2020年、センター試験「生物」第2問問題・解答・解説(配点18点)

入試問題そのものは黒印刷ですが、せっかくの画面上なので、一部カラー化いたしました。

生殖と発生に関する次の文章(A・B)を読み、下の問い(問1~5)に答えよ。(配点18点)

A 動物の未受精卵は受精後、を繰り返すことによって多細胞化し、胚(はい)となる。動物の卵内の物質の分布には偏りがあり、特定の物質が特定の細胞に受け継がれることで胚の細胞の発生運命が決まる。この発生運命の決定では、特定の調節が特定の遺伝子のを調節するDNA領域に結合することで、細胞の分化が起こる。
あるホヤの未受精卵は、図1のように4種類の小さな卵のような小片(以降、卵片(らんぺん)とよぶ)に分離することができる。これらの卵ペンは互いに異なる色をもち、(a)それぞれ赤卵片、黒卵片、茶卵片、および白卵変として区別できる。これらの卵片の特徴を調べたところ、核は赤卵片のみ含まれていた。また、RNAやタンパク質の量は各卵片間で差はみられなかったが、含まれる物質はそれぞれ異なっており、(b)これらの物質のなかには細胞の発生運命に関わるものもあった

問1(1) 上の文章中のア~ウに入る語の組合せとして最も適当なものを、次ののうちから一つ選べ。(3点)

問2(2) 下線部(a)に関連して、これらの卵片を用いた一連の実験から、黒卵片のみに筋肉細胞へ分化を決定づける能力があることが推論できた。

次の実験結果のうち、この推論を合理的に導くために必要不可欠な実験結果の組合せとして最も適当なものを、下ののうちから一つ選べ。(3点)

赤卵片のみが精子をかけると胚になり、表皮細胞ではたらく遺伝子を核内に含んでいた。

赤卵片のみが、精子をかけると胚になり、表皮細胞のみが分化した。

赤卵片と黒卵片を融合してから精子をかけると、表皮細胞と筋肉細胞を含む胚になった。

赤卵片と茶卵片、または赤卵片と白卵片を融合してから精子をかけると、いずれの場合でも表皮細胞のみを含む胚になった。

赤卵片と黒卵片、または白卵片と黒卵片を融合してから精子をかけても、筋肉細胞を含む胚にはならなかった。

問3(3) 下線部(b)に関連して、実験1~4の結果から導かれる黒卵片に含まれる物質のはたらきについての考察として最も適当なものを、下ののうちから一つ選べ。(3点)

実験1 赤卵片に「黒卵片に含まれる細胞質の全て」を注入してから精子をかけると、表皮細胞と筋肉細胞を含む胚になった。
実験2 赤卵片に「黒卵片に含まれる細胞質の全て」を注入してから精子をかけると、表皮細胞のみを含む胚になった。
実験3 
赤卵片に「黒卵片に含まれるRNAの全て」を注入してから精子をかけると、表皮細胞と筋肉細胞を含む胚になった。
実験4 赤卵片に何も注入せずに精子をかけると、表皮細胞のみを含む胚になった。

黒卵片のタンパク質がDNAに結合し、遺伝子発現を調節する。

黒卵片のタンパク質がDNAに結合し、発生運命を決定する。

黒卵片のタンパク質がDNAに結合し、筋肉細胞の収縮に関与するタンパク質となる。

黒卵片内のRNAがDNAに結合し、遺伝子発現を調節する。

黒卵片内のRNAが、発生運命を決定する。

黒卵片内のRNAが翻訳され、筋肉細胞の収縮に関与するタンパク質となる。

黒卵片内のタンパク質とRNAとがDNAに結合して、遺伝子発現を調節する。

黒卵片内のタンパク質とRNAとが結合して、発生運命を決定する。

黒卵片内のタンパク質とRNAとが結合して、筋肉細胞の修飾を調節する。

B アサガオにおける花器官(めしべ、おしべ、花弁、がく片)の形成は、シロイヌナズナなどの他の被子植物と同様に、(c)A、B、およびCの三つのクラスの遺伝子によって調節される。
江戸時代には、花器官の形成に異常のある「牡丹(ぼたん)」とよばれるアサガオの変異体が、平賀源内(ひらがげんない)によって記憶されている。花器官とそれらの配置を模式的に表すと、野生型のアサガオは図2のようになる。「牡丹」では、図3のように(d)おしべの代わりに花弁が、めしべの代わりにがく片が形成される。最近では、図4のような、おしべの代わりにめしべが、花弁の代わりにがく片が形成される「無弁花(むべんか)」とよばれる変異体も見つかっている。これまでの研究から、「牡丹」ではCクラスの遺伝子が、「無弁花」ではBクラスの遺伝子が機能していないことが分かっている。

問4(4、5) 下線部(C)に関連して、アサガオでは、図5のように花器官の全てが、がく片となる変異体Xが存在する。また明治時代には、図6のように、花弁の代わりにおしべが、がく片の代わりにめしべが形成される「枇杷咲き(びわざき)」とよばれる変異体Yが記録されている。変異体Xと変異体Yのそれぞれにおいて機能が失われていると考えられる遺伝子のクラスとして最も適当なものを、下の のうちから一つずつ選べ。
変異体X  変異体Y  (3点×2)

A   AとB  BとC  AとC  AとBとC

 

問5() 下線部(d)に関連して、次の文章は有性生殖の一つである減数分裂について述べたものである。文章中のエ~カに入る語と数値の組合せとして最も適当なものを、下ののうちから一つずつ選べ。(3点)

減数分裂では、2回の連続した分裂が起こる。第一分裂の際には、相同染色体どうしの多くはキアズマとよばれる部分で結合し、染色体の一部が交感される。この現象は、染色体のとよばれる。第一分裂が終わったとき、1細胞あたりのDNA量は、減数分裂に入る前の細胞の倍になっている。一方、第二分裂が終わったとき、1細胞あたりのDNA量は、減数分裂に入る前の細胞の倍となっている。

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