2025年大学入試共通テスト「数学1A」第2問[2](配点15点)問題・解答・解説

2025年4月29日 朝倉幹晴(予備校講師・船橋市議)
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2025年大学入試共通テスト「数学1A」第2問[2](配点15点)
[2]以下の問題を解答するにあたっては、与えられたデータに対して、次の値を外れ値とする。
「(第1四分位数)ー1.5×(四分位範囲)」以下の値
「(第3四分位数)+1.5×(四分位範囲)」以上の値
太郎さんは、47都道府県における外国人宿泊者数と日本人宿泊者数の動向を調べるため、それらに関するデータを分析することにした。外国人宿泊者数を、日本国内に住所を有しない宿泊者の人数の1年間の合計とし、日本人宿泊者数を、日本国内に住所を有する宿泊者の人数の1年間の合計とする。宿泊者数に関するデータは千の位を四捨五入し、1万人単位で表したものとし、以下においては単位(万人)を省略して用いることとする。例えば、「4567890人」は「457」とする。
なお、以下の図や表については、国土交通省のWebページをもとに作成している。
(1)
(i)図1は、47都道府県における令和4年の外国人宿泊者数と日本人宿泊者数の散布図である。なお、散布図には原点を通り、傾きが10の直線(破線)を付加している。また、日本人宿泊者数が1000を超える都道府県の数は12である。
次の(a)、(b)は、図1に関する記述である。
(a)令和4年について、外国人宿泊者数が100を超え、かつ日本人宿泊者数が2500を超える都道府県の数は2である。
(b)令和4年について、日本人宿泊者数が外国人宿泊者数の10倍未満である都道府県の割合は50%未満である。
(a)、(b)の組合せとして正しいものはタ(2点)である。
(ii)47都道府県における令和4年の外国人宿泊者数を分析した結果、外れ値となる都道府県の数は8であった。
一方、表1は47都道府県における令和4年の日本人宿泊者数を、値の小さい順に並べ、その順に都道府県P1、P2、・・・、P47としたものである。この中で、外国人宿泊者数で外れ値となる都道府県(P37、P40、P42、P43、P44、P45、P46、P47)に印*を付けている。
表1のデータにおいて、四分位範囲はチ(2点)となることから、令和4年の外国人宿泊者数と日本人宿泊者数の両方で外れ値となる都道府県の数はツ(2点)である。
(3)太郎さんが住む地域では、その地域に宿泊を促すためのキャンペーンとして、キャンペーンA、Bが実施されている。
太郎さんは、キャンペーンAの方がよいと思っている人が多いといううわさを聞いた。このうわさのとおり、キャンペーンAの方がよいと思っている人が多いといえるかどうかを確かめることにした。そこで、かたよりなく選んだ人たちに、キャンペーンA、Bのどちらがよいかについて、二択のアンケートを行ったところ、アンケートに回答した35人のうち、23人が「キャンペーンAの方がよい」と答えた。この結果から、一般にキャンペーンAの方がよいと思っている人が多いといえるかどうかを、次の方針で考えることにした。
方針
・“「キャンペーンAの方がよい」と回答する割合と「キャンペーンBの方がよい」と解答する割合は等しい”という仮説を立てる。
・この仮説のもとで、かたよりなく選ばれた35人のうち23人以上が「キャンペーンAの方がよい」と回答する確率が5%未満であれば、その仮説は誤っていると判断し、5%以上であればその仮説は誤っているとは判断しない。
後の実験結果は、35枚の硬貨を投げる実験を1000回行ったとき、表が出た枚数ごとの回数の割合を示したものである。
実験結果を用いると、35枚の硬貨のうち23枚以上が表となった割合は、ナ.ニ%である。これを、35人のうち23人以上が「キャンペーンAの方がよい」と回答する確率とみなし、方針に従うと、“「キャンペーンAのほうがよい」と回答する割合と「キャンペーンBの方がよい」と回答する割合は等しい”という仮説はヌ、したがって、今回のアンケート結果からは、キャンペーンAの方がよいと思っている人がネ。
ヌ、ネについては、最も適当なものを、次のそれぞれの解答群から一つずつ選べ。(ナ二ヌネで合わせて4点)