★蒲島郁夫熊本県知事の復興方針(熊本淡青会での挨拶)と仮設住宅・家屋の現状~9月23日(金)~25日(日)熊本災害ボランティア再訪報告1~

熊本震災(4月14~16日)直後の4月25日(月)~28日(火)に、私は災害ボランティアとして熊本を訪問した。船橋市議会で防災を担当する総務委員会の委員長を務めている私は、阪神淡路大震災や東日本大震災そして東北・鬼怒川水害のボランティア支援経験も経験しており、それをふまえて訪問させていただいた。
それから5か月後の9月23日(金)~25日(日)に私は熊本を再訪し、24日(土)益城町災害ボランティアセンター、25日(日)熊本市災害ボランティアセンターのボランティア活動に参加して、仮設住宅でのニーズの聞き取り、被災家屋から仮設住宅への引っ越し、片づけの手伝いをさせていただいた。

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<益城町災害ボランティアセンターにて、送迎をいただいた大学時代友人、阿部淳東海大農学部教授と>

 

また、丁度24日(土)の夜、熊本県の東大同窓会「熊本淡青会」がメルパルク(熊本市内)にて開催されるとのことで、大学時代の友人、阿部淳東海大農学部教授の紹介と幹事の方々のご好意で参加させていただき、蒲島郁夫熊本県知事の復興への想いを拝聴させていただいた。県知事の発言と、私が実際に見た仮設住宅の様子の写真を重ねあわせながらご報告いたします。

●2016年9月24日(土)熊本淡青会(東大同窓会)@メルパルク(熊本市内)での蒲島郁夫熊本県知事挨拶要旨

(朝倉による聞き取りであり、完全に正確な再現ではありません。細かい表現までは完全に正確ではありません。その点をご理解の上お読みください。)

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・地震があった4月16日は私の3期目の知事就任の日だった。復興は2・3年では十分納得できるまでやりきれないではないかと思うが、4年あればできるのではないかと思う。復興をやりきることが私の天命と思っている。

 

地震直後のミーティングで、県職員に以下の3原則を示した。
1.県民の痛みを最小限にする
2.創造的復興(単なる復旧ではない)
3.その創造的復興を将来の熊本県の発展に繋げる
 
まだ人命救助が最優先の時期に「何を言っているんだ」と思った職員もいるだろうが、こういう混乱の時こそ、真っ先に原則を示さなければすべてがなし崩しになってしまう。
この3原則を受けて、職員の間から、県産材を使った木造の仮設住宅など、従来の国の施策とは違うものが出てきた。
 
   仮設住宅の集落には必ず集会場を作るようにしたこと、ペットが住んでもよい仮設住宅としたことなどもその1つである。
 
今回の震災をきっかけに熊本県民は3つのことを取り戻したのではないかと思う。
 
1、あたりまえの日常のありがたさを改めて知った。
 
2、絆~県民が1つになった~
 
3、感謝の気持ち
全国から支援が集まった。刑務所の受刑者が寄付をしたいとのご連絡いただいたこともある。感謝の気持ちを持ちたい。

 

●仮設住宅の実際の様子(熊本市・益城町、基本的に建物は同じ仕様なので、両者を混合しています)

1、全景(白い棟が住宅、2戸か3戸が連なる平屋建て、奥の黒い建物が集会所)

8月から本格的入居が始まり、今も建設、五月雨入居中。この他、既存建物で震災被害が少なかった集合住宅等を使った「みなし仮設住宅」もある。

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2、住居入口、全体はプレハブですが、玄関などに木材を使用、スロープつき入口の住居もある。

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3、入居前の玄関から入った部屋の様子。ここに台所と洗濯機置き場がある。帰宅して最初に入る部屋は木の床。奥には畳の部屋もあり。

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4、家の裏側~木材の「縁側」・エアコンも設置~

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5、ペット同居~木の縁側でくつろぐ犬~

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6、木造の集会所(建設中)~集落住民で結成する自治会で管理~

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●街の家屋の状態

1、屋根瓦の改修は、職人不足や費用高騰なので進まず、ブルーシートのままの屋根が多数ある。(熊本市東区)

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2、破損されたままで解体着手できていない家屋も多数あり(益城町)。

このような家屋に住まれていた方々が避難所や車中泊を経て、仮設住宅に移られている。

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3、一部に解体中に家屋もあり(益城町)。

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4、非常に数は少ないですが、被災店舗を別店舗として建替え再建・営業再開されている店舗もあり(益城町)。

 

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(2016年4月26日)

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(2016年9月24日)

<追記>蒲島知事もご出席の熊本淡青会にて、僭越ながら挨拶させていただき(左端に知事)、最後に「フレーフレー熊本」のエールを切らせていただきました。

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1回目・2回目の訪問中お世話になった熊本の方々に感謝いたします。頻繁には熊本に伺えませんが、今度も熊本を応援し続けます。

同時に、熊本での仮設住宅も含む様々な経験が、船橋市も含め全国の災害対策に反映されていくように発言してまいりたいと思います。