慢性腎臓病予防対策について-2013年3月質疑
平成25年第1回定例会,03月05日-02号 より抜粋
2013年3月議会 第1回定例会 朝倉質疑06
◆朝倉幹晴 議員
6番の質問にこれから入るわけですが、お手元に資料を配付しております。
担当課職員やごらんになられている方、プリントアウトしてごらんいただきたいんですが、特定健康診査項目への血清クレアチニン検査、血清尿酸値検査の追加、貧血検査、必須科ということについて質問いたします。
時間の関係で、クレアチニン検査に絞って質問させていただきます。
実は、アメリカで慢性腎臓病(CKD)の概念が提唱されたのが2002年です。
それからさまざまな経過をたどってきたんですが、ようやく2012年に厚生労働省の中で、血清クレアチニンという腎臓の機能の指標ですね、この指標に使えるものの検査を追加すべきだという意見が2月27日、4月13日出たんですが、残念ながら必須科にはなりませんでした。
そういった中で、船橋が今回独自に国民健康保険事業特別予算会計の(第2号)の中に、この予算を入れているわけですが、これはどういう理由でしょうか。
◎健康部長(伊藤敬一)
血清クレアチニン検査を市独自で導入した理由はとのことでございますが、近年、腎機能低下による人工透析がふえており、本市の国保被保険者の人工透析新規導入者は、ここ数年毎年120となっております。
人工透析の医療費は1件当たり、月約33万円、年間約400万円、100人の新規導入で約4億円がふえ続ける計算となり、医療費増大の1つの大きな要因となっております。
また、人工透析治療は患者個人にとっても時間的拘束が大きく、日常生活が著しく制限されることになります。
血清クレアチニン検査は腎機能低下の指標となる有効な検査で、重症化すると人工透析に至ってしまう慢性腎臓病の早期発見と早期治療につながることが期待できるため、検査項目に加えたものでございます。 以上です。
◆朝倉幹晴 議員
その検査結果を今後どのように保健指導に役立てていく予定でしょうか。
◎健康部長(伊藤敬一)
その結果を今後、保健指導にどう役立てるかということでございますが、血清クレアチニン検査の数値から糸球体ろ過量、これを推算いたします。糸球体ろ過量とは、1分間にろ過される原尿の量であり、腎臓の機能低下が見られるかどうかの判断となるものでございます。
これらの結果を総合的に判断し、慢性腎臓病該当者には早期の医療受診勧奨を行い、またその予備軍である腎臓の機能低下が見られる方には重症化予防の保健指導を行ってまいります。
いずれの場合も人工透析に至らないようにするためのもので、市民の健康維持に役立つとともに、医療費適正化対策としても大きな効果が期待できるものと考えております。 以上でございます。
◆朝倉幹晴 議員
来る3月14日、世界腎臓デーが開かれます。これは腎臓のことを大切さを世界の人が自覚していこうということで呼びかけられているんですが、日本慢性腎臓病対策協議会ですね、これはCKDの治療だけではなくて、予防に力を入れてPRを広報活動をしております。
私たちの腎臓は、さっき糸球体ろ過量と言ったんですが、大体30分、私の質問の間に皆さんの腎臓は体の血液を1回こしとっています。
それぐらいのろ過をして、その中を再び大切なものをまた血液に戻した上で、老廃物だけは排出しているという仕分け作業をもくもくと80年間も続けてくれている大切な臓器ですので、ぜひこの世界腎臓デーに対して、これから市としても取り組んでいってほしいし、CKDの予防の啓発のためにこれから取り組んでいっていただきたいと思います。
私も、3月17日ですが、勤労市民センターでこの腎臓の大切さを生理学的な仕組みから考える学習会をしますので、担当課職員におかれましてはぜひ参加していただければと思います。