「がん患者の在宅療養支援」(船橋市議会2019年6月12日、朝倉幹晴質疑要旨)

2019年6月12日に船橋市議会で、がん患者の在宅療養支援について質疑しました。正式は議事録は後日、船橋市議会公式サイトに掲載されますが、以下簡単な要旨です。(若干補足説明で加筆した部分あり)。録画中継(動画)でご確認されたい方は以下をご覧ください。7~20分の部分です。

2019年6月12日、船橋市議会朝倉幹晴質疑録画中継(がんの療養支援は7~20分)

以下、議事記録(要旨)

【朝倉質疑1】がん患者は回復の見込みがない状態で介護保険を申請しても、急速な状況悪化により認定が間に合わない事や、ADL(日常生活動作 activities of daily living)が比較的保たれるために認定結果が要支援や要介護1など低く出てベッド等福祉用具を借りられない事が問題になりました。

そこで2010年(平成22年)4月30日に国(厚生労働省)より、都道府県・市町村に迅速化や福祉用具貸与に関する事務連絡が出されました。

その後の調査により、迅速化は若干の改善が図られましたが、状況は変わっていません。今回、船橋がんサロンを主催するNPO法人ピュア代表の藤田敦子さんから、認定結果が間に合わず介護保険を利用できなかった人や要介護度が低く出て大変な思いをされた人、看取り支援なのに訪問看護が導入されていない人がいたことを教えていただきました。

まず船橋市で2018年度の場合、介護保険申請は、年間何件でしたでしょうか?がん患者の介護保険申請に関して、認定審査申請から認定結果が出るまでの間の平均日数は何日でしたでしょうか?そして最短何日、最長は何日だったでしょうか?

認定が間に合わず認定審査中に亡くなられた方はいらっしゃいますでしょうか?

【市答弁1(健康・高齢部長)】

がん末期等による平成30年度中の申請件数は、734件でございました。申請から認定までの日数でございますが、最短で8日、最長で74日、平均日数は31.6日でございます。認定までに時間を要した理由といたしましては、申請者の身体状況が不安定などによる認定調査の日程調整や、主治医意見書の取得などに時間を要したことによるものです。認定結果が出る前にお亡くなりになった方は57人となっております。

【朝倉質疑2】65歳未満の第2号被保険者に関して、今年2019年2月19日の厚生労働省からの事務連絡で、患者・家族への配慮から申請時に「がん末期」と書かなくてよくなりましたが、迅速に認定審査を行う事に支障は出ていませんでしょうか?

【市答弁2(健康・高齢部長答弁)】

 認定申請書に特定疾病の名称を書いていただくこととなっておりますが、議員ご指摘のとおり、がん末期の方からの申請につきましては、本年2月の国からの事務連絡により、『申請者の心情に配慮した対応として「がん末期」等の表現ではなく、単に「がん」と記載することで差支えない。』とされたところでございます。本市といたしましては、単に「がん」と記載されている場合も「がん末期」と捉え、表記の仕方は変わりましたが、これまでの対応と同様に迅速な認定調査や認定審査会の開催など、早期の対応を図っているところであります。

 

【朝倉質疑3】医学文献にADL(日常生活動作 activities of daily living)ADLの低下に関するグラフがよく描かれていますが、臓器障害では数か月単位で徐々に低下するのに対し、がんの場合は比較的高く保たれた上で、最後の1・2・3週間で急激に低下するということがあります。さきほど船橋でも認定結果が出る前にお亡くなりになった方は57人となっているとのご答弁がありました。2011年10月18日の、厚生労働省から各都道府県及び市町村等介護保険主管課(室)宛の事務連絡の中に、「申請後の生存曲線」の図があるのですが、申請後30日目の生存率は0.8、つまり20%もの方がなくなられています。

がんは老衰などの場合と異なり、1・2か月の期間に急激に症状悪化が進行することがある。山口市では、認定を迅速に行う「早期認定対応」を定めています。船橋市でも、がん患者が適切に介護保険を利用できるように定めるべきと思いますがいかがでしょうか?

【市答弁3(健康・高齢部長)】

65歳以上の第1号被保険者につきましては、認定申請書に「がん末期」等の記載は求められていないため、申請時の聞き取り等により把握し、同様に早期の対応を行っているところですが、議員ご紹介の山口市での取り組みについては、早期の認定が必要な方を漏れなく把握する観点から有効と考えますので、本市におきましても既存の認定申請書に、こうした記載欄を設ける等の工夫により、早期認定の対応を図ってまいりたいと考えております。

【朝倉質疑4】船橋市で2018年度の場合、がん患者の介護保険申請734件のうち、要介護1以下と認定が出たものは250件、34%、約3分の1です。2010年10月25日の、厚生労働省からの事務連絡で「要支援者及び要介護1の者であっても、末期がんの急速な状態悪化等、疾病その他の原因により状態が急速に悪化し、短期間のうちに日常的に起き上がりや寝返り等が困難となることが確実に見込まれる者については、市町村の判断により指定福祉用具貸与費及び介護予防福祉用具貸与費を算定することができます」とされています。特に必要なのが電動ベットや点滴スタンド、訪問入浴などであると伺っています。本市の場合、要介護1以下と認定されたがん患者に対する対応はどうなっているのか?迅速に対応すべきと思うがどうか?

【市答弁4(健康・高齢部長)】原則、保険給付の対象となっていない、要支援及び要介護1の方の福祉用具貸与につきましては、国の通知により、医師の医学的な所見に基づき判断され、かつ、サービス担当者会議等を通じた適切なケアマネジメントにより必要性が判断された場合は、これらについて、市町村が書面等確実な方法により確認し、その要否を判断することと定められております。本市では、書面等確実な方法につきましては特に書式等は設けず、ケアマネジャーが作成するケアプランにより確認することとしております。

こうした対応方法と併せ、介護保険で認められているサービスの認定結果前の暫定利用について、ご対応いただくケアマネジャーに改めて周知するなど、がん末期等の方の迅速なサービス利用に努めて参りたいと考えております。

【朝倉質疑5】がんなどで回復の見込みがない状態で在宅で緩和ケアを受ける場合、40歳以上は介護保険を利用できる。19歳以下では小児慢性特定疾患の補助が受けられる。しかし、20歳以上39歳以下の場合は、制度のはざまで補助制度がないため、福祉用具や入浴サービスなどが10割の自己負担となります。まず統計調査が出ている2017年度では、船橋市で20~39歳でがんでなくなった方は13人ということです。少ない人数ではあるが、逆に少ない人数だからこそ、制度のはざまで苦しんでいる患者・家族に自治体が積極的に補助していくべきである。この世代の方は治療費で預金を使い果たしていることが多く、お子さんが小さかったり、独身の方もいる。船橋市では「在宅医療ひまわりネットワーク」を作り、誰もが望む場で人生最期まで過ごせる街を目指している。20歳~39歳のがん患者への市独自の思索が必要ではないでしょうか?山口市・神戸市・鹿児島市・名古屋市・横浜市・久留米市などが若年性がん患者が介護保険と同様のサービスを受けられ、自己負担を軽減する制度を作っています。船橋でも作るべきと思うがどうか?

【市答弁5(保健所理事)】議員ご案内の制度については、本来、国が制度設計を行い、全国一律に整えられることが望ましいものであると考えております。しかしながら、自己負担を軽減する事業を実施している自治体もあることから、その自治体への聞き取り調査等を行い、現時点で市の単独事業として実施すべきものなのか研究を行ってまいります。

【朝倉質疑6】

国が制度設計をすべきだというのは私も同意見ですが、国がやらないからこそ、自治体が積極的にすべきです。若年性がん患者の世代の相談窓口として、早い時点から気軽に相談を受け付ける必要がある。在宅医療支援拠点ふなぽーとを活用できるようにすべきと思いますがいかがでしょうか?

在宅医療支援拠点「ふなぽーと」HP

 

【市答弁6(健康・高齢部長)】在宅医療支援拠点「ふなぽーと」を早期からの相談場所として活用できないかとのご質問ですが、「ふなぽーと」事業は介護保険事業特別会計の地域支援事業の1つとして、在宅医療介護連携支援拠点事業に位置づけられているものであります。しかしながら、介護保険が適応されない若年患者の在宅医療に関する相談につきましては、地域共生社会の実現にかなうよう、初期対応としての相談や、訪問看護ステーションへのご紹介については可能であると考えています。

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