【5月22日船橋市議会速報】船橋市長から新型コロナウイルス感染症対応の行政報告
2020年5月22日(金) 船橋市議 朝倉幹晴
船橋市議会2020年6月議会(令和2年度第2回定例会)は本日(5月22日)より開会され、松戸徹船橋市長より、新型コロナウイルス感染症対策に関する行政報告と議案の提案がなされ、28日(木)・29日(金)、私も含む市議が質疑を行います。松戸徹市長におかれましては、対応のご努力と本日の行政報告ありがとうございます。
通常、議会の議事録は後世まで公開されるもののため、十分な確認を経るために、2・3か月後にUPされます。しかしながら、今回はこの重要な行政報告に対する質疑を1週間後(28・29日)に行う準備のため、複数の会派から、正式ではなく簡易な議事録(「反訳」という)を求める声があり、議会運営委員会の決定に基づき、本日中に急いで議会事務局が「反訳」を作成することとなり17時までに完成したしました。議会事務局のご努力に感謝いたします。そのような経過で、「反訳」を市議が共有することとなりました。以下に「反訳」を掲載しますが、これは正式な議事録ではなく、正式な議事録は8月以降に市議会HPに掲載されるものでご確認ください。
さらに、「反訳」においては、言葉の言い直しや訂正も正確に反映されていますが、ここではそこは割愛し、発言の意味を変えない範囲で修正・訂正部分の置き換えを行っております。また段落にタイトル(青字)をつけたのは朝倉によるものです。全てではありませんが、可能な限り市長発言のフレーズそのものを使用しました。
ここに掲載するのは、一刻も早く、この内容の概要は市民が共有したほうがよいこと、そしてまた、私自身の28・29日の質疑において皆様からのご意見をお聴かせいただければと思うからです。ぜひご意見をお聞かせください。
○議長(日色健人) 日程第 3 の行政報告及び日程
第 4 から第 28 までの議案 25 案を一括して議題といたします。市長から行政報告と提出議案の説明を求めます。市長。
[市長登壇]
○市長(松戸徹)
まず、行政報告に当たりまして、今回の新型コロナウイルスに感染された皆様に、お見舞いを申し上げます。また、医療、福祉、介護をはじめ、社会を支えるために多くの皆様が献身的に取り組んでいただいていることに対しましても改めて感謝を申し上げます。そして、感染拡大防止のためには、何と言いましても多くの市民の皆様、また、議員各位に、さまざまな形でご協力をいただいておりますことを、重ねて御礼を申し上げます。
【現状】
5 月 21 日現在、船橋市、市内におきましては、累計の感染者数が 123 名、このうち、これまで退院された方、療養を終了された方が 97名となっており、現在、入院・療養をされている方は 26 人、他市に移管された方は 1 人となっております。
【初期対応】
新型コロナウイルス感染症は、潜伏期間が非常に長く、また感染者の大半が軽症であるという特性があり、治療薬が確立されていないという中で、これまでにない難しい対応を強いられてきております。船橋市では、我が国で初めて新型コロナウイルス感染が確認された 1 月 16 日以降、市の新型コロナウイルス感染症対策本部を立ち上げ、感染の拡大防止に向け、様々な対策を行うとともに、2009 年の新型インフルエンザの集団発生の経験も踏まえ、全力で対応にあたってまいりました。その主な内容についてご報告申し上げます。令和元年 12 月、中国武漢市において原因不明の肺炎が広がりをみせ、今年の 1 月 7 日に新型のコロナウイルスが肺炎の原因であることが判明をいたしました。1 月 16 日に武漢市から帰国した方の感染が国内で初めて確認され、28 日には日本人初の国内の感染者が確認されました。こうした状況を踏まえ、市保健所が中心となって対応を検討し、まず第一として 1 月 25 日に市民の皆様が安心して相談できるよう、保健所の相談窓口を開設いたしました。2 月 3 日には、市の組織全体で臨む必要があることから、新型コロナウイルス感染症対策本部を立ち上げました。保健所においては、新型コロナウイルスへの対応を最優先とする必要があることから、保健所内の仕事の優先順位を見直し、約 100 名で対応する体制として、2 月 5 日には、専用のコールセンターを設置いたしました。その後、さまざまな事案に対応するため、休館している施設の職員をはじめ、全部局より人員を確保することで体制強化を図り、現在では総勢 250 名程度の体制を敷いてきております。コールセンターにつきましては、国内での感染が拡大したことに伴い相談件数が急激に増加したことから、回線数を大幅に増やし、受け付け時間も拡大することで、長時間お待ちいただかなくてもご相談いただける体制を構築いたしました。コールセンタ
ーには、最大時、4 月 6 日頃でありますけれども、1日 440 件ほどの問い合わせ・ご相談があり、現在でも 150 から 200 件ほどのご相談をいただいております。
【医療体制の整備】
次に、市民の命と健康を守る医療体制の整備についてご説明いたします。船橋市は、多年にわたり市医師会をはじめ医療関係者との連携を深めてまいりましたが、感染症につ
いても、2009 年の市内の......市内での新型インフルエンザ集団発生以降、市医師会と継続的に協議を続けてまいりました。その中で確立された問題意識の共有と信頼関係に基づき、新型コロナウイルス発生時から医師会と検査体制の拡充と病床確保について協議を続け、2 月 7日から帰国者・接触者外来を設置していただき、感染が疑われる方の診察やPCR検査が必要な方の検体採取を担っていただきました。また、市内の医師が必要と判断したケースについて、積極的に検査を行うため、3 月 11 日には市独自のPCR検査を開始いたしました。国内ではPCR検査が十分受けられないことが社会的な問題となっておりますが、船橋市においては市医師会の協力によってこういった状況は回避され、陽性者の確実な把握につながっているものと考えております。PCR検査で陽性が判明し、入院が必要となった方を市内の 7 病院で受け入れていただいております。市内の感染者及び感染経路不明者が急増した 4 月以降は、多くの入院患者を受け入れることのできる体制づくりが急務となったことから、新型コロナウイルス感染症患者専用病床の大規模な確保及び受け入れについてもご協力をいただき、現在では 80 床を超える病床が確保されております。そして、4 月 21 日にはPCR検査外来、いわゆるドライブスルー方式のPCR検査を開始し、医療機関の待合室での感染リスク低減や迅速な検査の実施が可能となりました。4 月 30 日からは、検査結果が陽性だった方のうち入院を要しない軽症・無症状の方々に療養していただく宿泊施設を、船橋第一ホテルにご協力をいただき運用を開始いたしました。これにより、医療崩壊の危機を防ぐとともに、家庭内感染のリスクの軽減を図りました。5 月 21 日現在、ホテルにおいては 12人の方が療養されており、10 名の市職員と看護師が常駐し、医師につきましてはオンコールで、24 時間対応可能な体制をとっております。なお、船橋市では医師会との感染症の協議を続ける中で、マスク、防護服、アルコール消毒液等の備蓄をしてまいりましたが、前回の新型インフルエンザの対応に当たって、26 万枚備蓄していたマスクを、2 月 28 日から市内医療機関をはじめ、介護、保育、ごみ収集事業者に提供を行い、これまでに約 24 万枚の提供を行っております。また、アルコール消毒液につきましても、不足する医療機関に提供をいたしました。
【感染予防の取り組み】
次に、感染予防の取り組みについてご説明いたします。まず、広報やホームページなどで、感染予防のための周知啓発、公共施設への手指消毒液の設置を行う中で、密状態を避けることが強く求められたことを受け、公民館、文化ホール等の施設の利用の中止、イベント等についても中止し、保育園の休園や学校の休業を継続しております。また、市役所の各種手続きにつきましては、できる限りオンラインや郵送で行っていただくよう、市のホームページ等で周知を行っているほか、窓口では、飛沫感染防止のためビニールカーテンを設置し、待合スペースにおいても間隔を開けて座るようお願いするなど、密な状態が生じないよう工夫をしているところでございます。
【子供たちとその家族への支援】
次に、子供たちとその家族への支援についてご説明いたします。学校については、教育委員会と共に、感染症拡大防止に対する保健所の専門的知見を合わせて検討の上、対策本部で2月28日に小中学校の休校を決定し、5 月 31 日まで臨時休業することといたしました。これに伴い、教育委員会では、児童生徒が学習に著しい遅れが生じることがないように、可能な限り家庭学習の.課題を設定するとともに、国語、算数などの動画を作成し、配信をして、登校日に状況の確認を行っております。学校の一斉臨時休業とあわせ、保護者の勤務の状況等から、どうしても必要な児童を対象に、放課後ルームの運営を拡大することで対応を行いました。556 人の追加の申し込みをいただきましたが、緊急事態宣言後は、市内での患者の増加などを受け、児童、保護者、職員の安全のため、保育園とともに 4月 21 日から臨時休所とした上で、医療従事者や社会機能を維持するために就業することが必要な方などのお子様につきましては、引き続き受け入れを行っております。在宅期間が長期化することで生じる課題への対応につきましては、休館中の子育て支援センターにおける電話相談や子育て世帯向けの動画配信などを行いました。また、DVによる女性相談、児童虐待による家庭児童相談等で虐待予防などにも努めてきております。
【専決処分について】
(朝倉解説 *専決処分とは、本来は議会の審議を経た上での議決を行うべきものを、緊急を要するため市長判断で決定・執行し、事後に議会の議論に付すこと。)
医療を含め、市民を支えるために緊急を要する施策については、緊急に実施する必要があることから、専決処分を行わせていただきました。詳細につきましては議案でご報告しているとおりでありますが、1 つとして、感染症拡大防止のための医療提供体制の整備充実、2 つ目として、安全安心な生活を守るための支援、3 つ目として、市内経済維持のための事業者支援の 3 本柱を軸に、緊急パッケージを、実施をいたしました。特に経済対策としては、予算に先立ち、3 月中に、県内初の取り組みとして、市内中小企業者が、所定の制度融資を受けた場合、利子及び信用保証料の全額を市が補給する制度を開始いたしました。この際、市独自の制度として、事業者が日ごろ取引をしている市中銀行も利用できるようにいたしましたが、その後、国においても同様の措置が行われることとなりました。また、多くの事業者が課題としている家賃の助成につきましては、減収の対象を 3 分の 1 以上とし、5月 1 日から申込者への支給を開始しております。国の定額給付金につきましては、可能な限り早く、確実に市民の皆様へお届けできるよう準備を進めてまいりました。その中で、DV被害に遭われて、生活に困難な状況にいる方々を確実に救済するために、優先しての受け付けと、市が把握している方々の抽出を行い、申込書を 5 月上旬に郵送いたしました。現時点では、対象の約 75%の受け付けが完了しており、5 月 15日から支給を開始し、本日現在で 271 件、586 人の方に支給済みとなっております。オンライン申請につきましては 5 月 1 日から受け付けを開始し、郵送分については 5 月 18 日から発送を開始いたしました。あす、23 日までには全世帯に郵送できる見込みとなっております。既にオンライン申請の受け付け分については3,650件9,254人の方に支給を行っておりまして、今後も市民の皆様に迅速にお届けできるよう努めてまいります。このほか、外出自粛により大きな影響を受けている飲食店を応援するため、テイクアウトや出前に対応している店舗をホームページやSNS等で紹介し、市民の皆様にご利用を促す「#食べよう船橋」キャンペーンも実施をしております。このキャンペーンは、本市の呼びかけによりまして、千葉市や習志野市など県内自治体にも広がりを見せているところでございます。
【市役所の 3 密防止】
次に、市役所の 3 密防止への取り組みについてご説明いたします。本庁舎に出勤する職員の数を概ね半減させることを目指す交代勤務の実施、会議室等を活用した執務場所の分散を行うことにより 3 密を避けるための取り組みを行ってきております。また、時差出勤の時間差を拡大し、通勤時の感染リスクの軽減を図るなど、感染予防......感染防止対策に努めました。このうち、執務場所の分散に当たりましては、市議会の委員会室等のご提供にご協力をいただきましたことをこの場をお借りして御礼を申し上げます。
【北総育成園の状況】
最後に、北総育成園の状況についてご報告申し上げます。本市が香取郡東庄町に設置する北総育成園におきまして、3 月 28 日に新型コロナウイルスの集団感染が確認され、入所者 70 人のうち 54 人、職員 67 人のうち 40 人が感染いたしました。入所者全員の健康回復を目指して取り組みを続けましたけれども、お二人の方がお亡くなりになりましたことは大変残念でなりません。心からお悔やみ申し上げますと共にご冥福をお祈り申し上げる次第でございます。5 月 12 日及び 13 日の検査をもちまして、病院に入院しているお二人を除き、施設で療養していた入所者全員が陰性となったことを確認することができました。また、現在、施設職員も全員の陰性が確認されております。利用者の多くが元気を取り戻し、職員についても医療機関で療養していた方が順次復帰してきたことから、5 月 14 日をもって、市・運営法人・県が合同で設置していた現地の支援対策本部を終了いたしました。これまで、施設の対応に当たっては、市と共に、県や千葉県知的障害者福祉協会、運営法人のほか、運営法人の他の施設職員、有志の皆様からさまざまな支援を行っていただきました。また、東庄町長を初め、町役場、町民の皆様にもご協力をいただきましたことを改めて心から感謝を申し上げる次第でございます。施設内における医療につきましては県が中心になって対応していただき、市としては、保健師、看護師、施設内の生活介助等を行うための職員の派遣に加え、ガウンやゴーグル、マスクなどの防護具や衛生用品、その他の物的支援も行ってまいりました。また、千葉県知的障害者協会に加入する有志の法人に食事や布団の手配等を支援していただいたほか、東庄町からは、市が派遣した職員の宿泊施設を提供していただきました。特に、人員が少ない中で北総育成園の職員の皆さんには、昼夜、入所者のために懸命に頑張っていただきましたことに敬意を表しま......敬意を表したいと思いますし、改めてこの取り組みに対して、関係し、支援をしていただいた全ての皆様に深く感謝を申し上げる次第でございます。終わりに、この間、市民の皆様からは、新型コロナウイルス感染症対策に従事する医療・福祉関係の方々や清掃業務関係者、生活を維持するため営業を続けている事業者の方々などに対する温かい応援メッセージいただいております。また、さまざまな物資、ご寄付も数多くいただいておりますが、こうした心温かなご支援は新型コロナウイルスへの取り組みの大きな支えとなるものであり、心から感謝を申し上げます。市内の陽性者につきましては、今月 12 日から 21日までゼロという市民の皆様のご協力の成果が現れておりますが、まだまだ予断を許す状況にはございません。第 2 波に対しても十分警戒をしていく必要もございます。新型コロナウイルスとの戦いは長期化が予想され、市としても、今後も市民の皆様の命を守ることを主眼として、様々な角度から市民生活を守るための取り組みを行い、市民の皆様と心を 1 つにして、これまで私どもが経験したことのない難局に立ち向かう所存でございます。議員各位におかれましても、引き続きご理解とご協力をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。