縄文海進から考える船橋市の地理、防災、地球温暖化の影響
2021年12月25日(2023年1月29日議事録を確認・追加掲載)
船橋市議・予備校講師 朝倉幹晴
2021年11月26日に船橋市議会で以下の質疑をしました。その動画記録です。ぜひご覧ください。なお、動画には地形・海岸線の変化の歴史の地図などが埋め込んであります。
また海老川水系の防災に関する問題提起にも同時になっています。
●船橋市議会質疑動画(9分)「縄文海進から考える船橋市の地理、防災、地球温暖化の影響」
★「縄文海進」とは、縄文時代に、現在に比べて2℃ほど暖かく海面が2mメートル高くなり、 日本列島の各地で海水が陸地奥深くへ浸入した現象を示す。
議事録を確認整理の上、以下に掲載いたしました(2023年1月29日追加掲載)。
2021年11月26日 朝倉幹晴「縄文海進」部分質疑議事録(配布資料の画像を追加)
さて、それでは、縄文海進から考える船橋の郷土地理について質問します。
12月5日まで、飛ノ台史跡公園博物館で、「船橋のいちばん暑かった時-縄文時代前期の地球温暖化-」が開催されております。私も見に行きました。
間氷期だった13万年前の温暖化の時期には、三浦半島と房総先端以外の関東平野はほぼ全体が古東京湾という海の下にありました。
当時、フィリピン海プレートが(予定時間終了2分前の合図)日本の島弧を乗せているユーラシアプレートに潜り込み、そのとき、フィリピン海プレートの上の堆積物が付加体として盛り上がり、前弧海嶺──前弧リッジを形づくり、今の三浦半島・房総半島の丘陵地になりました。
その後、前弧海嶺と島弧の間に堆積物で平らな前弧海盆が形成され、海水面が下降し、今の関東平野になったわけです。関東平野形成の歴史の一端がこの地図から分かります。
そして、現在の船橋の地形や防災を考える上で、重要なのは縄文海進です。この縄文海進のときに、今の……古長津川谷、古海老川谷があったわけですけれど、そこに水が入ってきた、海が進出してきたわけですね。
さて、このような形で考えると、例えば、今、船橋の残ってる何々台という地形(12月21日「地名」と訂正許可)と、あるいは貝塚という地名が残っております。こういう地名を考える上でも、あるいはこれから地球温暖化の影響を考える上でも、地元に愛着を持つ上でも、このような企画展は非常に大切だと思いますので、今回の開催に至った経過と今後の展示の活用についてはどうお考えでしょうか。
[生涯学習部長登壇]
生涯学習部長(三澤史子) 飛ノ台史跡公園博物館では、昨年度より1万年以上続いた縄文時代の早期、前期、中期、後期のそれぞれの時期に焦点を当て、テーマを選び、順に開催するというコンセプトで秋季企画展を開催しております。
昨年度は、「かわる生活様式!?~船橋の縄文時代早期~」を開催し、国史跡となりました約1万年前の取掛西貝塚を中心に、「遊洞から定住へ」など生活様式の変遷をご紹介いたしました。
今年度は、「船橋のいちばん暑かった時-縄文時代前期の地球温暖化-」として、現在より2~3度気温が高かった時代をテーマに企画展を開催したもので、市内外の方から考古学ファンに限らず、大変ご好評をいただいております。
議員がおっしゃるとおり、地球温暖化が過度に進んだ場合の海水面の変化を考える上で参考となる展示と考えておりますので、企画展の終了後は展示で使用した資料の一部を、飛ノ台史跡公園博物館の常設展や学校等への貸出用教材として活用するなど、博物館の調査研究により得られた成果を広く市民の皆様に還元してまいります。
議長(渡辺賢次) 残り42秒です。
[朝倉幹晴議員登壇]
朝倉幹晴 議員 この縄文海進における地図と、実は千葉県が海老川水系史跡プロジェクトで発表した浸水想定地域の地図が非常に一致してるんですね。そして、ちょっとこの浸水想定地域の地図において海老川上流まちづくりについて一切言及がないと思いますが、これはどうなってるんでしょうか。
また、仮にメディカルタウン構想がそのまま進められたときに、この地区がコンクリート舗装化され、水の浸透性が低下することが古い地形からもちょっと危惧されますが、これより下流域の海老川流域や、市場や本町、宮本や湊町の水害危険性について、与える影響についてどう考えでしょうか。
[都市計画部長登壇]
都市計画部長(村田真二) お答えいたします。
海老川上流地区土地区画整理事業区域につきましては、市の洪水・内水ハザードマップ上、想定し得る最大規模の降雨──海老川水系の場合、9時間で総雨量516ミリの雨でございます。その際、浸水想定区域になっておりますことから、可能な限りの浸水対策を実施する予定でございます。
内容といたしましては、まず土地区画整理事業区域内の雨水管につきまして、時間約50ミリの降雨に対応した整備を行います。また、調整池につきましても、河川管理者である千葉県の指導により、時間70ミリの降雨に対応した整備と河川への流出抑制を行います。さらに、区域内を流れる二級河川飯山満川につきましては、二級河川海老川水系の整備計画により、時間約50ミリの降雨に対応した河道の整備を千葉県が行います。あわせて、宅盤のかさ上げ等の浸水対策を実施してまいります。
また、下流への影響ということでございます。こちらにつきましては、今申し上げましたとおり、県の指導等に基づきまして雨水管、調整池等の対策を行いますので、このまちづくりにより影響はない(後刻「浸水被害が増すことはない」と訂正)ものと考えております。
以上でございます。
[下水道部長登壇]
下水道部長(植田昭二) 所管事項についてお答えいたします。
海老川上流地区の区画整理地内につきましては、海老川水系流域治水プロジェクトに含まれております。流域治水というものにつきましては、あらゆる関係者が協働して流域の治水対策を進めていくという考え方であることから、今回、組合が実施する区画整理地内の調整池等の整備につきましても、当然含まれているものと認識しております。
以上です。
[都市計画部長登壇]
都市計画部長(村田真二) 答弁訂正をさせていただきます。
先ほど、私、このまちづくりにより、下流部への「影響はない」というふうにお答えしました。正確には、このまちづくりにより下流部への「浸水被害が増すことはない」ということでございます。訂正させていただきます。