【5月1日15時報告】新型コロナウイルス感染症患者(陽性者)の発生(船橋市居住15人、船橋市居住4685〜4699例目)、変異株検査について

2021年5月1日 船橋市議 朝倉幹晴

下記のように、船橋市保健所より、4月12日から行われていた変異株の検査(★)について昨日報告までの31人に加えて2人(累計33人)の陽性者があったとの報告をいただきました。
また、全体に関しては、船橋市保健所および市内医療機関等の検査により市内14人(市外2人)、市外保健所より市内1人、あわせて市内15人(市外2人)の新型コロナウイルス感染症患者(陽性者)の発生の報告をいただきました。
医療機関のひっ迫を防ぐために、感染予防対策お願いします。また患者・ご家族の人権への配慮お願いします。

★変異株に関する船橋市保健所での検査能力と、国立感染研・千葉県衛生研究所との協力体制に関して(朝倉解説)
新型コロナウイルスは様々な変異を繰り返しています。特に感染・伝播性の増加が危惧され、世界的に増加してるのが、イギリス型、南アフリカ型、ブラジル型です。3つの型とも、ウイルスがヒトの細胞に付着し侵入するための突起タンパク(Sタンパク、spike protein))のヒト細胞の受容体と結合する部位RBD(受容体結合部位、receptor binding domein)の変異などで感染・伝播性が増しています。3型ともスパイクタンパク質を構成する501番目のアミノ酸がN(アスパラギン)からY(チロシン)に変異するN501Y変異を持っています。南アフリカ型、ブラジル型はこれに加えて484番目のアミノ酸がE(グルタミン酸)からK(リシン)に変わるE484K変異を持ちます(イギリス型はもたない)。
まとめると イギリス型 N501Y変異  南アフリカ型 N501Y変異+E484K変異 ブラジル型 N501Y変異+E484K変異
(他にも変異箇所がありますが、最も代表的な2か所のみを取り上げての説明です)

したがって、N501Y変異がわかれば、3型のどれかであることまではわかります。PCR装置での検出の試薬を変えることでN501Y変異を検出する方法を国立感染研が開発していました。3月時点では船橋市保健所では採用されていませんでしたが、3月議会で私が強く質疑・要求し、4月12日から船橋市保健所での検査が実施され、本日(4月21日)累積13人の陽性者が報告されたものです。

更に3型のどれかを特定するためには、Sタンパクを指定するウイルスのRNAの塩基配列を解析しなければなりません。その機器(次世代シークセンサー・塩基配列解読装置)は船橋市保健所にはなく、陽性と確定された検体は、国立感染研か千葉県衛生研究所に送られ分析し確定されます。
しかしながら、3型のいずれかであることを(国立感染研か千葉県衛生研究所にある次世代シークエンサーでの分析の前に)、船橋市保健所で、迅速に把握・発表することは対策を早めることに有効です。
なお、衛生、感染防御の対処法は、これまでと同様(マスク着用、密を避ける、手洗いうがい、会食(前後)にマスクをはずした会話を避ける)です。
(また、ワクチンの効果が変異株に関してどうなるのかは現在様々検証がなされていますので、結論的なことは言えませんが、「まったく効果がなくなる」ということまではないと見られています)

【参考】船橋市保健所での検査にいたった経緯は1~3、変異株の詳しい解説4

1、2月24日朝倉幹晴質疑録画中継(変異株質疑は7分50秒~20分20秒、12分30秒)
2、3月18日、予算決算委員会で松戸市長に重なて要請・市長答弁録画中継(1:27:00~1:32:25の5分25秒)
3、船橋市、変異株に関する検査スタート】(3月25日保健所理事から報告←2月24日・3月18日市議会質疑で強く要請)
4、動画「イギリス・南アフリカで発生したウイルス変異型の基礎知識」(37分)(2021年1月10日20時時点)

 

 

【船橋市・当面のワクチン関連スケジュール】5月6日から高齢者に新型コロナワクチン接種券の発送を開始(4月28日保健所理事より報告)

●【2月10日、船橋市保健所理事より報告】新型コロナウイルスワクチン接種の「船橋モデル」での開始について

●コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)(コミナテイ筋注)(トジナメラン・BNT162b2)の4284塩基配列とウイルスSタンパク質mRNA塩基配列・翻訳1273アミノ酸配列(フレーム付き・暫定公開)

【船橋市】まん延防止等重点措置を踏まえた船橋市の基本方針、公共施設の方針について。

●【船橋市・まん延防止等重点措置期間(4月20日~5月11日)】船橋市公共施設利用は20時まで(公民館は18時まで)

 

 

私は2月24日の市議会で、ワクチン・変異株対策・パルスオキシメーターなどに質疑をしました。ご参考にください。
2月24日、船橋市議会での朝倉幹晴質疑録画中継(47分)(1ワクチン、2変異株対策、3パルスオキシメーター、4心のケア、5大学生への支援、6自治体Dx、7塚田南小の学区、8広報ふなばし配布形態、9東日本大震災10年)
その後、3月25日、市独自の変異株検査の方向に転換しました。
【船橋市、変異株に関する検査スタート】(3月25日保健所理事から報告←2月24日・3月18日市議会質疑で強く要請)

 

★参考【4月12日(月)~4月18日(日)】船橋市での新型コロナウイルス感染症の検査件数と使用病床率報告(4月21日報告)(4月20日14時時点の病床使用率は35.1%)

 

2020年3月~2021年4月中旬の発生数の推移

船橋市保健所発表のデータをもとに、私たちが日常生活でよく使う月の約10日間での三区分(各月上旬・中旬・下旬)の区切りで、発生数の推移をグラフ化しました。

船橋市保健所発表のデータをもとに、私たちが日常生活でよく使う月の約10日間での三区分(各月上旬・中旬・下旬)の区切りで、発生数の推移をグラフ化しました。また、現在の累積患者の現状(回復、自宅療養、ホテル入所、入院、死亡)を円グラフにしました。

  4月の増加傾向、7・8月の増加傾向に続き、10月~1月中旬は3回目の増加傾向となっていました。その後、1月下旬・2月上旬は減少傾向に転じました。2月中旬以降、減少傾向が鈍化しましたが、3月中旬→3月下旬→4月上旬は192人→168人→144人→155人と増加していませせん。現時点(4月上旬時点)で「第4波」の傾向はみられていません。ただ、船橋市での変異株陽性者が4月12日より13人発生していること、近隣の東京都などの状態もあり、楽観はできません。更なる減少傾向につながるよう、対策を徹底していきましょう。 

・週ごとの把握にすれば、7日間ごとなので正確です。にもかかわらず、旬ごとグラフを作成したのは、生活上最も頻繁に使う区分でわかりやすいからです。(週ごとにした場合、「先週」と「今週」の比較はしやすいものの、「1月第1週、第2週」という表現はわかりにくく、月をまたぐ週もあるにので直観的にとらえにくくなります。)
一方、旬ごとにした場合、下旬が10日・11日・8日の3通りがあります。10日・11日の差が少ないものの、2月下旬の8日間は明らかに差が大きいので、10日間換算に補正した補正値も示しました。

・発表日でなく検査日でのデータ
(12月7日より、保健所発表の数は前日分だけではない形となりました。ただ、過去との整合性のため、12月上旬も
前日データで作成しています。)
・市居住患者には、市保健所検査ほか、千葉県衛生研究所・市内医療機関・他自治体保健所で発見報告された船橋市民患者数含む
・本グラフには船橋市保健所で検査された他自治体居住患者は含みません。・累計数にはすでに治癒した人の数を含みます。

 

<4月21日13時時点の陽性患者の状況>(保健所より聴き取り)

累計(市内居住者)4534人
回復者数4325人
陽性者数 138人
(入院38人、ホテル入所62人、自宅療養27人、市外等病院の市内陽性者11人)
死亡者 71人

<関連情報>

【1月12日、船橋市長専決処分】新型コロナウイルスワクチン接種事業について

 

【船橋市】高齢者施設等に新規に入所する者等への PCR 検査、12月より実施 (11月13日、保健所理事より報告)

2020年11月6日発行、船橋市議会だより、朝倉幹晴質疑部分のご紹介(船橋市保健所PCR装置に関する質疑・ほか)

アマゾンで拙新著「ウイルスと遺伝子」(96頁、税込み550円)ご購入いただけます。(