2021年3月改正(7月施行)船橋市動物の愛護および管理に関する条例改正案と船橋市動物愛護推進議員連盟について。
2021年12月24日 船橋市議(船橋市動物愛護推進議員連盟幹事長) 朝倉幹晴
●船橋市動物愛護推進議員連盟設立趣意書 2016年10月4日発足
さいとう和夫市議を会長に、2016年10月に、船橋市動物愛護推進議員連盟が発足しました。私もずっと役員を務めてまいりました(今は幹事長)。これまでの議員連盟の活動報告、あるいは私個人の活動報告の一部を以下に掲載します。
●猫の救助・保護・里親募集に取り組む「NPO法人 猫の森」のお話を伺う~2017年8月28日、船橋市動物愛護推進議員連盟~
●岡山県での西日本豪雨災害ボランティア報告5(被災中高生への学習サポート、ペット同伴避難所)
●2019年11月7日(木)、船橋市動物愛護推進議員連盟で、猫に関する不妊手術実施(TNR)を含む個人ボランティアの方々と意見交換会
議員連盟を通じた市動物行政(保健所衛生指導課、動物愛護指導センター)との懇談や要請の中、船橋市は、2021年3月の議会に、船橋市動物愛護及び管理に関する条例の改正案を提出しました。この概要は市が作った以下のポスターの通りです。
このポスターで概要はわかるとはいえ、やはり、議会で議論になった旧条例と新条例の改正点をお示ししたほうが議論の論点がわかりやすいと思いますので、議会に提出された「船橋市動物の愛護及び管理に関する条例の一部を改正する条例」を以下に掲載します。下線部が修正あるいか加筆箇所となります。
地域猫活動のことが条例に入らなかった不十分点、多頭飼育崩壊などの深刻な状況を改善していく具体的な施策についてなど様々な議論がありましたが、結果的には原案通りに可決され成立しております。今後は、この条例の中身を市が実施をしていくことを求めるとともに、機会があれば更なる条例の改善を議論していきたいと思います。これからも議員連盟として見続けていきます。
なお、私の議員1期目の2002年6月3日に、条例制定前でしたが、動物愛護に関して質疑した議事録です。あわせてご参考にください。
朝倉質疑(動物愛護部分抜粋)
次に、動物行政についてお聞きします。
まず、動物愛護条例の整備についてお聞きします。
豊橋の保健所で視察しましたところ、豊橋市動物の愛護及び管理に関する条例というのを見せていただきました。この条例の中では、第5条「飼い主は、その所有し、又は占有する動物について、次に掲げる事項を遵守しなければならない。(1)適正に飼料及び水を与えること。(3)必要に応じて適正な飼養施設を設け、当該飼養施設の構造及び規模に応じた種類及び数の動物を飼養すること。(7)逃走した場合は、自ら捜索し、収容すること。2 飼い主は、その所有し、又は占有する動物をその終生にわたり飼養するよう努めなければならない。」となっています。市民の実際に犬、猫を飼うときの義務が明記されております。このような精神を船橋市の条例づくりにも参考にしていってほしいと思いますが、いかがでしょうか。
次に、前議会で質問しました里親あっせんもできるような中間的にとめおく施設についてお聞きします。現在、それはここの保健所から沼南町にあります千葉県動物愛護センター東葛飾支所に一たん行きまして、そこで一たんとめおいて、その後、富里に最終処分で連れられていくわけですけれども、ぜひ市として独自の中間的にとめおく施設をつくっていただきたいと思いますが、その設立はいつになるでしょうか。
それから、犬の登録のパソコン管理と捕獲犬の検索についてお聞きします。豊橋市の保健所では、すべての犬を保健所が登録し、中核市移行後すべてのデータをパソコンに入力し、例えば捕獲犬があった場合、捕獲場所近くの同種の特徴の犬の飼い主に確認するそうです。そうすると、ある割合で飼い主が発見され、犬を飼い主にまた返すことができるようになるそうです。意図的に放したのではなくて、鎖を切って逃げてしまうというような例もあるわけですから、このようなことはぜひやっていただきたいと思います。データを正確にパソコン管理し、このように飼い主と思われる人への問い合わせも含めて対応できるようにしたらどうかと思いますが、いかがでしょうか。
次に、動物愛護に取り組まれている市民の方との協働についてお聞きします。既にこの市内でも殺処分や多頭飼育などの状況を憂い、何とか里親をあっせんしようと頑張っておられる市民の方があります。「千葉犬緊急救護プロジェクト」というホームページがあります。私もホームページからリンクさせていただいていますが、そのホームページをぜひ1度ごらんいただきたいんですが、千葉の中で多頭飼育で放置されている犬の里親を、何とか1匹でも見つけようということで、1匹1匹見つけていく努力をされているわけです。そのような市民の方の力をかり、意見に耳を傾けながら動物行政を進めていってほしいと思いますが、いかがでしょうか。
動物行政の最後に、地域猫についてお聞きします。5月15日、私は千代田区保健所に行きまして、地域猫についてお聞きしてきました。地域猫というのは、地域にいる猫を積極的に行政が認定し、その不妊去勢手術の援助をする制度であります。いわゆる地域にいる猫は野良猫と言われるわけですけれども、不妊去勢手術がなされていない場合には、さらに増殖していってしまうわけです。それがまた大きな問題になっていくわけですから、区として積極的にそういう制度を立ち上げました。この制度は、千代田区飼い主のいない猫の去勢・不妊手術費助成事業実施要綱というやつです。こういうような制度も参考にしながら、地域猫を積極的に見続けていただきたいと思います。猫は室内で飼育するべきだというのが基本的な流れだと思いますが、暫定的な処理として、地域猫を積極的に位置付けて、既にいる地域猫についてはきちんと地域で育てることができるようにする。そして、例えば集合住宅などで、各家では飼えないところでも地域で飼うということで、町内会などの合意がとれた場合に、それを市が位置付けるというような政策も可能だと思いますので、ぜひ検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。[保健福祉部長登壇]
◎保健福祉部長(金子正雄)
次に、動物行政についてのご質問にお答えいたします。
動物関係条例の制定につきましては、先進市の例を参考にして、市民の動物愛護精神の高揚を図るとともに、動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害を防止することを目的とした条例を12月議会に提案したいと考えております。犬の譲渡会につきましては、自前の施設ができるまでの間、沼南町にある千葉県動物愛護センター東葛飾支所で県と共同で実施できるよう協議してまいりたいと考えており、実施することが可能となった場合は、その都度広報等により市民へ周知してまいりたいと思っております。
捕獲収容した犬の所有者探しにつきましては、種類、性別、大きさ、毛色、写真等をホームページで公開し、飼い主を探したいと考えております。また、現在市では犬の登録業務を行っており、犬の種類、名前、生年月日、毛色、性別、体格等のデータを管理しておりますので、既存のデータで鑑札の付いていない犬の飼い主を特定することができるかについても研究したいと考えております。
動物愛護に取り組まれている市民との協働につきましては、行政のみで不幸な犬猫を減らすことは難しいことから、獣医師会、動物愛護団体等と連携をとりながら、譲渡会、里親探しなど積極的に展開していきたいと考えております。
最後に、地域猫への不妊・去勢手術への助成につきましては、動物所有者に対しての不妊・去勢手術等の繁殖制限を啓発するとともに、今後研究してまいりたいと考えております。