2022年11月30日、朝倉幹晴、船橋市議会一般質問動画(29分)・議事録(文字)「多様性でつながりあう街」「学校開放事業」「障がい児・支援が必要な子の父母の想いを市は受け止めるべき」
(2023年2月13日加筆 船橋市議会HPに掲載された議事録を添付します。)
2022年12月5日 船橋市議 朝倉幹晴
11月30日の船橋市議会での質疑に諸資料を埋め込んだ動画(29分)をupしました。ぜひご覧ください。
[朝倉幹晴議員登壇]
◆朝倉幹晴 議員 船橋市民65万人は、実に様々な方々で構成されております。もちろん外国人やLGBTQの方の権利を擁護していくのは当然の前提として、他の様々な多様性も把握しながら行政運営をするべきです。実は、船橋市の多様性を知る資料として、船橋市統計書というのがあります。ただ、ここは数値の羅列であります。私の尊敬するフローレンス・ナイチンゲールが統計上の数字を単に数字として眠らせておくのではなく、それをグラフ化し、図式化し、命を与えて語らせるべきだというふうに言っております。そして、彼女はその手法でイギリスの衛生改革を成し遂げたわけです。私はその足元にも及びませんが、ぜひ船橋市の状況をグラフ化したいと思い、グラフを作成いたしましたのが、議員の皆様にはお手元に配付してある資料です。市民の皆様や理事者の担当部課の皆様は、私の朝倉幹晴公式サイトに載せてありますので、後でご覧ください。
人数別の世帯数比率でいいますと、これは3月議会で質疑した内容ですが、3人以上の子育て世帯などを含む世帯が34%、夫婦などの2人世帯が28%、単身世帯が38%とバランスよくいらっしゃいます。そして、年代別人口なんですが、普通、人口ピラミッドという形で、下から上に積み上げる形が多いんですが、円グラフにしてみると、それぞれの世代、10歳ごとのそれぞれの世代がほぼ10%程度いらっしゃるということで、一部、40代、50代、70代が多いとはいえ、全ての世代のバランスが取れております。そして、お住まいの形態なんですが、戸建てが非常に41%と多いとはいえ、3~5階建ての低層団地、アパートが21%、そして、その次に、3月議会で私が取り上げさせていただいたアパートなども含む1・2階建ての人が15%、そして、そのほかマンションの方という多様な住まい方をされています。そして、船橋市の特徴として、もともと住んでおられた方と私も含めて新しく住んでこられた方が非常にいい形で両方存在していらっしゃるということがいいということで、本当は、出身地別の全市民のデータが分かればいいんですが、それはないので、転入者で類推をしてみました。2021年の転入者が3万3462人いらっしゃいます。転出者が3万1189人ですから、この令和3年(2021年)は2,273人が1年で増えたということになります。
さて、転入者の73%は関東地方、最も多いのが千葉県、次いで、東京都、神奈川県、埼玉県ということになってます。関東以外の地域からの転入を調べたんですが、中部・近畿が多いとはいえ、全体的に本当に各地域から住まわれてきてるということが分かります。この特性をぜひ生かしながら、多様な人々、多彩な人々が共につながり合って暮らせるようなまちづくりを目指すべきです。
先ほど、その端緒としての夏のボランティア体験の話をさせていただきましたが、市長もその場所に参加されておられましたので、今後、船橋の町の多様な人々のつながり合いをつくっていくためにはどのような方向を目指すのか、夏のボランティア体験のときのご感想も含めてお聞かせいただければと思います。
[市民生活部長登壇]
◎市民生活部長(丹野誠) お答えいたします。
夏のボランティア体験報告会において、ボランティア体験をした子供たちの発表、そして、地区社会福祉協議会をはじめ、ボランティアの受入れをしていただいた様々な団体の皆さんからの感想を聞いて、当日、市長から次のような講評がございました。
船橋市は近いうちに人口65万人の町になると思います。人口が多いことは活力としてはいいのですが、人と人のつながりがないと、ただ大きな町、人口が多いだけの町になってしまいます。町会自治会の活動、市民団体や市が実施するイベントなどの様々な機会を通じていろいろな人が知り合って、そして、お互いに笑顔になる。これがこれからのコロナ後の社会をつくっていくために大切なキーワードになると思います。これからは、地域の人たちとのつながりプラス世代のつながりがとても大事だと思います。そういった内容でご講評をいただいたところでございます。
また、市長に事業の報告をした際には、夏のボランティア体験はコロナ禍にもかかわらず、多くの中学生・高校生の参加があり、その中には毎年継続して参加している学生もいるので、しっかり取り組むようにというお話もいただいたところでございます。
議員にお示しいただいた市民の暮らし方の多様性も参考にしながら、こういった市長の考えに沿って、今後も様々な機会を生かしながら地域のつながりをつくる事業に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
[朝倉幹晴議員登壇]
◆朝倉幹晴 議員 次に、学校を軸にしたまちづくり、地域づくりについて質疑します。
子供を核にしたまちづくりを掲げられ、兵庫県明石市で様々な施策を実施し、発信されてた泉房穂さんは、この12年、来年の4月で政治家を引退されると表明し、今後、後進を育てるという方向であると聞いております。私は同じ学生寮で切磋琢磨させていただいた寮友として、泉さんの掲げたこの方向性を受け止めながら受け継いでいきたいと思っております。
さて、その一歩として、学校施設の開放についてお聞きしたいんですが、学校施設開放の法的根拠としては教育基本法に次のようにあります。12条2項「国及び地方公共団体は、図書館、博物館、公民館その他の社会教育施設の設置、学校の施設の利用、教育の機会及び情報の提供その他の適当な方法によって社会教育の振興に努めなければならない」また、同様な文面が学校基本法第137条、社会教育法第44条にありまして、法律の中で、学校施設を社会教育、つまり生涯学習などに利用することを推奨しております。生涯学習施設というと、地域には公民館があるんですが、船橋市には26の公民館があります。
しかし、やっぱり公民館管区でも非常に遠いところがあるんですね。そうすると、それよりも54ある小学校のほうが近いので、ぜひ小学校、特に小学校の──中学校も含めてですけど、小中学校が地域住民がきちんとそのまちづくりの核として利用できるようになってほしいというふうに思っております。
まず、学校施設は、土日や平日夕方以降が十分活用されていないんですが、全体的には活用されてない状況があると思うんですが、まずは校庭や体育館のスポーツ利用については現状はどのようになってるでしょうか。
[生涯学習部長登壇]
◎生涯学習部長(三澤史子) 校庭や体育館のスポーツ利用は、学校体育施設開放事業という枠組みの中で実施されております。
この事業は、市立小中高等学校及び特別支援学校の体育施設を学校教育に支障のない範囲でスポーツ活動の場として開放するものであり、現在、84校全ての市立学校において、事前に登録いただいた団体に開放しております。
本年11月時点におきましては、約1,100団体、2万1000人以上の方の登録があり、9割以上の学校で開放している全ての時間帯が利用されている状況でございます。
[朝倉幹晴議員登壇]
◆朝倉幹晴 議員 体育館と校庭は比較的利用率が高いという話です。ただ、今後、10人以上の団体できちんと常時利用ができるということと、単発でも利用できるという点をきちんと広報していただければと思います。
次に、空き教室利用についてです。
教室数から学級数、そして、放課後子供教室などの様々使う部屋を引いたものが地域が使う可能性がある空き教室であり、これをもっと地域住民が利用できるようにしてほしいと思います。
市内でも人口密集地区で空き教室が少ない場合はすぐには無理でありましょうが、一方で、人口が密集してない地域を中心に、市内でも活用できるような場所があると考えております。担当課から資料を頂いたんですが、例えば、今、一応利用されているという名目なんですが、倉庫、資料室として教室が使われてしまっている例が54小学校で31あるんですね。これ、倉庫、資料室だったら別個にほかに確保できると思いますので、教室として存在しているところがこういうふうにして利用できないのはもったいないと思います。ぜひ空き教室の地域の方々も含めて利用できる方向性を考えるべきだと思いますが、お示しください。何か克服すべき点などがありましたらお示しください。
[管理部長登壇]
◎管理部長(森昌春) お答えいたします。
空き教室の利用の例についてでございますが、現在、空き教室の利用はない状況でございます。空き教室を地域の住民の方々が様々な活動のために利用する場合には、学校関係者以外の方が利用することとなるため、外部から直接出入りできる動線を確保した上、利用する施設の管理や置かれている物品等の管理面、また、廊下や教室内の掲示物なども含めた個人情報の管理の面への配慮が必要となり、学校運営上、現状では課題が多いと考えております。
以上です。
[朝倉幹晴議員登壇]
◆朝倉幹晴 議員 現状では課題が多いという話でしたけど、やはり将来に向けて考えるべきだと思います。例えば、学校開放に関して、警備などの不安があったら、それは地域からボランティアないしきちんと雇用する形で警備としてつければいいですし、それから、今、例えば、地域の人中心が難しいかもしれませんけど、子供たちのことに地域の人が関わる、例えば、今、公民館でやられたことは、これ自身が画期的なことなんですけど、子ども食堂や学習サポートを学校そのもので地域の人が講師になってやるという形も可能だと思いますので、ぜひ、今後、様々な可能性を検討していっていただきたいということを要望いたします。
最後の項目で、障害児、あるいは発達などの支援が必要な子供と父母に対する市の対応の改善についてお聞きします。
実は、この質疑に当たって、障害児や支援が必要な子の父母から、船橋市の対応の改善を求めるご意見を伺い、11月12日の午後、子供を連れても父母がいらっしゃれるということで、行田公園東のクスノキの下で周りに子供たちを遊ばせながら、9組の父母からお話をお伺いし、その後、追加でグループLINEで10組以上の父母の声を伺いました。
そして、その父母の声をまとめていただいて、先日、保育認定課、公立保育園管理課、療育支援課、保健所地域保健課、障害福祉課の担当者にその気持ちをお伝えし、福祉サービス部長や子育て支援部長、保健所理事、福祉局長にもお読みいただきたいとお渡ししました。その中には、市の対応に対するお怒りやご不満、疑問、改善要望が数々つづられております。一部だけ紹介させていただきます。
1番目に、まず、市役所の初期対応や電話窓口対応に対するご意見です。例えば、電話の窓口でこのような対応をされたCさんですね。私立保育園で、入園希望を出すのは大丈夫ですと言ってくれる園も数園あり、保育園申込みでその園の記入をしました。2021年12月、保育認定課が発達支援保育をやってない園は希望できませんと電話で言ってきました。保育園側が大丈夫と言っているのになぜ駄目なのというふうに聞くと、それなら書くのはよいが、認定課から保育園側にどうしますかと聞きますと言いました。このどうしますかという認定課の方の発言が、障害がある子が希望してるがどうしますか、本当にいいんですか、断ってもいいんですよと含んだ厄介者のニュアンスでした。そして、ほかのママと話しても、ほぼ皆、電話をするたびに泣きそうになる、精神が削られると言ってます。
2番目に保健師の対応への疑問です。このある方が保健師に、障害のお子さんが生まれた後に母子保健サービス登録票のはがきで送ったんだけど、出生後60日以内に保健師が訪問してくれると言いながら、3か月訪問がなかったと。そして、最初に来た保健師と2番目に来た保健師については、非常にご不満な対応があったと。3番目の方がよかったということなんですけど、これしっかりした対応をされた保健師もいらっしゃると思うんですが、保健師全体の対応はどうなっているか、対応を確認し(予定時間終了2分前の合図)研さんを重ねてほしい。
3番目に、父母の自主的な努力。ある父母は、自分がダウン症のお子さんを持ったので、その同じ父母にその悩みとかを相談してほしいというパンフレットを作って、きちんと市にいろいろ確認した上で配布を依頼したのに断られたという経過をつづられております。
それから、4番目に、体験保育への疑問です。Cさん、たったの2~3日、数時間、体験保育をさせて、本当にこの子の何が分かるでしょうかということで、紙切れ1枚で送られてくるだけですと、結果が。そして、きちんと体験保育に同席した人に対しても十分な説明がなかったという話も伺っております。
そして、5番目に、これが一番最も多かったんですが、発達支援制度そのものへの疑問ですね。これ、非常にたくさんあるので、ちょっと全部語れないんですけど、やっぱり保育園によって、自分が希望する保育園が障害児を受け入れてない、それに対してやっぱり市はもっと積極的に障害児を受け入れる方向で研修や補助をすべきだということです。
そして、6番目に医療的ケア児の対応についても疑問を呈されました。
全部文書で提出はしてありますが、議場で一端だけ紹介させていただきました。
そして、共通におっしゃるのがやはりこの福祉分野のさーくるみたいに、いろんな悩みを一気に聞いてくれるような子供版のさーくるが必要じゃないかということも聞かれておりましたので、それをお読みになったご意見も含めて、健康福祉局長にご答弁いただければと思います。
[健康福祉局長登壇]
◎健康福祉局長(大竹陽一郎) お答えします。
議員からお示しいただきました幾つかの事例を含め、たくさんの父母の方からのご指摘や貴重なご意見を拝見させていただきました。
市の対応が、障害があるお子様、支援が必要なお子様及びその父母の方々に寄り添う対応となっていないというご意見に対しては真摯に受け止めたいと思います。まずは、この声を関係所管課で共有させていただき、よりよい市民サービスにつながるよう、日頃の対応を点検したいと思います。
また、ただいま改めて7点のご指摘をいただきましたが、共通の課題と認識したことは2つございました。
1つは、今以上に母子保健を含む子育て関係課と障害福祉関係課との連携を強化し、知識の向上だけではなく、想像力を働かせて相談をお受けする職員体制の確立です。
もう1つは、障害がある、または支援が必要なお子様が増えていることから、その受入体制を整えることでございます。
一度に全てを解決することは難しいとは思いますけれども、できることから取り組みまして、今以上に市民に寄り添う支援ができるよう改善してまいりたいと考えております。
以上です。
[朝倉幹晴議員登壇]
◆朝倉幹晴 議員 私たちの思いのようなことをするママをできるだけ減らしてほしいという要望をされております。
さて、最後の質問ですが、小栗原学区の方が葛飾小学校に今、特別支援教室については通わなきゃいけないと。これについてはぜひ増設をしてほしいという要望をいただいたんですが、この地区だけではなく、全船橋市の小学校での特別支援学校の増設方向について、お聞かせください。(予定時間終了の合図)
[学校教育部長登壇]
◎学校教育部長(礒野護) お答えいたします。
指定された学区の学校に特別支援学級が設置されていない場合、総合教育センターでの就学相談におきまして、設置校の中で距離が近く、通学しやすい学校を保護者と相談して選択していただいております。
毎年、特別支援学級を新たに開設しておりますが、まだ設置がされてない学校もあり、障害を持つ児童生徒の通学の利便性は重要な課題と認識しております。引き続き、保護者の希望を把握し、学校の施設設備や児童生徒数の推移等を調査し、総合的に勘案しながら、特別支援学級の新規開設を進めてまいります。
以上でございます。