2024年 #大学入試 #共通テスト #生物、第6問(配点20点)問題・解答・解説
2024年4月13日 予備校講師・船橋市議 朝倉幹晴
2024年大学入試共通テスト「生物」第6問(計20点)の解答、解説を作成しましたので、学習や入試対策にご活用ください。問題の最後の下にある「2」をクリックすると解答・解説のページに飛びます。(入試問題は黒一色印刷ですが、せっかくの画面上ですのでイメージ強化のため一部カラー化しました。)
★なお、カメノテ・ウメボシイソギンチャク・ムラサキウニは、実際に近い色を付けました。しかし、色がリアルであることを好まない方もおられると思います。そこでカラーの後、共通テストの出題通りの黒線のみの図も添付しますので、好きなほうをご覧ください。
2024年共通テスト「生物」第6問(配点20点)問題
第6問 生物の多様性と進化に関する次の文章(A、B)を読み、後の問い(問1~4)に答えよ。
A アキさんとハルさんは、探究活動で海岸に出かけて海の生物の観察を行った。
アキ:海にはいろいろな生き物がいるね。
ハル:そうだね。岩陰にはカイメンやイソギンチャク、ウニ、波打ち際にはカサガイやカメノテがいるね。
アキ:いくつかの生き物を捕まえて、水槽に入れて観察してみよう。
ハル:からだの特徴からどの動物の仲間か分かりそうだね。
アキ:ところで、カイメンは岩に貼り付いて動かないけど、(a)動物だったっけ。
ハル:そうだったと思うけど、帰ったら図書館で調べてみよう。
問1 下線部(a)に関連して、次の記述(a)~(c)のうち、生物学における「動物」の全てに当てはまる記述はどれか。それを過不足含むものを、後ののうちから一つ選べ。(4点)
(a)発生の過程で三つの胚用(外胚葉・中胚葉・内胚葉)が形成される。
(b)従属栄養生物である。
(c)多細胞生物である。
問2 アキさんとハルさんは、観察したことと図書館で調べたことをもとに、いろいろな動物についてノートにまとめた。図1はその内容の一部である。また、図2は動物の主要な門について系統関係を示したものである。図1に示した特徴から、カメノテ、ウメボシイソギンチャク、およびムラサキウニは、それぞれ図2のV~Zのどこに当てはまるか。最も適当なものを、後ののうちからそれぞれ一つずつ選べ。ただし、同じものを繰り返し選んでもよい。
カメノテ(2点) ウメボシイソギンチャク(2点) ムラサキウニ(2点)
B ハルさんとアキさんは、先生と一緒に遺伝情報の伝達について考察している。
先生:集団中における遺伝情報の伝達を考えるために。シミュレーションをしてみましょう。条件や手順を節女下プリント(図3)を見てください。
ハル:サイコロを振って、親とその個体から生まれた子を線で結ぶんですね。
アキ:先生、できました。
(図4は未完成のハルさんの結果、図5はアキさんの結果である。なお、ハルさんが世代7を親世代サイコロを振ったところ、であった。
先生:シミュレーションの結果は、集団中の個体の系図を表しています。皆さんの結果で、世代8の個体の遺伝情報は、世代1のどの個体に由来していますか。
ハル:私の結果(図4)では、世代8の6個体のうち、ア個体が世代1の個体Eに由来し、それ以外は個体Fに由来しました。
アキ:私の結果(図5)では、世代8の全個体が個体Bに由来しています。
先生:次に、系図のどこかで突然変異が起こったと考えてみましょう。シミュレーションの結果は、遺伝的浮動による(b)遺伝子頻度の変動としても捉えることができます。
アキ:私の結果(図5)で、×印のところで突然変異が起こったと考えると、変異型の対立遺伝子を持つ個体は、一つの世代中に最大イ個体まで増加し、その後消失しています。
ハル:突然変異をランダムに起こすシミュレーションもできそうですね。
問3 図4のハルさんの結果を完成させたうえで、会話文中のア・イに入る数値として最も適当なものを、次ののうちからそれぞれ一つずつ選べ。ただし、同じものを繰り返し選んでもよい。(ア3点、イ3点)
問4 下線部(b)に関連して、次の記述(d)~(g)のうち、現実の生物集団で起こる遺伝子頻度の変動についての記述として最も適当なものはそれか。シミュレーションの結果も参照しながら、その組合せとして最も適当なものを、後ののうちから一つ選べ。(4点)
(d)新しく生じた突然変異の多くは、集団全体に広まることはなく、やがて集団中から失われる。
(e)生存や繁殖にとっての中立な突然変異は、集団全体に広まることができない。
(f)1回の突然変異に由来する対立遺伝子が、ある世代で集団全体に広まっているとき、その世代の全個体が共通の祖先を持つことを意味する。
(g)遺伝子頻度の変動に与える遺伝的浮動の影響は、集団が大きくなるほど大きくなる。