いよいよ明日【2023年3月21日】春分の日~昼の長さと夜の長さは少し異なる~

2023年3月20日(月)  予備校講師・船橋市議 朝倉幹晴

明日(3月21日)の船橋市の春分についての解説です。この空間的イメージを想像しながら、明日3月21日(春分)を味わっていただき、より理科(自然科学)を生活に身近にお感じいただければうれしいです。

船橋市も東西南北に幅があるのですが、ほぼ北緯35.7°(*)・東経140°なので、北緯35.7°、東経140°で考えてみましょう。

*船橋市役所付近の北緯は正確には35度42分です。42分は60進法で60分で1度になるので42分を十進法に換算して小数点表記すると「.7」となります。計算は十進法のほうがわかりやすいので北緯35.7°とします。

太陽の公転面と季節の関係は以下のようになります。


春分・秋分の日は太陽が赤道の位置で真上に来るので、北緯35.7°の船橋市の南中高度は90°ー35.7°=54.3°です。
一般にこの図の原理から北半球でのある緯度の「春分・秋分の日」の南中高度は「90°ー緯度(北緯)」となります。

●なぜ春分の日なのに、昼の長さは12時間より少し長いのか?

次に地面にいる人を中心に天球を描いて、その中での太陽を動きを考えてみると、以下のようになる。


そもそも、春分と秋分は、図のように、地平線下に太陽が位置する時間(夜)が半円、地平線上の太陽が位置する時間(昼)が半円でともに12時間になるように見えます。しかし国立天文台が示す千葉県の日の出で日の入りの時刻は以下の通りです。

春分の日(2023年3月21日)は
千葉県(船橋市は観測地点から少しずれているがほぼ同じ)は

日の出 5時43分
日の入り 17時52分

で、一般的には昼は「日の出」から「日の入り」までの時間で定義されるので12時間9分で、12時間より少し長くなっています。なぜでしょうか?

長くなる原因の1つは、日の出と日の入りの時刻の定義によります。日の出は太陽の上端が地平線に出た時刻、日の入りは太陽の上端が地平線に沈んだ時刻で定義されます。

もし太陽という球(地球から見ると円)の中心oが地平線に出入りする時間で定義すれば、昼の長さは12時間になるはずであるはずですが、中心Oで定義した場合と比べ、日の出は半径r分だけ早く、日の入りは半径r分だけ遅くなるので、あわせてちょうど太陽の直径分だけ、春分・秋分の日でも昼のほうが長くなる。これが約9分となるのです。
(これに加えて日の出・日の入りと感じる太陽光自体が空気による屈折を受けている分もずれている差も加味されています。)