2023年大学入試共通テスト「数学1A」第2問[2](15点)問題・解答・解説

2023年12月13日 予備校講師・船橋市議 朝倉幹晴

2023年大学入試共通テスト「数学1A」第2問[2](配点15点)の解答・解説を作成しましたので、ご活用ください。問題文の最後の所でページ番号「2」をクリックすると解答・解説に飛びます。

入試問題は黒印刷ですが、せっかくの画面上ですので、図はカラーにしました。
(シュートをしている選手の背の高いプロ選手は、スラムダンクの桜木花道をイメージして赤髪にしました。(桜木花道は高校生ですが、将来プロになったと仮定します。)

 

 

2023年大学入試共通テスト「数学1A」第2問[2](15点)

[2]太郎さんと花子さんは、バスケットボールのプロ選手の中には、リングと同じ高さでシュートを打てる人がいることを知り、シュートを打つ高さによってボールの軌道がどう変わるかについて考えている。
二人は、図1のように座標軸が定められた平面上に、プロ選手と花子さんがシュートを打つ様子を真横からみた図をかき、ボールがリングに入った場合について、後の仮定を設定して考えることにした。長さの単位はメートルであるが、以下では省略する。

 

仮定
・平面上では、ボールを直径0.2の円とする。
・リングを真横から見たときの左端を点A(3.8、3)、右橋を点B(4.2、3)とし、リングの太さは無視する。
・ボールがリングや他のものに当たらずに上からリングを通り、かつ、ボールの中心がABの中点M(4、3)を通る場合を考える。ただし、ボールがリングに当たるとは、ボールの中心とAまたはBとの距離がo.1以下になることとする。
・プロ選手がシュートを打つ場合のボールの中心を点Pとし、Pは、はじめに
点P0(0、3)にあるものとする。また、P0、Mを通る、上に凸の放物線をC1とし、PはC1上を動くものとする。
・花子さんがシュートを打つ場合のボールの中心を点Hとし、Hは、はじめに点Ho(0、2)にあるものとする。また、H0、Mを通る、上に凸の放物線をC2とし、HはC2上を動くものとする。
・放物線C1やC2に対して、頂点のy座標を「シュートの高さ」とし、頂点のx座標を「ボールが最も高くなるときの地上の位置」とする。

(1)放物線C1の方程式におけるx2の係数をaとする。放物線C1の方程式は
y=ax2ax+キクあわせて3点)
と表すことができる。また、プロ選手の「シュートの高さ」は
a+ケコあわせて3点)
である。
放物線C2の方程式におけるx2の係数をpとする。放物線C2の方程式は

と表すことができる。
プロ選手と花子さんの「ボールが最も高くなるときの地上の位置」の比較の記述として、次ののうち、正しいものは(3点)である。

の解答群
プロ選手と花子さんの「ボールが最も高くなるときの地上の位置」は、つねに一致する。
プロ選手の「ボールが最も高くなるときの地上の位置」の方が、つねにMのX座標に近い。
花子さんの「ボールが最も高くなるときの地上の位置」の方が、つねにMのx座標に近い。
プロ選手の「ボールが最も高くなるときの地上の位置」の方がMのx座標に近いときもあれば、花子さんの「ボールが最も高くなるときの地上の位置」の方がMのx座標に近いときもある。

(2)二人は、ボールがリングすれすれを通る場合のプロ選手と花子さんの「シュートの高さ」について次のように話している。

太郎:例えば、プロ選手のボールがリングに当たらないようにするには、Pがリングの左端Aのどのくらい上を通れば良いのかな。
花子:Aの真上の点でPが通る点Dを、線分DMがAを中心とする半径0.1の円と接するようにとって考えてみたらどうかな。
太郎:なるほど、Pの軌道は上に凸の放物線で山なりだから、その場合、図2のように、PはDを通った後で線分DMより上側を通るので、ボールはリングに当たらないね。花子さんの場合も、HがこのDを通れば、ボールはリングに当たらないね。
花子:放物線C1とC2がDを通る場合でプロ選手と私の「シュートの高さ」を比べてみようよ。

 

図2のように、Mを通る直線ℓが、Aを中心とする半径0.1の円に直線ABの上側で接しているとする。また、Aを通り直線ABに垂直な直線を引き、ℓとの交点をDとする。このとき である。
よって、放物線C1がDを通るとき、C1の方程式は、

シスセソ合わせて3点)
となる。

また、放物線C2がDを通るとき、(1)で考えられたC2の方程式を用いると、花子さんの「シュートの高さ」は約3.4と求められる。
以上のことから、放物線C1とC2がDを通るときプロ選手と花子さんの「シュートの高さ」を比べると、の「シュートの高さ」の方が大きく、その差はボールである。タチあわせて3点
なお、である。

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