2018年10月24日(水)船橋市議会建設委員会視察1日目速報~鹿児島中央駅東口市街地再開発事業とペデストリアンデッキ整備計画について・他~

 

2018年10月24日(水)1日目宿泊先の小倉ホテルにて報告

船橋市議会建設委員 朝倉幹晴

船橋市議会建設委員会は、10月24日(水)・25日(木)で行政視察を実施中である。1日目は鹿児島市において、鹿児島中央駅東口の市街地再開発事業・ペデストリアンデッキ整備計画などについて視察した。

<2021年1月予定の事業完成イメージ図>

まず鹿児島市役所(市議会棟)にて、鹿児島市建設局都市計画部市街地まちづくり推進課より説明をいただいた。

 

その後、現地視察した。

●視察の目的

船橋駅南口再開発事業は、フェイスビルの完成以外の街区では進展せず、更に2018年2月の船橋西武撤退により、ペデストリアンデッキの回遊性計画も中断していて、現在も未定の船橋西武跡地利用が決まらないと進みにくい状況となっている。しかし、この事業は存続しており、西武の跡地利用が決定後の今後の方向を考える上でも類似点のあるこの事業を視察することととした。

参考

船橋駅南口再開発事業の概要

①鹿児島市中心街の3つの地区

鹿児島市の中心街は、以下の図のように3つの区画に分けられる。

 

ピンクの区画「鹿児島中央駅地区」は九州新幹線の駅「鹿児島中央駅」で博多・小倉と1時間半程度で行き来できる場所であり、現在もっとも通行者が多い場所となっている。今回は、この地区を中心にみた。

写真右端の青の区画「上町・ウオーターフロント地区」はJR鹿児島駅を含む区画である。

写真中央の緑の区画「いづろ・天文館地区」は両者をつなぐ市電が通る通りを中心とする街である。ここでは2009年5月に閉店した三越鹿児島店の跡地に2010年4月にマルヤガーデンズを開店し、現在はジュンク堂・LoFtなどが入り若干にぎわいを回復した。また同じ区画内の通り沿いでは2021年3月、1~3階を商業施設、4・5階に図書館、7階以上にホテルなどが入る再開発ビル完成予定で「千日街1・4番街区市街地再開発事業」が進んでいる。

②鹿児島中央駅東口市街地再開発事業

(正式名称「中央町19・20番街区市街地再開発事業」)

<平面図>

緑の部分に7階まで商業施設・5・6階にホール、7階~24階の200戸の住宅とする再開発ビルが2021年1月完成予定で建設される。

そして駅から2階部分を通って、電車通りの先の歩道にまでつながるペデストリアンデッキを2020年9月完成予定で作る。駅に近い部分の既存の建物(アミュプラザ)の2階には駅に直接つながる通路が確保されペデストリアンデッキとつながる。

②既存の街区との関係

19・20番街区はもともとその中央に道があった。そこをそのまま通行できるように「都市計画通路」として確保。つまり、再開発ビルの中央1階部分が誰でも通行できるような通路となり、奥側の22・23・24・25番街区の既存アーケードとつながる。

③再開発ビル工事の現況(2018年5月開始、10月時点)

駅側から見た様子。中央に残るアーケード部分が再開発ビル1階の都市計画通路となる。

 

工事個所裏手から駅を見る。

④市街地再開発事業の経過

・2005年度「中央町19番街区再開発研究会」設立

「中央町19番街区再開発協議会」設立

・2006年度「中央町20番街区再開発研究会」設立

・2007年度 事業化検討調査(市)

・2008年度 基本計画作成調査(市)

・2009年度 「中央町19・20番街区等再開発協議会」設立

推進計画作成調査(市)

・2012年度 準備組合設立

・2015年11月 都市計画決定

・2016年3月 特定業務代行者(再開発ビルの設計、工事等を代行し、再開発ビルの床処分に最終的な責任を負う者)決定

南国殖産(株)を代表企業とする7社の共同企業体

・2016年12月 市街地再開発組合設立

・2017年8月 権利変換計画の認可申請

・2017年10月 権利変換計画の認可(県)

・2017年11月 既存建築物除却工事着工

・2018年5月 再開発ビル工事着工

⑤事業の進行と市全体としての問題点

(報告や質疑を私なりにまとめたもの)

特定業務代行者が様々な取りまとめをすることにより、事業は順調に進んでおり、200の住宅も入居するだろうと思われている。それは九州新幹線の駅のすぐ近くという立地条件の良さも大きい原因だろう。民間ベースのマンション開発も進んでおり、この再開発ビルも含めた中心市街地の活性化は進みそうである。しかし、相対的に鹿児島駅付近のエリアの魅力が不十分になってしまうこと、そして中心市街地に人が集まることにより、市周辺部の人口減が進むことが危惧される。その対策も同時に必要である。

 

最初に述べましたように、この鹿児島市の経験を、船橋駅南口再開発事業に活かせるように注視していきます。