2025年大学入試共通テスト「生物」第4問問題(配点18点)・解答・解説

(a)一つの卵原細胞は、減数分裂を経て、最終的に一つの卵と四つの極体を生じる。×一つの一次卵「母」細胞は、減数分裂を経て、最終的に1つの卵と「三つ」の極体になる。
(b)第一極体には、G1期の卵原細胞と同量のDNAが含まれる。
〇
(c)一次卵母細胞には、卵の4倍量のDNAが含まれ、その核相(染色体のセット数で表される染色体構成)は4nである。×核相(染色体の種類数)は2nである。
(d)二次卵母細胞の核相はnで、そこにはG1期の卵原細胞と同量のDNAが含まれる。〇
(b)第一極体(図で二次卵母細胞と同じ位置、DNA量変化ではDNA量「2」)には、G1期の卵原細胞(DNA量「2」)と同量のDNAが含まれる。〇
(d)二次卵母細胞は、核相(染色体数)nで、DNA量は「2」〇
よって、![]()
図より、タンパク質A、Bが重なる側が「背側中胚葉」、重ならずタンパク質B単独になる側が「腹側中胚葉」になることが予測される。
したがって、「すべて腹側中胚葉」を誘導させる「操作1」はタンパク質Aをすべての部位で働かせない操作、「すべて背側中胚葉」を誘導させる「操作2」はタンパク質Aをすべての部位で働かせる操作と推定できる。
操作により全て「背側中胚葉」か「腹側中胚葉」に誘導されるので、濃度差が生じている選択肢
は適切ではない。胚全体で濃度差がなく、操作2が示す「すべての部位でタンパク質A」を働かせているので、
。
問3
本問題を解くためにも、また二次試験でも出題されうる知識として、外胚葉が表皮か神経のどちらに分化していくかの理論を知識として知っておくとよい。
図上部のように、外胚葉組織は通常は表皮組織に分化するが、原口背唇の誘導があると、(予定を変え)神経に分化すると当初考えられていた。しかし、外胚葉細胞をバラバラに培養すると、神経細胞になるので、「外胚葉細胞は(何もないと)神経細胞に分化する」ことがわかってきた。では、なぜ組織になると表皮に分化するのか?
それは、外胚葉細胞がBMPという物質を分泌し、そのBMPが自らの細胞表面のBMPレセプターに結合すると(神経細胞になる方向を中止し)表皮細胞になることがわかってきた。
そして原口背唇が分泌する誘導物質コーディンなどは、BMPと結合することで、BMPがBMPレセプターに結合することを阻害し、外胚葉が組織のままで、まるごと神経組織に分化することになる。
この設問でタンパク質CがBMP、タンパク質Dが原口背唇が分泌するコーディンなどである。

外胚葉の表皮組織への分化は、タンパク質C(BMP)によって促進される。〇
タンパク質Dは、外胚葉の表皮組織への分化には影響しない。
×。原口背唇が分泌するD(コーディンなど)がC(BMP)に結合し、その働きを阻害することにより、表皮組織への分化を抑制している(抑制という形で影響を与えている)
タンパク質Cによる外胚葉の神経組織への分化の促進は、タンパク質Dによって制御される。×促進される
外胚葉におけるタンパク質Cの働きは、タンパク質Dによって制御される。〇D(コーディンなど)はC(BMP)と結合し、その働き(BMPレセプターへの結合による表皮細胞への分化促進)を阻害する。
タンパク質Cは、タンパク質Dと協働して外胚葉の神経組織への分化を促進する働きがある。×DがCを抑制している。協働しているわけではない。
タンパク質Dの外胚葉での働きは、タンパク質Cによって促進される。×DがCを抑制している。






