2022年大学入試共通テスト「生物基礎」第1問A「酵素とATP」問題・解答・解説(配点9点)

解説
問1

大学入試共通テスト本番の問題文でも「誤っているもの」を選ぶ問題であることは「誤っているもの」が太字で強調されている。間違えて正しいものを選らばないようにしよう。

化学反応を促進する触媒としてはたらく。
口から摂取した酵素は、そのままの状態で体内の細胞に取り込まれて傷つくことはない。
酵素はタンパク質なので、消化酵素で分解さればらばらのアミノ酸として吸収される。タンパク質のまま、体内の細胞に吸収されて働くわけではない。

タンパク質が主成分であり、細胞内で合成される。
細胞内で働き、細胞外では働かない。×
酵素は変性しなければ体外や細胞外でも働く。たとえば、消化酵素が働く消化管管腔は口と肛門で体外とつながっているので、働く場所は体外(細胞外)である。
反応の前後で変化しないため、繰り返し働くことができる。
よって、誤っているが本設問の答。(3点)

<参考>



問2

代謝の更に詳しいことは「生物」で扱うが、「生物基礎」でも以下のような基本を学ぶ。


生命活動に使うATPを作る細胞小器官はミトコンドリアであるが、葉緑体も有機物を合成する過程で、光エネルギーを化学エネルギーに転換する際ATPが合成される(葉緑体内で消費されるので細胞の他の部分には与えない)。核はDNA保存や複製、転写の場であり、ATP合成には関与しない。よってb(ミトコンドリア)とc(葉緑体)で
(3点)

<参考>(「生物」で詳しく学ぶ内容)

問3

個々の細菌の細胞に含まれるATP量は、ほぼ等しい。前提となる条件
細菌以外に由来するATP量は、無視できる。前提となる条件
  無視できないほどの他に由来するATPがあるとこの推定はできない。

細菌は、エネルギー源としてATPを消費している。
これはATPの役割であって、細菌数推定の条件ではない。
ATP量の測定は、細菌が増殖しやすい温度で行う。
検査する食品の中に検査時に含まれているATP量は決まっているので、どの温度で測定しても同じ結果であり、測定時の温度は関係ない。
が前提となる条件。よって、(3点)