2020年大学入試センター「数学ⅠA」第1問[3](配点12点)、問題・解答・解説

目次

解説

(1)平行移動した2次関数は、(c,0)(c+4,0)という、x軸(y=0)上の2点を通る。c、c+4を2つの実数解として持つ2次方程式でxの係数が1となるのは、(xーc)(x-(c+4))=0なので、この2次関数はy=(x-c)(xー(c+4))である。

展開して計算して、y=x−(c+4)xーcx+c(c+4)
y=xー(2c+4)x+c(c+4)
y=x2−2(c+2)x+c(c+4)(ツテの答、2点

参考、上記の発想を忘れてしまった場合の求め方(計算がたいへんなので上記の発想を使ったほうが簡略)

平行移動のため、傾き(x2の係数)は変化しない。原点(0,0)を通っていた点が、y=x2+ax+bとすると、これが(c、0)(c+4、0)を通るので、 0=c2+ac+b・・・
0=(c+4)2+a(c+4)+b=c2+8c+16+ac+4a+b・・・ c2+ac+b=c2+8c+16+ac+4a+b 0=8c+16+4a ー4a=8c+16 。a=-2c-4=-2(c+2)。
に代入して、 c2−2(c+2)c+b=0 =-c2+2c2+4c=c2+4c=c(c+4)

線分はx=3(-3≦y≦0)なので、共有点を持つためには、Gでx=3のとき-3≦y≦0となればよい。
Gにx=3を代入すると、
y=32−2(c+2)×3+c(c+4)=9ー6(c+2)+c2+4c=9-6c-12+c2+4c=c2−2c-3
-3≦c2ー2c-3≦0なので、-3≦c2ー2c-3とc2ー2c-3≦0

を同時に満たすcの範囲を求めればよい。

-3≦c2ー2c-3
0≦c2ー2c
0≦c(c-2)
よってc≦0またはc≥2…
c2ー2c-3≦0
(c-3)(c+1)≦0
-1≦c≦3…

≦c≦(トナの答、2点)、≦c≦(ニヌの答、2点)

(2)2≦c≦3で、Gが(3、-1)を通るのでx=3、y=-1を代入して
-1=32−2(c+2)・3+c(c+4)
-1=9-6cー12+c2+4c
左辺・右辺を逆にして
9-6cー12+c2+4c=-1
c2−2c-2=0

Gを平方完成させると

y=x2−2(c+2)x+c(c+4)
=x2−2(c+2)x+(c+2)2−(c+2)2+c(c+4)
=(x-(c+2))2−c2ー4c-4+c2+4c
=(x-(c+2))2−4
ここにcを代入すると

●二次関数とグラフのまとめ


様々な二次関数y=ax2+bx2+cのグラフは、y=ax2をx軸、y軸方向に平行移動させたと捉えることができる。そう捉えると軸と頂点が決まり、図が描きやすく、座標の中での他の曲線・直線との位置関係がわかりやすくなる。y=ax2+bx+cをy=a(x-p)2+qのように変形することを平方完成といい、以下のような手順で変形をする。