2020年7月15日(水)午前、船橋市立B小学校・小6クラスでのオンライン授業発信の見学報告~市全体の取り組みに広げていくために~
2020年7月15日(水) 船橋市議(文教委員) 朝倉幹晴
本日午前、池沢みちよ市議とともに、7月10~17日が休校となった、市内B小学校で、14日(火)から開始された船橋市立B小学校の6年のあるクラスのオンライン発信の様子を見学させていただきました。市内の別の学習施設からも見学に来ており、昨日は教育委員会指導課・総合教育センターも見学にきていたとのことです。
教育委員会に事前に見学を申し入れ、校長より、児童のプライバシーの画像部分は隠すという前提のもとに許可をいただき、撮影報告させていただいております。
したがって、本報告では、児童プライバシー部分は写真の一部を覆っていますのでご理解ください。教職員の部分はそのまま出してよいとの許可をいただいています。
なお、本日の見学で私が見た状況や、教職員・校長からお聞かせいただいた話、メールでいただいている同小学校保護者のご意見を踏まえて、7月20日(月)の船橋市議会文教委員会で、質疑をし、全市の学校、そして他学年への普及の方向を議論し提言してまいります。何かご意見・ご要望がありましたら、メール(info@asakura.chiba.jp)などでおきかせください。
7月6日(月)に船橋市内で初の小学生の新型コロナウイルス感染があり、その児童の通うA小学校は7月7日(火)~10日(金)休業いたしました。そして、追加感染がないことが確認され、7月13日(月)から授業が再開されています。
7月9日(木)に2人目の小学生の感染があり、その児童の通うB小学校は7月10日(金)~17日(金)まで臨時休業となっています。
A小学校・B小学校とも船橋市は校名を発表し、私もその報告を公式サイトに発信しています。
ただ、今回の感染判明と臨時休業、その後のオンライン授業の取り組みは、どの小中学校においても、おこりうることであり、その報告に学校名は必要ないと考えます。発生直後の微妙な時期であることも配慮し、本報告ではA小学校(7月6日児童感染報告、7月7~10日休校)、B小学校(7月9日児童感染報告、7月10~17日休校)とさせていただきます。
(休校があけて学校が再開されたしばらくのちには、先駆的な取り組みをされた学校として学校名を記載する形に修正をするかもしれません。)
まず、以下がオンライン授業のカリキュラム表です。学校からの連絡や学校HPを通じて、保護者・児童には周知されています。これは、教職員向けに当日用に配られたものです。白抜き部分には教員名が入っています。赤線は朝倉によるもものです。今回のオンライン授業は、市がWEB環境のない世帯に事前にタブレット端末を配布し、全児童が参加できるということを前提条件にしており、タブレット端末配布ができた小6のクラスにおいてのみが実施できたものです。いずれは他学年で実施できる方向性を目指して、他学年からの応援や研修を重視しています。
<接続準備>(9時00分~9時15分)
オンライン授業は無料のZOOMを使っています。
<教室裏側から教壇側をみた様子>
正面が担任でその前の大きい板が「電子黒板」です。サイドにいる方々、他学年の先生たち、とりわけ、座ってパソコンを操作てしている人が「ホスト」でパソコンの画面切り替え、ミュート解除などを行います。
<教壇側(教壇左手)から電子黒板・撮影パソコンをみた様子>
電子黒板と担任の間におかれた小さなパソコンで、教員と黒板を写し、音声も収録発信する。
電子黒板に自宅にいる児童全員の顔がコマのよう(白丸に児童の顔)に、右の列に名前のリストがうつされる。
パソコン画面では5×5=25名までの表示となるため、26人以上のこのクラスでは画面を時々入れ替えて確認します。
上段2番目の小さな白丸はホストのパソコンを示し、学校名のアイコンが入っています。
<朝の会>(9時15分~9時30分)
接続準備段階からできるだけ、全児童の参加を確認し、その上で朝の会に入ります。1人1人の児童の名前を呼び、児童は挙手あるいは〇マークを出しながら「はい」と返事します。その上でガイダンスに入ります。
9時30分に一旦朝の会を終了し退出し、9時35分から1限目の授業となります。授業は30分単位です。これはZOOMの無料接続が40分以内なので、接続準備と授業延長があっても対応できるように30分にしているとのことです。各授業間の休み時間は15分です。
接続は授業開始5分ぐらい前からを推奨し、授業終了後しばらくして退出します。実は授業開始から授業終了までは、基本的には児童側はミュート(音声を発しない)設定にし、先生が指名した児童のみのミュートを解除します。これは通常の授業でも発表児童の発言を聞く間は他の子は黙っているのが原則なのと同じです。
(実際の生の授業では適度に発言する生徒がいて、過度・不適切な発言でなければ、発表児童以外の声を拾って授業を展開していくのが教師の醍醐味ともいえます。。その醍醐味は原則他の児童をミュートするオンラインでは若干難しいと感じました。)
一方、生の小学校のクラスの授業前と授業後の「なんとなくのざわつき」や児童どうしの会話の雰囲気は、オンラインでも授業前の数分、授業直後の短い時間ででき、それがクラスの一体感を高めていると感じました。
担任の先生に、WEB発信をできなかった3か月休校と今回のオンライン授業の違いはじめ、児童たちの感想を伺ったところ
1、クラスの仲間や先生と会えて、顔を見られてうれしい。
2、マスクのない顔を見られてうれしい
3、楽しい
この3点の感想が多いということです。
他のクラスを含め、学校全体の様子を不登校傾向のあった児童もオンライン授業には参加できたということがあり、その点は新たな可能性があると感じました。
<図工の授業>(かたつむりの線で自分の顔を描こう)
自宅で授業中に描いた顔を(全員は時間的に無理だが)何人かの児童に、自分の顔と横並べして発表してもらう時間を作りました。発表者の部分を大きく表示でき皆で共有できます。他の児童の名前や顔はアイコンのように上や横にうつっています。
発表のたびに、先生の公表と拍手が出る。拍手はミュートしているため、「拍手のしぐさ」をお互い見ることで確認します。
<家庭科の授業>(生活習慣病予防)
授業の最初と最後には担任(右)が教科の先生(左)と一緒に挨拶
授業の見学に来ていた校長先生も、教員から児童に挨拶するように促され挨拶し、拍手(のしぐさ)で児童に迎えられました。
<全科目は可能か?>~実験・観察などを伴う理科は実施せず~
「今回の休校期間に全科目のオンライン授業を行うのか?」と伺ったところ、「科目によってオンラインに向かない科目がある。特に実験や観察が必要な理科は今回発信しなかった」とのことです。たしかにそう思います。
私自身、3か月間、WEBでの発信の取り組みをしました。
参考【3~5月休校分野、中学数学動画解説31本作成】自宅学習にご活用下さい。
私もずっと大学受験生に生物学を教え、小中学生に数学などの学習サポートを続けてきました。
直接会って教えることを中止した3か月(3~5月)を経て、小中学生の数学の学習サポートを再開し、また、先日、久しぶりに少しだけ受験生に生物学を教える機会がありました(もちろん、密を避けるなどの配慮をした上です。)
やはりライブの授業のほうが伝わりやすく、学習サポートの小中学生も、受験生たちもそれを強く求めていると感じました。
生物学の授業の休み時間に、ある受験生が、私の近くの席にいた化学の先生に「分子模型見せてください」と質問に来ました。その化学の先生は、WEBでもできるだけ立体の分子模型を説明しようと画面に映す努力をされて、その映像を見ていた受験生でした。でも、実際に手にとって様々な角度に自分でずらしてじっくり見ることで、受験生はおおいに納得し、感動して帰っていきました。
WEB授業の取り組みは貴重ですが、基本的にはライブの授業を大切にし、いざという時にWEB活用に移行できるように準備していくことが大切と改めて感じました。
★現状で休校時のこの取り組みが可能なのは小6と中3
船橋市は、補正予算で6月上旬に小6と中3を優先し通信環境のないご家庭に通信環境とタブレット端末を配布を完了しました。したがって、もともと自宅に通信環境やパソコンのあるご家庭と合わせて、小6と中3においてはクラス全員が参加したオンライン授業が可能です。しかしながら他学年ではまだその整備ができておらず、現状では以上の取り組みはできません。整備は来年度以降の予定ですが、予定の前倒しを求めて要請していきます。
本日の見学で私が見た状況や、教職員・校長からお聞かせいただいた話、メールでいただいている同小学校保護者のご意見を踏まえて、7月20日(月)の船橋市議会文教委員会で、質疑をし、他学年、全市の学校への普及の方向を議論し提言してまいります。何かご意見・ご要望がありましたら、メール(info@asakura.chiba.jp)などでおきかせください。