【8月9日15時報告】新型コロナウイルス感染症患者(陽性者)の発生(船橋市居住133人、船橋市居住8020~8152例目)、変異株検査報告(α株3人、δ株17人)、クラスター発生続報、市職員の感染などについて。

2021年8月9日 船橋市議 朝倉幹晴

船橋市保健所より、以下のように、新型コロナウイルス感染症患者の発生の報告をいただきました。市保健所と市内医療機関から市内111人(市外9人)、市外保健所より市内22人、あわせて市内133人(市外11人)です。一週間連続100人以上の感染です。また、変異株検査報告(α株3人、δ株等17人)、市内クラスター発生続報、市職員の感染報告をいただきました。

δ(デルタ)株等の増加もあり、感染が増加しています。衛生対策の徹底をお願いいたします。

 

 

 

 

<参考>
●2020年3月~2021年7月の感染症患者(陽性者)発生者数推移

●2021年6・7月の変異株推移

直近の船橋市保健所での検査に絞ったデータ(7月26日~8月1日)では陽性者276人のうち、Ct値30以下で変異株検査に回された数は120人(43.5%)でその中でδ株等が109人、α株が11人です。なお船橋市保健所ではβ株・γ株は検出されてません。

★変異株に関する船橋市保健所での検査能力と、国立感染研・千葉県衛生研究所との協力体制に関して(朝倉解説)

新型コロナウイルスは様々な変異を繰り返しています。特に感染・伝播性の増加が危惧され、世界的に増加してるのが、イギリス型、南アフリカ型、ブラジル型です。3つの型とも、ウイルスがヒトの細胞に付着し侵入するための突起タンパク(Sタンパク、spike protein))のヒト細胞の受容体と結合する部位RBD(受容体結合部位、receptor binding domein)の変異などで感染・伝播性が増しています。3型ともスパイクタンパク質を構成する501番目のアミノ酸がN(アスパラギン)からY(チロシン)に変異するN501Y変異を持っています。南アフリカ型、ブラジル型はこれに加えて484番目のアミノ酸がE(グルタミン酸)からK(リシン)に変わるE484K変異を持ちます(イギリス型はもたない)。
まとめると イギリス型 N501Y変異  南アフリカ型 N501Y変異+E484K変異 ブラジル型 N501Y変異+E484K変異
(他にも変異箇所がありますが、最も代表的な2か所のみを取り上げての説明です)

したがって、N501Y変異がわかれば、3型のどれかであることまではわかります。PCR装置での検出の試薬を変えることでN501Y変異を検出する方法を国立感染研が開発していました。3月時点では船橋市保健所では採用されていませんでしたが、3月議会で私が強く質疑・要求し、4月12日から船橋市保健所での検査が実施され、本日(4月21日)累積13人の陽性者が報告されたものです。

更に3型のどれかを特定するためには、Sタンパクを指定するウイルスのRNAの塩基配列を解析しなければなりません。その機器(次世代シークセンサー・塩基配列解読装置)は船橋市保健所にはなく、陽性と確定された検体は、国立感染研か千葉県衛生研究所に送られ分析し確定されます。
しかしながら、3型のいずれかであることを(国立感染研か千葉県衛生研究所にある次世代シークエンサーでの分析の前に)、船橋市保健所で、迅速に把握・発表することは対策を早めることに有効です。
なお、衛生、感染防御の対処法は、これまでと同様(マスク着用、密を避ける、手洗いうがい、会食(前後)にマスクをはずした会話を避ける)です。
(また、ワクチンの効果が変異株に関してどうなるのかは現在様々検証がなされていますので、結論的なことは言えませんが、「まったく効果がなくなる」ということまではないと見られています)

【参考】船橋市保健所での検査にいたった経緯は1~4(特に4をご覧いただけると現状がわかります)、変異株の詳しい解説5,6

1、2月24日朝倉幹晴質疑録画中継(変異株質疑は7分50秒~20分20秒、12分30秒)
2、3月18日、予算決算委員会で松戸市長に重ねて要請・市長答弁録画中継(1:27:00~1:32:25の5分25秒)
3、船橋市、変異株に関する検査スタート】(3月25日保健所理事から報告←2月24日・3月18日市議会質疑で強く要請)
4,2021年7月9日、朝倉幹晴の船橋市議会質疑「変異株」部分の動画(15分)&文字での記録(概要)
5、動画解説「変異株の現状と最新状況の調べ方の基礎知識」(34分、2021年6月4日)
6、動画「イギリス・南アフリカで発生したウイルス変異型の基礎知識」(37分)(2021年1月10日20時時点)

 

船橋市保健所でのL452R変異(デルタ株(旧呼称インド株))PCR検査開始について。