地震(千葉県北西部直下地震)災害時の、船橋市災害対策本部(船橋市役所)の対応の現状と今後(2017年2月28日、朝倉幹晴船橋市議会質疑)

2017年2月28日(火)に船橋市議会本会議での防災部分の後半(市役所災害対策本部の対応)の質疑要旨です。言い足りなかった部分は補足しています。(正式な議事録は6月に出ます)。

内容
質疑1 常総市の苦闘に学ぶ1、災害時の市民からの電話対応と危機管理の切り分けは?
質疑2 常総市の苦闘に学ぶ2、市職員の短期的な奮闘と中長期的な健康維持の兼ね合いは?
質疑3 2月13日(月)船橋市役所災害対策本部運営訓練の意義と今後は?
質疑4 市保健福祉センターとの連絡体制は?
質疑5 市役所の非常用発電機の持続時間は?
質疑6 市役所の非常用発電機は津波で機能停止しないか?
質疑7 万が一市役所9階が機能停止した場合、災害対策本部はどこに設置するのか?

★質疑1(常総市の苦闘に学ぶ1、災害時の市民からの電話対応と危機管理の切り分けは?)

1月26日、市議会総務委員会で関東東北豪雨(鬼怒川周辺水害)で被災し、その後復興に向け苦闘されてきた常総市を視察し、市長公室・危機管理課・消防局ととも常総市の苦闘を学ばせていただきました。
常総市では、あの時、市民からの問い合わせを、市防災担当の職員が直接電話で受けてしまったことが、初期対応に十分に専念できなかったことを、苦渋の反省として述べられていた。船橋市においては、発災時、電話が機能していた時の話であるが、市民の電話対応と危機管理の切り分けをどのように考えていますか?

●市答弁要旨1(災害時の市民からの電話対応と危機管理の切り分け)

地域防災計画に基づき、地震など甚大な被害が起きた場合は、災害対策本部を設置することとなっており、設置時には、専用回線の電話を配置し、危機管理課職員ではなく災害対策本部体制の各班の職員によるコールセンターを開設することとなっているため、危機管理課職員は全体の統制・調整役となり迅速な対応に取り組める体制となります。

★質疑2(常総市の苦闘に学ぶ2、市職員の短期的な奮闘と中長期的な健康維持の兼ね合いは?)

市職員は、自らが被災者でありながらも、そのような愚痴を市民の前で話すことはできず、災害対応の先頭に、時期・部署によっては不眠不休状態であっても災害対応の最前線に立つことが求めらることがあります。私たち市議も同様です。もちろん、医療関係者同様、短期的には市職員のがんばりが、市民の安全やQOLを確保することになります。しかしそれが中長期に続く、また短期的な集中後の休みが全くないと、職員自身が心身に不具合をきたし、長期的には市民のお役にたてないことになってしまいます。常総市では発災後約2週間を経た9月下旬に、職員の健康状態のアンケートを実施し、561人中161人に問題が生じていたと把握しています。161人のうち不眠が38人、頭痛が25人、精神不安定が25人、体調不良が20名とのことです。また、ストレスチェックでも発災前と被災後では被災後の数値が低下している状況が出ています。
発災時に市民のためにできるだけがんばることと、健康を維持し、中長期的にも復興にいたるまで市民のために働き続けることの兼ね合いについて、どのように職員の労務管理・労働安全衛生管理をしていくどのようにお考えでしょうか?

●市答弁要旨2(市職員の短期的な奮闘と中長期的な健康維持の兼ね合い)

発災時に職員は、災害対応業務を最前線で展開していく役割があり、極度の疲労や睡眠不足といった体力的負担、通常と全く異なる業務内容による心への負担などにより体調を崩すことが考えられます。
災害対応に従事する職員は、長時間・継続的かつ不規則な勤務体制になりがちであるため、交代体制を確保することにより、過度な連続勤務にならないよう規則的な勤務シフトを早期に確立することが重要であると考えております。また、職員が自身の健康状況を把握するため、健康チェックを実施し、自覚症状や不安などは遠慮や気兼ねなく申告し、健康相談が出来るような体制を取ってまいります。
さらに、燃え尽き・バーンアウトを防ぐようペアやチームで活動し孤立を防いだり、仲間との話し合い、専門家による適切なフォローなどを実施していくほか、感染症の予防などに取り組んでまいりたいと考えております。

★質疑3(2月13日(月)船橋市役所災害対策本部運営訓練の意義と今後は?)

さる2月13日(月)、船橋市役所9階にて、千葉県北西部直下地震を訓練が実施され、私も見学させていただきました。

2017年2月13日(月)船橋市役所災害対策本部運営訓練レポート

ほとんどの機能・情報を9階で集中把握したこと、9階にあらかじめ災害時のための空き部屋を確保したなど画期的な訓練と感じました。たとえば、「避難所として確保した小学校のそばで火災が発生しはじめたので、避難所が開設していれば移動も指示しなければならないので、それを至急確認する必要」など刻々移り変わる状況が緊迫感とともに共有されていました。この災害のシナリオは災害監理官など少人数で考え、職員には事前に知らせなかったとのことですが、今回の訓練の準備にあたって配慮したこと、訓練に参加した職員の得たもの、また今回の訓練を受けて、更に今後の訓練実施やまた実際の発災時に向け、更に充実させたほうがよいという課題をどのようにお考えでしょうか?

●市答弁要旨3(2月13日(月)船橋市役所災害対策本部運営訓練の意義と今後)

平成27年度の訓練の反省点や課題について、例をあげますと、情報共有ができなかったことや、被害の付与状況が甘かったことなどを危機管理課で整理し、今年度は、同じようなことが繰り返すことのないような訓練にしました。参加した職員は、訓練前から自分なりに被害想定をしてきたことから、災害時に備えて直面する事案を迅速に判断し、対応ができたことにより、改めて各班の役割や対応すべきことが再確認できたことで、災害時の不安を解消できたものと考えております。訓練につきましては、毎年継続して実施することを考えており、今回の訓練では、情報共有するためのシステムなどの各種機材を使用しましたが、大規模な災害では、停電等により、何も資機材等が使用できない状態に対応するためのアナログの訓練の実施する必要があると考えております。

★質疑4(市保健福祉センターとの連絡体制は?)

市役所の各部署の情報は9階の災害対策本部に集中するのだが、北本町の保健福祉センターに保健所も含め市の保健福祉部門の多くが分離されている。災害時に市役所9階の災害対策本部と保健福祉センターとの連絡・連携はどうなるのか?

●市答弁要旨4(市保健福祉センターとの連絡体制)

本庁舎に設置する災害対策本部と、保健福祉センター(保健所)に設置される災害医療対策本部に連絡要員を派遣するとともに、MCA無線やPHS電話やテレビ電話を活用して、情報共有を図り、迅速に被災者を支援することとなっております。

★質疑5(市役所の非常用発電機の持続時間は?)

災害対策本部が設置されるはずの市役所が災害時停電した場合、市役所の非常用発電機は何時間持続できますか?

●市答弁要旨5(市役所の自家発電機の持続時間)

本庁舎(市役所)の非常用発電機は停電になると自動的に発電機が始動いたします。備蓄した燃料では約15時間稼働できます。その後についきましては燃料を補給することで最大連続72時間の稼働が可能です。

★質疑6(市役所の非常用発電機は津波で機能停止しないか?)

市役所の非常用発電機は地下にある。津波の際、機能停止はしないのか?

●市答弁要旨6(市役所の非常用発電機と津波)

本庁舎(市役所)周辺の津波の最高浸水高さは66cmと想定されています。その高さの津波であれば地下に浸水する恐れのある3か所に止水板を設置することで、道路面よりは1m程度の高さの水を防ぐことが可能ですので非常用発電の機能は維持されると考えています。

★質疑7(万が一市役所9階が機能停止した場合、災害対策本部はどこに設置するのか?)

地震時には想定外のことが起こりうる。万が一市役所9階が機能停止した場合、災害対策本部はどこに設置するのか?

●市答弁要旨7(市役所9階が機能しない場合の災害対策本部)

災害対策本部が、市役所本庁舎に設置することが不可能な場合は、消防指令センター6階に設置することとなっております。