【船橋市議補選】5枚の候補者名でないポスター掲示について~法律違反ではないが道義的には?~

2021年6月14日 船橋市議 朝倉幹晴  info@asakura.chiba.jp

今回の船橋市議補選の市内ポスター掲示板に以下のように、右側5枚に、候補者名でなく、政党名の掲示がなされており、私のところにも、問い合わせや疑問がよせられている。それに対する解説と私の見解を述べたい。

私は、自らが選ばれる側になる選挙ではできないが、その他の選挙では選挙そのものがわかりやすく投票率も上がるような情報発信や提言を続けてきた。

●千葉県知事選(2021年3月)における船橋市民の「当日投票」「期日前投票」「投票せず」の比率分析

●【イオンモール船橋での期日前投票体験記】(2021年3月13日、千葉県知事選期日前投票所)

●船橋市長選・市議補選(6月13日告示、20日投票日)、ぜひ期日前投票所(市内8カ所、うち7カ所は14日(月)~19日(土))のご活用を。

 

今回の5枚のポスターは、ある人物が、自らの思い付きを「公費負担制度」を活用しながら実施したものである。その概要は以下の記事にあるとおりである。

立花孝志氏が船橋市議補選で珍妙作戦「HAGE党」得票多数なら党名変更も

通常の場合 、有権者(市民)は、候補者の個人的な知り合いは別にして、1週間の選挙期間中に、主に、以下のように候補者の情報にアクセスし、投票行動を決めることになる。

1、告示日(今回13日)に掲載されるポスター掲示板で、候補者の名前・顔・スローガン・政党、無所属(無答派)などを知る。

2、新聞折り込みの選挙公報(今回は16日(水)予定)(あるいは駅スタンド・公民館配布)で、各候補の詳しい政策を見る。

3、たまたま街頭演説などに出会えば、演説を聴いたり、チラシを受け取ったりする。

4、ネットで、主に「名前」で検索をし、ブログ・公式サイト・SNSでの候補者の発信を見る。

2は新聞購読率が5割になっている現状から確実ではなく、3もタイミングが合う偶然性に左右され、4は有権者(市民)自らが情報にアクセスする積極性が求められる。したがって、2・3・4は全市民が確実に目にするとは言えない。したがって、1のポスター掲示板がもっとも、有権者(市民)の目に触れ、もっとも候補者の情報を共有でき、投票の判断の一助となる媒体となっている。だから、ポスターの作成費用は公費(税金)負担とされている。

ところが、今回、その掲示板のポスターの5枚に、候補者名がない。
船橋市議補選は、参議院・衆議院の「比例代表選挙」のように政党名を選ぶ選挙と異なり、あくまで、議員となるべき個人を選ぶ選挙である。では、なぜ個人名でなく政党名のポスターであるのか?

●法律違反ではない

ポスターの書式は候補者に任されており、「候補者名や顔写真を載せなければいけない」という規定はない。必須の義務とされるのは、小さな文字で「ポスター掲示責任者」と「印刷所」を印字することのみである。5枚の政党名ポスターに近づいてみてみると。5枚とも共通に立花孝志氏の名前と東京都葛飾区の住所、印刷所名は書いてある。かといって立花孝志氏が立候補しているわけではないし、今は船橋市民でない立花孝志氏に立候補権はない。5枚のポスターの関係者は選挙公報も提出していないので、有権者は、5つのポスターの候補者名がわからないまま、投票所に向かうことになる。
以下は、私が14日(月)に習志野台出張所で期日前投票をした際の、記載台の掲示である。ここではじめて、有権者は5つのポスターの候補者名を知ることになる。

 

(1、4、5、6、8番目が、立花孝志氏が掲示責任者となっている5名)

(2、3、7、9、10、11番目が名前と顔を出したポスターの6名の候補者)

●立花孝志氏の意図は何か?
では、このようなわかりにくいことをした立花孝志氏の意図が先の記事には書いてある。

立花孝志氏が船橋市議補選で珍妙作戦「HAGE党」得票多数なら党名変更も

記事の中から少し引用する。赤字は私(朝倉)による強調である。

公約を党名にした5つの政治団体から候補者が立候補し、主に無党派層にどの政策課題が支持を得るかの人気度を測るのだ。 新型コロナに感染し、入院中の立花氏はツイッターで「諸派党構想の知名度アップとどの公約に期待が多いのかを、出来るだけ経費をかけずにやっています」と投稿した。

不在の立花氏の代わりに現場で指揮を執った大橋昌信副党首は「候補者名はわからない、選挙活動もしない中で、有権者の方がフラットな状態で、どこの党にどれだけ票を入れるのかを調べる実験をさせていただく」と狙いを話す。

立花孝志氏は、選挙制度を熟知し、それをうまく「活用」する。実は候補者(代理者も可)は告示日13日(日)の朝8時から集まり、ポスターの掲示板位置を「くじ引き」で決める。8時の時点のくじ引きに参加した候補者が今回、名前と顔を出している6人の候補者であり、ポスター位置はくじ引きで決まったものである。ただ立候補受付は17時まで可能であり、8時の抽選の後の掲示板順は受付順になる。よって個人名を出さない立花孝志氏掲示責任者の「政党名」5人は、立花孝志氏の戦略通りの「政党名」順番で8時受以降付17時までに届け出することで、意図的に、ポスター掲示板の片側(右側)に集中させることで構図として目出たせることに「成功」している。

私は、それぞれの個別政策に関する願いがあるのは当然であり、個別政策の党があってもいいと思う。しかし、その場合はそれぞれの個別政策にこだわる人々がそれぞれにその個別政策の主張をすべきである。ある特定の人物の統制下で、個別政策の「人気度」を競わせるという発想自体がおかしいと思う。これまでの立花孝志氏の「話題づくり」が自己目的とも見える多くの行動を見た時、「諸派党構想」もその話題づくりの一つにすぎないのではないかと疑っている。ただ、立花孝志氏自身が「どの公約に期待が多いのか」を調査しようとする発想そのものは否定しない。だとしたら、駅頭などで5つの政党の各政策に関するシール投票・模擬投票を行うことなどで、税金を使わずに自らの力で調査すべきである。
立花孝志氏にとっては「出来るだけ経費をかけずにやっています」は真実である。ポスター掲示は公費(税金)負担である。立花孝志氏たちの「実験をさせていただく」ために、船橋市の税金が使われている。
立花孝志氏たちの今回の行為は、法律違反ではない。しかし、道義的に許せないことと私は感じるし、自らの主張を掲げ、名前を顔を出して立候補している6人の候補者、そして船橋市民全体に対して失礼なことと思う。
今後は、立花孝志氏にはこのような行為をやめ、「公約期待度」調査をしたいのだったら、駅頭でのシール投票などの、税金(ポスターの公費負担制度の活用)を使用しないで調査することを求めたい。
(なお、私はNHK党には批判的であるが、NHK党が通常の市議選で候補者を当選させるために名前と顔を出し、通常の他の候補者と同様に立候補することは尊重する。ただ今回のこの行為は、明らかに市民に対して失礼なことと感じる)。

名前と顔を出している6人の候補者の選挙公報は以下、船橋市選挙管理委員会HPに公開されています。ぜひご覧ください。
●市長選・市議補選、候補者情報・選挙公報(船橋市選挙管理委員会、13日掲載)
(↑ここまで調べる人は、5つのポスターの候補者名を「候補者情報」を見ることで、投票所記載台前に行く前に知ることは可能ですが、そこまで調べる人は少ないという前提で上記の記事を書いています)

 

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