2022年大学入試共通テスト「生物基礎」第1問B(DNA抽出実験、配点10点)問題・解答・解説
2023年1月10日 予備校講師・船橋市議 朝倉幹晴
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2022年大学入試共通テスト「生物基礎」第1問B(DNA抽出実験、配点10点)
B ナツキさんとジュンさんは、DNAの抽出実験について話し合った。
ナツキ:今日の授業では、ブロッコリーの花芽からDNAを抽出したけど、花芽を使ったのはなぜかな。茎から花芽と同じように抽出できるんじゃないかな。放課後に実験して調べてみようよ。
ジュン:じゃあ、授業と同じ簡易抽出方法(図1)で花芽と茎を調べてみよう。
ナツキ:花芽を使ったときと同じように、茎を使っても白い繊維状の物質が出てきたよ。でも、同じ重さの花芽と茎を使ったのに、茎のほうが花芽より少ないね。
ジュン:その理由を考えようよ。花芽と茎の細胞を顕微鏡で観察したら違いが分かるんじゃないかな。
二人は、(d)花芽と茎を酸で処理し、細胞を解離した後、核を染色して、光学顕微鏡で観察した。
ナツキ:濃く読まっているのが核だね。
ジュン:花芽と茎を比較すると、花芽のほうが、アから、DNAを多く得やすいんだね。だから、花芽を材料にしたんだね。
ナツキ:ところで、この(e)白い繊維状の物質は全部DNAなのかな。
ジュン:RNAはDNAと同様にヌクレオチドがつながってできた鎖状の物質だから、(f)白い繊維状の物質にはDNAのほかにRNAも含まれているんじゃないかな。調べてみようよ。
問4
下線部(d)について、図2は二人が観察した花芽と茎の細胞の写真である。この写真を踏まえて、DNAの抽出実験の材料に関する上の会話文のアに入る文として最も適当なものを、後ののうちから一つ選べ。
核がより濃く染まっているので、核のDNAの密度が高い。
核が大きいので、核に含まれているDNA量が多い。
細胞が小さいので、単位重要当たりの細胞の数が多い。
一つの細胞に複数の核が存在しているので、単位重量当たりの核の数が多い。
体細胞分裂が盛んに行われているので、染色体が凝縮している細胞の割合が高い
問5
下線部(e)に関連して、白い繊維状の物質に含まれるDNA量を、試薬Xを用いて測定した。試薬XはDNAに特異的に結合し、青色光が照射されると、DNAおよびRNAの量に比例した強さの黄色光を発する。図3は、DNA濃度と黄色光の強さと(相対値)の関係を表したグラフである。
冬芽10gから得られた白い繊維状の物質を水に溶かして4mLのDNA溶液を作り、試薬Xを使って調べたところ、0.6(相対値)の強さの黄色光を発した。この実験で花芽10gから得られたDNA量の数値(㎎)として最も適当なものを、後ののうちから一つ選べ。
問6
下線部(f)について、二人はこの仮説を確かめるため、DNAとRNAに結合する試薬Yを用いた実験を計画した。試薬Yは青色光が照射されると、DNAおよびRNAの量に比例した強さの黄色光を発する。白い繊維状の物質を水に溶かした溶液を三等分して、表1の実験を行ったところ、仮説を支持する結果が得られた。表1のイ・ウに入る結果の組合せとして最も適当なものを、後ののうちから一つ選べ。