2025年、大学入試共通テスト「生物基礎」第3問、問題・解答・解説(配点16点)

2026年1月14日(水) 予備校講師・船橋市議(無党派) 朝倉幹晴
大学入試共通テストの「生物基礎」の2025年第3問の解答・解説を作りました。受験対策や日常の勉強にお役立てください。本ページの最後までスクロールいただき「2」を押すと、解答・解説のページに飛びます。

第3問 生態系とバイオームに関する次の文章(A・B)を読み、後の問い(問1~5)に答えよ。
                         (配点16点)

A アサさんとヨウさんは、展示施設でクジラの標本を観察しながら話をした。
アサ:これは、近くの海岸に座礁して、死んでしまった(a)マッコウクジラの骨格なんだよ。
ヨウ:座礁した14頭のうち、1頭は生きたまま海へかえすことができたけど、残りは死んで、そのうち12頭の死体は海底に沈められたんだって。(b)深海の底

では完全に分解されるまでに10年以上かかるって聞いたよ。

アサ:1頭の(c)死体は砂浜に埋められて、その後、この骨格標本として保存されたんだね。
ヨウ:(d)死体を処分場で燃やすことも考えられるけど、そうしたらどうなっていただろう。

 

問1 下線部(d)について、マッコウクジラは、海洋生態系において最上位の栄養段階に属する動物である。このような栄養段階が最上位の動物には、栄養段階が下位の動物と比べたとき、どのような特徴があるか。その特徴として最も適当なものを、次ののうちから一つ選べ。(3点)

個体数が少ない。
個体数はキーストーン種によって制限されやすい。
捕食されやすい。
体サイズが小さい。

問2 下線部(b)に関連して、生態系には、生物の遺体(遺骸)の分解が遅い生態系と速い生態系がある。次の記述(a)~(c)のうち、生態系内で生物の遺体(遺骸)の分解が遅くなることに直接関係する理由として適当なものはどれか。それを過不足なく含むものを、次ののうちから一つ選べ。(3点)
(a)細菌・菌類の代謝が遅い。
(b)生物の遺体(遺骸)を消費する生物の総量が少ない。
(c)光合成をおこなう生物の総量が少ない。

問3 下線部(c)(d)に関連して、死体にこのような処理が行われた際に起こる現象の記述として最も適当なものを、次ののうちから一つ選べ。
  (3点)

埋められた死体の化学エネルギーは、ほかの生物に取り込まれ、その生物の生命活動に利用される。
死体の化学エネルギーは、燃やされる過程で熱エネルギーとなり、その熱エネルギーは、ほかの生物の同化によって化学エネルギーに変換される。
埋められた死体の有機物は、ほかの生物によって無機物に変換され、その無機物は、大気中へは放出されない。
燃やされた死体は、無機物となって大気中に放出され、その無機物は、ほかの生物に利用されない。

B 陸上には、(e)赤道域から北極または南極にかけて、気候条件の違いにより様々なバイオームが存在する。(f)日本列島のバイオームの植生は、基本的には森林である

問4 下線部(e)に関連して、図1のAの線上に出現する主なバイオームを、赤道付近から北極へ向かって並べると、次のような順序になる。
熱帯多雨林→→サバンナ→砂漠→→針葉樹林

の各バイオームの特徴に関する後の記述(d)~(i)について、それぞれのバイオームの記述として適当なものはどれか。その組合せとして最も適当なものを、後ののうちから一つ選べ。(4点)

 


問5 下線部(f)について、日本列島は南北に長いため年平均気温の幅が大きく、また標高差も著しい。このことを踏まえ、日本の自然植生(人間の手が加えられていない植生)についての記述として最も適当なものを、次ののうちから一つ選べ。(3点)

針葉樹林は、中部地方から東北地方の亜高山帯に分布するするほか、北海道地方では、標高によらず優占する。
夏緑樹林は、九州地方や四国地方では山地帯に、東北地方では山地帯のほか丘陵帯(低地帯)にも、それぞれ分布する。
照葉樹林は、九州地方から関西地方にかけて丘陵帯(低地帯)で優占するが、関東地方には分布しない。
亜熱帯多雨林は、沖縄のほか、九州地方のほとんどの丘陵帯(低地帯)にも広く分布する。