コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)(コミナテイ筋注)(トジナメラン・BNT162b2)の4284塩基配列とウイルスSタンパク質mRNA塩基配列・翻訳1273アミノ酸配列(フレーム付き・暫定公開)

2021年3月4日(木) 予備校生物科講師・分子生物学会会員・船橋市議 朝倉幹晴
(7月27日加筆 δ株 L452R変異、E484Q変異加筆)

2月14日に特例承認され、これから日本人の多くが接種することになる可能性があるファイザー製の「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン」(コミナティ筋注・トジナメラン BNT162b2)の塩基配列(4284塩基)情報は、厚生労働省に提出された文書等に明記・公開されています。

★厚生労働省での審議結果報告書

また、その開発のもととなったSARS-CoV-2の突起タンパク質(Sタンパク質)を指定する塩基配列情報も公開されています。しかし、その両者の間の同義置換(同じアミノ酸を指定する置換)の対応表については、どうしても見つけることができませんでした。そこで、がんばって対応表を作成しましたので、ご活用ください。
2月27日に作成したものを、1行30塩基ごとに書き換え、コドンの読み枠も明記する形に改訂しました。
「暫定公開」としたのは、本当はこの表の読み方をきちんとワクチンを受ける可能性のある誰でもが理解できるように解説しなおしたいと思っているからです。しかし、この表の作成自体に1週間余を要しているので、さらにわかりやすいように解説するの更に準備が必要です。
 それでも、この表については、私自身が求めていたように、はやめに必要とされる方もおられるとおもいますので、暫定公開します。

 

★1行目 「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン」
このmRNAワクチンでは、ウイルスのmRNAのU(ウリジン)部分をすべてm1Ψ(1メチルーシュードウリジン)に置き換えています。置き換えても翻訳の際にはUと同様に読まれます(コドンに相補的な塩基対のアンチコドンを持ったtRNAが結合します)。Y(厚生労働省表記)がそれを示します。
そして、青部分がSARS-CoV-2との同義置換部分です。ただし、2か所だけ非同義置換があります。それはオレンジで表記しました。

★2行目 SARS-CoV-2、Sタンパク質mRNA(Cap構造、5´非翻訳領域、3´非翻訳領域、ポリAテールを含む)
★3行目 注射された人体の細胞質内で合成されるタンパク質のアミノ酸配列(ウイルスのSタンパク質のアミノ酸配列と上記2か所非同義置換以外は同じ) (代表的な変異株において変異しているアミノ酸を赤字で付記しました。)

アミノ酸1文字表記 F:フェニルアラニン(Phe) L:ロイシン(Leu)  I:イソロイシン(Ile) M:メチオニン(Met)                                              V:バリン(Val)  S:セリン(Ser)  P:プロリン(Pro)   T:トレオニン(Thr)  A:アラニン(Ala)
Y:チロシン(Tyr)  H:ヒスチジン(His)   Q:グルタミン(Gln)  N:アスパラギン(Asn)
K:リシン(Lys)  D:アスパラギン酸(Asp)  E:グルタミン酸(Glu)  C:システイン(Cys)
W:トリプトファン(Trp)  R:アルギニン(Arg)   G:グリシン(Gly)

 

★3月16日加筆

 

★3月7日加筆
このワクチンでは塩基に関し、A,U(水素結合2か所)→GC(水素結合3か所)への転換が意図的に行われています。青字の部分を見るとそれがよくわかります。そのことで、ヒト細胞内でのタンパク質の合成量を増加させる設計のようです。全箇所を水素結合箇所の転換に注目して分析した表を加筆しました。

この置換の背景には、京都大学グループの以下の研究で述べられている技術の応用があるようです。
コドン3塩基目の変化(AT3、GC3)と翻訳効率

 

<参考・これまでのワクチン(生・不活化)とmRNAワクチンの違いの基本図>

 



   


参考
★動画「ウイルス・遺伝子・免疫・ワクチン・対抗薬の基礎知識」(57分)(2020年12月24日)
★動画「イギリス・南アフリカで発生したウイルス変異株(変異型)の基礎知識」(37分)(2020年1月10日20時時点)
★アマゾン取り扱い、朝倉幹晴著作一覧(「ウイルスと遺伝子」他

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