2025年、大学入試共通テスト「生物基礎」第1問、問題・解答・解説(配点16点)

2026年1月14日(水) 予備校講師・船橋市議(無党派) 朝倉幹晴
大学入試共通テストの「生物基礎」の2025年第1問の解答・解説を作りました。受験対策や日常の勉強にお役立てください。本ページの最後までスクロールいただき「2」を押すと、解答・解説のページに飛びます。

第1問 細胞の働きに関する次の文章(A・B)を読み、後の問い(問1~5)に答えよ。(配点16点)

A 気管の表面は、働きの異なる複数の細胞からできている(図1)。分泌細胞は粘液を分泌し、(a)繊毛細胞にある繊毛は粘液を喉の方向に排出するための運動を行う。これらの細胞は基底細胞から分化する。(b)細菌などの異物は、粘液により捉えられ、繊毛の運動により排出される。繊毛の内部には、繊毛の運動をつかさどるタンパク質Aがあり、(c)これに異常が起こると、異物の排除が正常に行われなくなる


問1 下線部(a)(b)に関する記述として最も適当なものを、次ののうちから一つ選べ。(2点)

繊毛細胞は同化と異化を行うが、細菌は異化のみを行う。

繊毛細胞も細菌も、核の中に遺伝子の本体であるDNAを含む。

葉緑体は、繊毛細胞には存在しないが、細菌には存在する。

ミトコンドリアは、繊毛細胞には存在するが、細菌には存在しない。

 

問2 図1に示した各細胞の細胞周期を調べたところ、分泌細胞XはG1期、基底細胞YはG2期、基底細胞ZはM期の中期にあることがわかった。分泌細胞Xに含まれるDNA量を1とした場合、基底細胞Yおよび基底細胞Zに含まれるDNA量の組合せとして最も適当なものを、次ののうちから一つ選べ。(3点)

問3 下線部(c)に関連して、ある動物には、気管の繊毛が動かず、異物の排除を正常に行うことができない変異体が存在する。この変異体とタンパク質Aとの関連を調べていたところ、正常な個体と変異体のゲノムを比較解析した資料を見つけた。資料のに入る数値の組合せとして最も適当なものを、後ののうちから一つ選べ。(3点)

資料 動物Bのゲノムに存在するタンパク質Aの遺伝子には、アミノ酸配列を指定する13500塩基対が含まれる。正常な個体では、この遺伝子から転写されたmRNAをもとに、個のアミノ酸からなるタンパク質が合成される。他方、変異体のmRNAでは、13500塩基の3601番目の塩基からはじまるコドン(三つ組の塩基)が、アミノ酸を指定せず、翻訳がとまるコドンに変化していた。このため、個のアミノ酸からなる不完全なタンパク質が合成され、その結果、繊毛が動かないと考えられる。

B タンポポは再生力が強く、植物体を引き抜いても、地中に根が残っていると、図2に示すように、その(1)根の切断端近くの細胞が増殖して新しく芽をつくり、やがて地上部を再生する。再生したタンポポは、種子から育ったタンポポと同様に、花を咲かせ、次世代を残す。

問4 下線部(d)に関連して、切断前の根の細胞について、この再生現象からいえることとして適当なものを、次ののうちから二つ選べ。ただし、解答の順序は問わない。(各2点×2)

エネルギーを消費する代謝を行っていない。
花の形成に必要な遺伝子を持っている。
DNAを複製する能力を失っている。
他の細胞に分化する能力を失っている。
葉緑体をつくる能力を失っていない。
光があたると酸素を発生する。
減数分裂を行っている。

問5 同じく下線部(d)に関連して、新しく芽をつくるにはエネルギーが必要とされるはずである。このエネルギーについて、「根は葉の光合成で生産された有機物を蓄えており、この有機物から呼吸によって取り出したエネルギーを使って芽をつくる」という仮説を立てた。図3は、この仮説を検証するために計画した一連の実験を示している。図3中のに入る語句の組合せとして最も適当なものを、次ののうちから一つ選べ。(4点)