2014年8月15日提出 川内原発再稼働方針に関する私のパブコメ

朝倉幹晴

2014年8月15日提出、川内原発再稼働方針に関する私のパブコメ

【被曝労働と放射性廃棄物を子々孫々に押し付ける川内原発はじめ原子力発電をこのまま中止し、まずは天然ガスタービン発電中心、そして徐々に再生可能エネルギーの比率増を】

1、原発被災避難中高生・受験生のサポートの立場から
私は中高生への理科教育、特に受験対策応援を25年してきました。そして今は船橋市議として、福島から首都圏に避難された原発事故被災者の支援にも関わっています。避難を余儀なくされた中高生、とりわけ受験生たちは、生活環境も学習環境もきびしい中、がんばって勉強しています。「原発に負けるな、中高生・受験生」を合言葉に受験支援を続けてきました。原発に負けずに進学を成し遂げていく中高生もいる一方で、原発事故によって夢をあきらめざるをえない選択を余儀なくされている話も聞きます。中高生・受験生を含め14万人の方々を避難を余儀なくさせ、今も苦しみを続けさせ、その生活の安定の確保もない中で、原発を再開することは、私達日本人が日本人の美徳であった隣人への思いやりを放棄することではないでしょうか?

2、自然科学の立場から
私は研究者や医師となる高校生・受験生に生物を教えてきた関係で、生物学・化学の基礎は学んでおります。
自然界に通常起きている化学反応は、生体内での反応も含めて、原子の原子核部分は不変で、主に最外殻電子の共有や電子の移動による電荷による電気的な引き合いのレベル、あるいは電子に関する反応です。私達ヒトは、まず体内で生きるためにこの化学反応を行い、次には「火」という形で、物質の酸化によるエネルギーを利用してきました。その後の石油化学工業と有機化学の発展により、化学結合の制御に関しては、知見や技術が私達ヒトが適切に利用できるレベルまでは確立されてきています。一方、原子核の崩壊による放射線の利用はどうでしょうか?放射性同位元素の利用が、生物学研究も含め様々な自然科学の研究を進めてきて、これからもその研究は必要であるでしょう。また、がんの放射線治療も有用です。しかし、そのような研究や治療は、微量の放射性物質を厳格な管理のもと行うことが原則となっております。そして、生物学研究でも取扱いが困難な放射性同位元素による研究手法を色素による検出に振り替える方向が進んでいます。しかしながら、原子力発電はこれらの少量の放射性物質の研究・治療利用と異なり、大量の放射性物質を扱っています。そして、その管理や制御の歴史は石油化学工業や有機化学の研究の歴史に比べて浅く、その浅い約50年の歴史の中で、常に「事故がない」と言いながらも、スリーマイル・チェルノブイリ・福島第一原発事故と甚大な事故を繰り返してきました。人類は、原子核崩壊のエネルギーを大量の発電に転換する技術は制御できておらず、その被害の甚大さを考えるならば、原子力発電は、研究はともかく実用化すべきものではないことを示しているのではないでしょうか?

3、川内原発はじめ原子力発電は、運転再開してしまえば、万万万が一、事故がないと仮に仮定した場合でも、原子力発電の通常運転の中でも、被曝労働を必ず必要とし、そして子々孫々に押し付ける放射性廃棄物を生み出し続けています。このような発電方式からはもう脱皮し、被曝労働も放射性廃棄物も生み出さない天然ガスタービン発電を中心とし、徐々に再生可能エネルギーの比率を高めていくべきです。