2021年大学入試共通テスト「生物」第4問(配点13点)問題・解答・解説

2021年4月 予備校講師・船橋市議 朝倉幹晴

2022年以降の共通テスト「生物」を受験する人を含む大学入試「生物」選択者、物理選択で大学に入り、大学で生物を学ぶ必要がでてきた方、生物学に関心のある市民の方々に、以下解答解説をお届けします。ご活用ください。入試問題は白黒ですが、イメージ補強のため一部カラー化しました。

 

第4問 次の文章を読み、下の問い(問1~3)に答えよ。(配点13点)

動物は、経験に基づいて行動を変化させることがあり、これを(a)学習という。多くの鳥類の雄は、繁殖期までに種に固有の音声構造をもつ歌(以下、自種の歌)をさえずるようになる。一部の鳥類では、若鳥が孵化(ふか)後の一定期間(以下、X期)に主に父鳥の歌を聴いて記憶し、後の成長過程の一定期間(以下、Y期)に、記憶した歌と自らがさえずる歌を比較しながら練習を繰り返すことで、自種の歌が固定する。
自種の歌の獲得における学習の役割に関して、A種とB種の雄の若鳥をそれぞれ用いて、X期に聞かせる自種の歌の有無、Y期における若鳥の聴覚の有無を様々に組み合わせた。表1のような古典的な実験1~4がある。実験の結果、成鳥は、自種の歌の特徴が壊れた歌(以下、不完全な歌)または自種の歌をさえずることが分かった。

問1

下線部(a)について、次の記述のうち、学習に関するものを過不足なく含むものを、下ののうちから一つ選べ。

アヒルのヒナは、孵化直後に見た動くものの後をついて歩くようになる。
繁殖期のイトヨの雄は、婚姻色を呈したほかの雄だけでなく、同種の色をつけた模型に対しても攻撃するようになる。

アメフラシは、水管を刺激されるとえらを引っ込めるが、刺激し続けるとえらを引っ込めなくなる。

問2

A種とB種について、自種の歌をさえずることができるようになるための条件()と学習の関与の有無()との組合せとして最も適当なものを、下の

のうちからそれぞれ一つずつ選べ。ただし、同じものを繰り返し選んでもよい。(注:A種、B種それぞれに関してから1つずつ選ぶ。)

成長の過程で自種の歌を聴く必要はない。

X期に自種の歌を聴く必要はないが、Y期に聴覚が必要である。

X期に自種の歌を聴く必要があるが、Y期に聴覚は必要ない。

X期に自種の歌を聴く必要があり、Y期に聴覚が必要である。

 

学習が関与している。

学習は関与していない。

 

 

問3

野外では、自種と近縁種の歌の特徴が混ざった歌(以下、混ざった歌)をさえずる雄が見つかることは、めったにない。その理由についての考察に関する文章中のア~ウに入る語句の組合せとして最も適当なものを、下ののうちから一つ選べ。

雄の姿や歌が似ている近縁種どうしの巣が互いに近接すると、若鳥が近縁種の雄の歌を聴き、姿を見る機会が生じるため、互いに近縁種の歌を学習する可能性がある。種に固有の歌は、なわばり防御のアピールや自種の雌に対する求愛であるため、混ざった歌をさえずる雄は、繁殖にしやすい。そのため、近縁種の歌を学習するような状況では、両種の個体群の成長は。これは、繁殖干渉と呼ばれる繁殖の機会をめぐる種間の競争である。繁殖干渉は競争的排除(競争排除)をもたらすことがあり、近縁種どうしが共存しなるので、近縁種の歌の学習はめったにないと考えられる。

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