2025年大学入試共通テスト「生物」第1問問題(配点18点)・解答・解説

解説
問1
神経が刺激の強さの情報(程度の差)を伝える仕組みは
(a)ニューロンの束の中で興奮するニューロンの数
各ニューロンには閾値の程度差があり、刺激に強さにより何本興奮するかで程度の差を伝えることができる。
(b)個々のニューロンにおける興奮の頻度
1個のニューロンにおいて活動電位の大きさは変わらないが、刺激が強くなると、1秒間に発生する活動電位の頻度(インパルス頻度)が増加する。
この(a)(b)によって、興奮の程度差を伝えることができる。
(c)個々のニューロンにおける興奮の伝導速度
(d)個々のニューロンにおける活動電位の大きさ
は変化しない。
問2
表にあるSNP1、SNP2、SNP3部分のアミノ酸をこの順に1文字で書くとヒトとチンパンジーの共通祖先が持っていたPAVは「P・A・V」となる。
これを出発点として、1部位のみの変異が順に起きた(2部位が変異することはない)と考え変異した部位のみを赤字で示すと、
P・A・V→A・A・V(SNP1変異)→A・A・I(SNP3変異)
→A・V・I(SNP2変異)
の順になる。
よって
(1)上記問題で、「A・A・I(SNP3変異)→A・V・I(SNP2変異)」なので、
SNP2はA(アラニン)からV(バリン)への変異である。
アラニンを指定するmRNAの塩基配列はGCU、GCC、GCA、GCGで、DNAセンス鎖では、GCT、GCC、GCA、GCGである。
バリンを指定するmRNAの塩基配列は、GUU、GUC、GUA、GUGで、DNAセンスでは
GTT、GTC、GTA、GTG
1文字変異でこれが起きる可能性があるのは、
GCT→GTT、GCC→GTC、GCA→GTA、GCG→GTG
でいずれの場合もC→Tである。

(2)SNP2は262番目のアミノ酸で、3塩基の中の2番目に起きた変異なので、
261×3(1つ前のアミノ酸までを指定する塩基数)+2=783+2=785番目

問4
PTCに対するの感受性の低下が最も少ない(影響が最も小さい)アミノ酸の変化に対応するのは、下図にようにSNP3におきた変異である。

また、PVI/PAVでは(AVI/AVIの低感受性に対し)PAV/PAVとほぼ同様な高感受性が維持されており、ヘテロ型ではAVIの低感受性の性質が発現していないので、潜性(劣性)である。
よって







