2024年千葉県公立高校入試「数学」第4問(配点18点)問題・解答・解説
2024年9月15日 予備校講師・船橋市議 朝倉幹晴
2024年2月に行われれた千葉県公立高校入試数学第4問(配点18点)の問題・解答・解説を作成しました。普段の学習や2025年2月の千葉県公立高校入試、他県・私立の高校入試対策にお役立てください。なお、千葉県教育委員会が発表した正答率・無答率も付記しました。
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次の会話文を読み、あとの(1)~(3)の問いに答えなさい。(配点計18点)
会話文
教師T:今日はスクリーンに投影される影について、簡略化したもので考えましょう。
図1のように、光源を点O、スクリーンを直線ℓとし、直線ℓと平行な線分ABを、光源からの光を遮る(さえぎる)物体として考えます。
物体の上端を点A、下端を点Bとし、光源からの光の光の道すじを表したものを、それぞれ半直線OA、OBとします。また、この2つの半直線と直線ℓとの交点を、それをP、Qとします。
生徒X:線分PQがスクリーンに投影された影であると考えればよいのですね。
教師T:そのとおりです。また、点Oから線分PQに垂線をひき、線分ABとの交点をM、線分PQとの交点をNとします。ただし、ここでは必ず交点Mができるように物体ABがあるものとします。
ではOM=MNのとき、線分PQの長さは線分ABの長さの何倍にありますか。
生徒X:△OABと△OPQは相似になるので、ひ倍です。
生徒T:そうですね。この考え方を利用すると、物体ABが平行移動したとしても、スクリーンに投影される影の長さPQを求めることができますね。
では、線分PQの長さを線分ABの長さの4倍にしたいとき、線分OMと線分MNの長さの比をどのようにすればよいのでしょうか。
生徒X:最も簡単な整数比で表すと、OM:MN=ふ:へです。
教師T:そのとおりです。次に、光を遮る物体を、線分ではなく正方形としてみましょう。わかりやすくするために、座標平面上で考えてみます。図2のように、光源を表す点Oを原点、物体を表す正方形EFGHの頂点の座標をそれぞれ、E(4,1)、F(4,-1)、G(6,-1)、H(6,1)とし、スクリーンを直線x=10とします。スクリーンに投影される影を線分PQとし、座標をP(10,p)、Q(10,q)とします。ただし、p>qとします。
生徒X:点Pは直線OEと直線x=10との交点だからになるということですね。
教師T:そうですね。では、光源を点Oからy軸上の正の整数部分に動かしてみましょう。nを自然数とし、動かした後の光源を表す点の座標をO´(0,n)とします。点Pは直線O、Hと直線x=10との交点、点Qは直線O´Fと直線x=10との交点になるので、点P、Qのy座標をそれぞれ求めることができますね。
生徒X:nを用いて表すと、p=(a)、q=(b)となります。
教師T:正解です。この結果を利用すると、線分PQの長さが周期的に整数になることがわかりますね。
(1)会話文中の「ひ」~「ま」について、次のの問いに答えなさい。
「ひ」にあてはまるものを答えなさい。(3点)(正答率89.7%、無答率2.7%)
「ふ」「へ」にあてはまるものをそれぞれ答えなさい。
(3点)(正答率33.4%、無答率4.5%)
「ほ」「ま」にあてはまるものをそれぞれ答えなさい。
(3点)(正答率47.6%、無答率19.2%)
(2)会話文中の(a)、(b)にあてはまる式をそれぞれ書きなさい。
(a)(3点)(正答率4.7%、無答率54.9%) (b)(3点)(正答率5.0%、無答率57.7%)
(3)会話文中の下線部について、次の「み」~「め」にあてはまるものをそれぞれ答えなさい。
線分PQの長さが100cmとなるのは、n=みむめのときである。
ただし、原点Oから点(1,0)までの距離及び原点Oから点(0,1)までの距離をそれぞれ1cmとする。
(3点)(正答率3.1%、無答率51.0%)