2022年大学入試共通テスト「生物基礎」第1問B(DNA抽出実験、配点10点)問題・解答・解説

解説

問4

まず、受精卵から体細胞分裂で増えてきた細胞1つ1つが持っているDNAは、細胞分裂の際、複製(コピー)されて増殖してきたので同じものである。(生殖細胞のみは減数分裂を経て量が半減する。)したがって、「核がより濃く染まっているので、核のDNAの密度が高い。」「核が大きいので、核に含まれているDNA量が多い。」はない。またでいうように、仮に染色体が凝集していようと、細胞分裂前期のように凝集が弱まっていようとDNAの総量に変化はない。(また体細胞分裂が盛んにおこなわれば、染色体の凝集はしない状態が多いので、の記述も「体細胞分裂が盛んに行われているので、染色体が凝縮している細胞の割合は低い」が正しい。)
(1つの細胞に複数の核があること)は、ヒトの骨格筋細胞や、植物の胚のうの中央細胞などでみられるが、通常の植物の体細胞ではない。

よって同じ縮尺の写真で花芽のほうが細胞数(=核の数)が多いことがDNA抽出に適していることを示している。よって、(3点)

問5

黄色光の強さ(相対値)から、DNA濃度は0.075(mg/mL)とわかる。
これに溶液量4(mL)をかけるとDNA量がわかる。
0.075(mg/mL)×4(mL)=0.30mg。よって(3点)

問6

仮説「(f)白い繊維状の物質にはDNAのほかにRNAも含まれている」が支持される結果が得られた、つまり、DNAとRNAの比率は不明とはいえ、両方が含まれていることが明らかになった
実験ではDNA・RNAを合わせた総量に対応する光を発する。
それに対して、実験では(DNA分解酵素でDNAがなくなっているので)RNAのみの量に対応する光を発する。また、実験
では(RNA分解酵素でRNAがなくなっているので)DNAのみの量に対応する光を発する。よって
の光はより弱い。(存在はするので「全く光を発しない」ということはない。)よって(4点)