2022年共通テスト「数学ⅡB」第4問(数列)問題・解答・解説
2022年5月12日 予備校講師・船橋市議 朝倉幹晴
共通テストの出題図は黒印刷ですが、せっかくの画面上ですので一部カラーといたしました。
2022年ⅡB第4問(配点20点)
以下のように、歩行者と自転車が自宅を出発して移動と停止を繰り返している。歩行者と自転車の動きについて、数学的に考えてみよう。
自宅を原点とする数直線を考え、歩行者と自転車をその数直線上を動く点とみなす。数直線上の点の座標がyであるとき、その点は位置yにあるということにすえる。また、歩行者が自宅を出発してからx分経過した時点を時刻xと表す。歩行者は時刻0に自宅を出発し、正の向きに毎分1のはやさで歩き始める。自転車は時刻2に自宅を出発し、毎分2の速さで歩行者を追いかける。自転車が歩行者に追いつくと、歩行者と自転車はともに1分だけ停止する。その後、歩行者は再び正の向きに毎分1の速さで歩き出し、自転車は毎分2の速さで自宅に戻る。自転車は自宅に到着すると、1分だけ停止した後、再び毎分2の速さで歩行者を追いかける。これを繰り返し、自転車は自宅と歩行者の間を往復する。
x=anを自転車がn回後に自宅を出発する時刻とし、y=bnをそのときの歩行者の位置とする。
(1)花子さんと太郎さんは、数列{an}、{bn}の一般項を求めるために、歩行者と自転車について、時刻xにいて位置yにいることをOを原点とする座標平面上の点(x,y)で表すことにした。
a1=2、b1=2により、自転車が最初に自宅を出発するときの時刻と自転車の位置を表す点の座標は(2,0)であり、そのときの時刻と歩行者の位置を表す点の座標は(2,2)である。また、自転車が最初に歩行者に追いつくときの時刻と位置を表す点の座標は(ア,ア)である。よって
a2=イ、b2=ウ
である。
花子:数列{an}、{bn}の一般項について考える前に、(ア,ア)の求め方について整理してみようか。
太郎:花子さんはどうやって求めたの?
花子:自転車が歩行者を追いかけるときに、間隔が1分間に1つずつ縮まっていくことを利用したよ。
太郎:歩行者と自転車の動きをそれぞれ直線の方程式で表して、交点を計算して求めることもできるね。
自転車がn回目に自宅を出発するときの時刻と自転車の位置を表す点の座標は(an,0)であり、そのときの時刻と歩行者の位置を表す点の座標(an,bn)である。よって、n回目に自宅を出発した自転車が次に歩行者に追いつくときの時刻と位置を表す点の座標は、an,bnを用いて、(エ、オ)と表せる。
以上から、数列{an}、{bn}について、自然数nに対して、関連式
an+1=an+カbn+キ ……
bn+1=3bn+ク ……
が成り立つことがわかる。まず、b1=2とから
bn=ケ(n=1,2,3,‥‥)
を得る。この結果と、a1=2およびから
an=コ(n=1,2,3,‥‥)
がわかる。
ケ、コの解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)
(2)歩行者がy=300の位置に到着するときまでに、自転車が歩行者に追いつく回数はサ回である。また、サ回目に自転車が歩行者に追いつく時刻は、x=シスセである。
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