2024年 #大学入試 #共通テスト #数学1A 第2問[2](配点15点) 問題・解答・解説

2024年4月24日 予備校講師・船橋市議 朝倉幹晴

2024年大学入試共通テスト「数学1A」第2問[2](配点15点)の解答・解説を作成しましたので、ご活用ください。問題文の最後の所でページ番号「2」をクリックすると解答・解説に飛びます。
また、本問題の解説の最後に、中学・高校分野の統計の基礎事項のまとめを添付していますのでご参考にください。

入試問題は黒印刷ですが、せっかくの画面上ですので、図はカラーにしました。

 

2024年大学入試共通テスト数学1A第2問[2](15点)問題
高校の陸上部で長距離競技の選手として活躍する太郎さんは、長距離競技の高認記録が掲載されているWebページを見つけた。このWebページでは、各選手における公認記録のうち最も速いものが掲載されている。ある選手のある長距離競技での公認記録を、その選手のその協議でのベストタイムということにする。
なお、以下の図や表については、ベースボール・マガジン社「陸上競技ランキング」のWebページをもとに作成している。

(1)太郎さんは、男子マラソンの日本人選手の2022年末時点でのベストタイムを調べた。その中で、2018年より前にベストタイムを出した選手と2018年以降にベストタイムを出した選手に分け、それぞれにおいて速い方から50人の選手のベストタイムをデータA、データBとした。
ここでは、マラソンのベストタイムは、実際のベストタイムから2時間を引いた時間を秒単位で表したものとする。例えば2時間5分30秒であれば、60×5+30=330(秒)となる。

(i)図1と図2はそれぞれ、階級の幅を30秒としたAとBのヒストグラムである。なお、ヒストグラムの各階級の区間は、左側の数値を含み、右側の数値を含まない。

図1からAの最頻値は階級(2点)の階級値である。また、図2からBの中央値が含まれる階級は(2点)である。

(ii)図3は、A、Bそれぞれの箱ひげ図を並べたものである。ただし、中央値を示す線は省いている。

図3より次のことが読み取れる。ただし、A、Bそれぞれにおける、遠い方から13番目の選手は、一人ずつとする。

・Bの速い方から13番目の選手のベストタイムは、Aの速い方から13番目の選手のベストタイムより、およそ(2点)速い。
・Aの四分位範囲からBの四分位範囲を引いた差の絶対値は(2点)である。

について、最も適当なものを、次ののうちから一つ選べ。

(iii)太郎さんは、Aのある選手とBのある選手のベストタイムの比較において、その二人の選手のベストタイムが速いか遅いかとは別の観点でも考えるために、次の式を満たzの値を用いて判断することにした。


(あるデータのある選手のベストタイム)=
(そのデータの平均値)+z×(そのデータの標準偏差)

二人の選手それぞれのベストタイムに対するzの値を比較し、その値の小さい選手の方が優れていると判断する。

表1は、A、Bそれぞれにおける、遠い方から1番目の選手(以下、1位の選手)のベストタイムと、データの平均値と標準偏差をまとめたものである。

式と表1を用いると、Bの1位の選手のベストタイムに対するzの値は
z=-.タチ(2点)

である。このことから、Bの1位の選手のベストタイムは、平均値より標準偏差のおよそ.タチ

倍だけ小さいことがわかる。
A、Bそれぞれにおける、1位の選手についての記述として、次ののうち、正しいものは(2点)である。

の解答群
ベストタイムで比較するとAの1位の選手の方が遠く、zの値で比較するとAの1位の選手の方が優れている。
ベストタイムで比較するとBの1位の選手の方が遠く、zの値で比較するとBの1位の選手の方が優れている。
ベストタイムで比較するとAの1位の選手の方が遠く、zの値で比較するとBの1位の選手の方が優れている。
ベストタイムで比較するとBの1位の選手の方が遠く、zの値で比較するとAの1位の選手の方が優れている。

(2)太郎さんは、マラソン、10000m、5000mのベストタイムに関連がないかを調べることにした。そのために、2022年末時点でこれら3種類のベストタイムが速い方から50人を選んだ。
図4と図5はそれぞれ、選んだ50人についてのマラソンと10000mのベストタイムは(1)の場合と同様、実際のベストタイムから2時間を引いた時間を秒単位で表したものとする。なお、これらの散布図には、完全に重なっている点はない。

次の(a)、(b)は、図4と図5に関する記述である。

(a)マラソンのベストタイムの速い方から3番目までの選手の10000mのベストタイムは、3選手とも1670秒未満である。
(b)マラソンと10000mの間の相関は、5000mと10000mの間の相関より強い。

(a)、(b)の正誤の組合せとして正しいものは(3点)である。