2023年大学入試共通テスト「生物基礎」第1問B(配点10点)問題・解答・解説
【解説】
問3 設問は「1個の体細胞の核で全てのDNAが複製されるためには、いくつの場所で複製が開始される必要があるか」と聞いている。そして「ヒトの精子の核の中には3×109塩基対からなるDNAが含まれる」と書いてある。精子はゲノム(n本染色体)含む一方、体細胞は2n含む。したがって、体細胞の核には6×109塩基対からなるDNAがある。
(6×109)÷(1×106)=6×103=6000か所。よって(3点)。
以下の図の後半は「生物」の内容であり、「生物基礎」の知識ではないが、参考に載せた。図の前半のレプリコン(複製単位)が本設問で問われた点であり、これが6000か所できるということである。
問4
体細胞分裂における細胞周期は以下のようである。
なお間期において染色体は見えないが、仮に見えたとするとどうなっているかを細胞の下に記した。S期のSはSynthetic phase(DNA合成期)のSであり、この時期に時間をかけて徐々にDNAが複製され、染色体が倍加し、それは細胞が完全に2つに分裂する(つまり次のG1期になる)まで維持される。その時間経過に伴う細胞あたりのDNA量を図の下のグラフに示した。
グラフの下には、本文の「タンパク質Xは、分裂終了直後に発現を開始し、DNAの複製中に減少していく。他方、タンパク質Yは、DNAの複製が始まると発現を開始し、分裂終了直後に急速に減少する。」の記述を存在期間中を→で示した。
Xのみ発現し、Yは発現していない期間はG1期である。(3点)
問5