2020年大学入試センター試験「数学ⅠA」第1問[2](配点8点)、問題・解答・解説 2021年12月10日 最終更新日時 : 2021年12月10日 asakura FacebookXCopy 目次 Toggle 第1問[2](配点8点)自然数nに関する三つの条件p,q、rを次のように定める。p:nは4の倍数である。q:nは6の倍数である。r:nは24の倍数である。条件p,q,rの否定をそれぞれで表す。条件pを満たす自然数全体の集合をPとし、条件qを満たす自然数全体の集合をQとし、条件rを満たす自然数全体の集合をRとする。自然数全体の集合を全体集合とし、集合P、Q、Rの補集合をそれぞれで表す。(1)次のスに当てはまるものを、下ののうちから一つ選べ。32∊ス(2点)である。(2)次のタに当てはまるものを、下ののうちから一つ選べ。P∩Qに属する自然数のうち最小のものはセソ(2点)である。また、セソタ(2点)Rである。(3)次のチに当てはまるものを、下ののうちから一つ選べ。自然数セソは、命題チ(2点)の反例である。[next_p]これらの集合の関係をベン図に描くと以下のようになる。なお下図で具体的に書き込んだ数は1~48までにしたが、実際は同じような繰り返しで数は無限に続く。数を列に並べて記すと以下のようになる。32∈スの答となりうるように、P、Q、Rで示した集合は、であるが後者の選択肢はないため、答は前者となる。(2)P∩Qは12の倍数であり、その中で最小のものは12(セソの答)、ただこれは24の倍数(R)の中に含まれない()。(3)命題「A⇒B」が偽であることを示したい時は、「AであるのにBではない」という例が1例でもあればよい。このような例を、命題「A⇒B」に対する反例という。 たとえば、命題「4の倍数⇒2の倍数」は真なので反例はない。命題「2の倍数⇒4の倍数」は偽であり、「2の倍数であるのに4の倍数ではない」2や6が反例となる。(別の例を出す。命題「船橋市民⇒千葉県民」は真なので反例はない。命題「千葉県民⇒船橋市民」は偽であり、市川市民や流山市民が反例となる。)であり、命題「A⇒B」で12が「Aであるのに、Bでない」という例(反例)となっているのは、である。ちなみに4つの命題を日本語で表現し、また、その真偽と、偽の場合の反例を示すと以下のようになる。●集合と命題の基礎知識の整理以上の解説で理解できる方はそれで大丈夫です。ただ、理解が不十分な方は、以下で「命題と集合」に関する考え方、特にベン図での捉え方を整理しますので、お読みください。前半は「4の倍数は2の倍数」を例に数学的に説明します。ただそれだけでは、イメージや理解が不十分の方のために最後に日本語的なたとえ「船橋市民は千葉県民である」で補足説明していますので合わせてご覧ください。 第1問[2](配点8点) 自然数nに関する三つの条件p,q、rを次のように定める。 p:nは4の倍数である。 q:nは6の倍数である。 r:nは24の倍数である。 条件p,q,rの否定をそれぞれで表す。 条件pを満たす自然数全体の集合をPとし、条件qを満たす自然数全体の集合をQとし、条件rを満たす自然数全体の集合をRとする。自然数全体の集合を全体集合とし、集合P、Q、Rの補集合をそれぞれで表す。 (1)次のスに当てはまるものを、下ののうちから一つ選べ。 32∊ス(2点)である。 (2)次のタに当てはまるものを、下ののうちから一つ選べ。 P∩Qに属する自然数のうち最小のものはセソ(2点)である。また、セソタ(2点)Rである。 (3)次のチに当てはまるものを、下ののうちから一つ選べ。 自然数セソは、命題チ(2点)の反例である。 [next_p] Pages : 1 2