 2008 年7月15日~ 議員11名 名城大学都市情報学部昇秀樹教授ゼミに参加し、地方自治や時事問題について意見交換を 行ない、知見を深めている。定例会中除き毎月1回

★高校生(岐阜県立可児高校)との意見交換会準備 可児市には岐阜県立可児高校(いわゆる進学校)、岐阜県立可児工業高校、東濃実業高校があるが、 意見交換会はまずは、学校の方針としてキャリア教育を進める可児高校を中心に進めている。

★「キャリア教育研修会の実施」 目的:2014年2月10日に開催する高校生議会での「地域課題解決型キャリア教育」参加生徒による活動報告に先立ち、可児高等学校が実施するキャリア教育について、どのような背景や目的、内容で取り組んできたのかを把握するため 時期 2014年1月15日 講師 可児高等学校教諭 浦崎太郎氏 対象:可児市議会議員および2014年2月10日意見交換参加職員(介護専門職)

★「可児高等学校高校生議会」(2014年2月10日、職員等15名、議員16名、大学生2名、生徒24名) 「地域課題懇談会(キャリア教育支援)」 目的:各種団体等の協力を得て、若い世代の意見を聞く機会を設け、地域の活性化や課題に取り組むことで、地域の担い手育成に繋げていく。 契機:可児高等学校が2013年度から実施している「地域課題解決型キャリア教育」への支援が契機。 流れ:キャリア教育(地域課題懇談会等)→高校生議会(議会での活動報告) 現状:地域課題懇談会実施会議を会議規則内に位置付けし(2015年6月)し、議会活動として取り組む体制整備を行っている。また、支援NPOとの連携強化を図っている。以下は医療職・福祉職をテーマにしたときの写真。 160204可児医療キャプチャ

この実践のもと、以下意見書が高校生から議会にあげられた。

160204高校生議会キャプチャ

★地域課題に若い世代が関わる機会を設けることについての意見書 私たちは、可児高校の地域課題解決型キャリア教育「エンリッチプロジェクト」に参加し、 可児市長、職員の型、地域の型、医療関係者など様々な職種や経験を持った方たちとの関わりを通して、気づきや発見をたくさんいただきました。そして、私たちを迎えて下さった皆さまから「地域をよくしていこう」という深い想いを感じ、想いを受け継ぎ、地域の未来を担えるよい、今を頑張ろうという意欲が高まりました。 私たちのような体験を積めば、若者は元気になり、自然に「将来は地元で暮らそう」 「地元のために何かしていこう」という気持ちになります。 そして、このような機会を充実すれば、可児市はきっと、若い力が集まる、より魅力的なまちへと発展を遂げると思います。 以上のことから、次の二点について要望します。 記

  1. 医療や福祉、介護を始めとした地域の課題を、「大人」の皆さまが立場を越えて共有し、話し合える「場」を設けること。
  2. 地域の課題を話し合う「場」に、高校生はもちろん、大学生や中学生などの多くの世代が参加できるようにすること。

平成26年2月10日           岐阜県立可児高等学校代表者 可児市議会 議長 川上文浩様

 

★地域課題懇談会(2015年12月10日開催 市長・選管4名・議員17名・NPO5名・生徒36名) ・18歳選挙権を課題に可児高校にて初の出前講座として議会主催により開催。 ・市長及び市選挙管理委員会、NPO縁塾の協力を得て、講演と意見交換を実施。 ・意見交換は「どうしたら選挙に行くのか」をいテーマに実施し、生徒が発表。 18歳選挙権出前講座参加生徒の感想(抜粋) ・今まで選挙なんてまだ先の話だからと考えようともしませんでした。講座に参加してみて、市長さんや可児の議員さんたちと話、どうしたら、選挙にいくのか、考えました。色々な案が出て、話し合いも深まりました。しかし出た案が実行に移るのはまだ先だと思います。これを機会に選挙について、これからの未来について、考え直したいと思います。 ・今回の出前講座でも、色んな方々と意見を交流して、視野が広がった実感があります。 ・市は頑張っても市民がついていかないと中身のある、意味のある、良い政策はできないから、僕らがすべき事というのは選挙に参加し、意思表示をすることからと自分なりに納得しました。

●私からの質疑とその応答 質疑1 可児高校に中心に進めているが他2高校はどうなっているか? →学校として進めているのは可児高校だけであるが、「可児金融協会」の協力のもと金融をテーマに開催された2015年6月14日の「地域課題懇談会」では、議長から岐阜県立可児工業高校、東濃実業高校にも話を持っていったこともあり、各3高校から約20名ずつ、計66名が参加した。今後はこのように2校にも広げていきたい。(以下写真で3列に3校生徒が均等に参加している様子がわかります。) 160204可児金融キャプチャ

質疑2 中学生に対してはどのような働きかけをしているか?

→公民の授業で使えるように議会の資料を提供している。

質疑3 さきほど可児高校からは、東京に行って地元に戻ってこない進路を選ぶ生徒が多いとおっしゃっていた。かくいう私も愛知県立時習館高校から東京の大学に出てそのまま首都圏にいることになった人間であるが、この取り組みが、高校生が地元に戻ってくる比率を増やすきっかけになるとの感触はあるのか?

→医療系のキャリア教育に参加した生徒のうち3人が、岐阜県の地域枠で岐阜大学医学部に進み、少なくとも岐阜県の医療に関わることを進路として選択した。そのように、可児市や岐阜県に戻る生徒の比率を徐々に増やせるのではないかとの感触を持っている。

(私自身が別の選択をしたので、聞きにくいテーマでしたが、市の政策立案の観点からは聞くべきと思い聞きました)

船橋市にも多くの県立高校があり、また市立の市立船橋高校もあります。ぜひこの取り組みに学び、船橋市でも進めていくべきと思いました。これから議会でそのように働きかけていくつもりです。

ご説明いただいた議員・事務局の方々ありがとうございました。