入試に出る地方自治2~2021年大学入試共通テスト「倫理、政治経済」第2日程第7問(配点12点)問題・解答・解説

目次

解説

問1

「販売の拡大を行っている」
現在の運営の特徴について」との項目を立てていることから、過去よりも改善しようとしていることがわかる。
その項目の中で「直販と行うとともに地域内のスーパーや学校給食にも卸すようにした」とあり、この表現から過去にくらべて、「直販・地域内のスーパー、学校給食」は販路を拡大したとわかる。
正しい。
「六次産業化を実施している」
6次産業化とは、1次・2次・3次それぞれの産業を融合することにより、新しい産業を形成しようとする取り組みである。生産者(1次産業者、農林漁業)が加工(2次産業、工業)と流通・販売(3次産業、商業)も行い、経営の多角化を図ること。1次・2次・3次のそれぞれの数字を掛け算(1×2×3=6)し、産業の融合を図っているという意味で「六次産業化」と言っている。
メモの中に「従業員が加工や販売も行い」とあるので、加工(2次産業)や販売(3次産業)も行っていることがわかる。このメモ自体が「農業従事者への聴き取り」とあるので、従業員は当然、農業従事者の従業員(一次産業)である。なお、観光客誘致も観光(3次産業)である。正しい。
地産地消に取り組んでいる
地域内での消費の拡大を図る」とあるので、地産地消に取り組んでいる。直販、地域内のスーパーや学校給食が、地産地消の取り組みの具体例である。正しい。
a、b、cともに正しい。よって正解は(3点)

問2 (3点)

以下図の解説で確認してください。

問3

の主語となっている「二元代表制」とは首長と議員が両方とも住民の選挙でえらばれ、「二つの代表」が緊張関係を持ちながら自治体を運営していくこと。よって

は、両方とも住民投票が主語になっている。しかしアが肯定的評価、ウは「でも」という逆接の接続詞から文章が始まっていることからわかるように、限定的(否定的)評価の文脈である。したがって、アはc、ウはa。よって

(3点)

問4 (3点)

プライスの「地方自治は民主主義の学校である」という言葉は、地方自治の本質を示すものとして知っておいてほしい。
「多数者の専制」とはJ.S.ミルが、普通選挙制の導入前に、普通選挙制導入によって多数となる労働者階級が、少数者の自由を抑圧する可能性を危惧して発言した言葉である。(広い意味では、民主主義のもとでも少数者の意見が反映されにくい危惧として使われることもある)

ポピュリズムは、大衆の意見や願望や気持ちに迎合して行われる政治的な主張のことである。定義や使い方が定まっていないので、文脈や人によって使われ方が異なる。
「人民の人民による人民のための政治」とは、アメリカ大統領リンカーンの演説で、民主主義全体の本質を示したものであり、地方自治というより国政全体を示すことが多い。

 

また、以下も地方自治の良問です。あわせてご覧ください。
入試に出る地方自治1(市長選)~「2021年大学入試共通テスト「倫理、政治・経済」第2日程第5問「市長選に関する生徒2人の会話」(配点19点)問題・解答・解説~

入試に出る地方自治3~2019年大学入試センター「倫理、政治・経済」「政治・経済」地方自治問題・解答・解説(船橋市を例にした具体的解説