2020年、センター試験「生物」第3問A問題・解答・解説(配点9点)
第3問A解答 問1(3点) 問2(3点) 問3(3点)
問1解説
眼に関する3つの調節を以下に示す。
上図のの下に描いたように毛様筋は収縮する際、眼の前面側に引き寄せられ、毛様筋の内側のチン小帯が緩み、その内側にあるレンズは自らの弾力で丸みを帯びる。すると光の屈折させる屈折力が高まるので、近くからの光を網膜に像を結ぶように屈折させることができる。パソコン作業や勉強で、近くを見続けると目が疲れるのは毛様筋を収縮させ続けた疲れである。
逆に、毛様筋が緩むと、眼の周辺側に位置することになるので、チン小帯は引っ張られ緊張し、レンズも引っ張られ薄くなり光を屈折させる屈折力が低くなるので、遠くからの水平な光を網膜で像を結ばせることができる。遠くの風景を見ると目の疲れが癒されるのは、精神的なものとともに、毛様筋を緩めた効果である。よって(3点)。
問2解説
神経に短い刺激を1回与えた場合に、筋肉が速やかに収縮してすぐに弛緩することを強縮(→単収縮)という。
強縮とは短い間隔で連続して刺激を与え続けた時、筋肉が収縮したままになること。
筋細胞が興奮すると、筋小胞体はナトリウムイオン(→カルシウムイオン)を放出する。
シナプスにおいて、情報は軸索の末端から隣の細胞へと一方向のみに伝わる。〇
末梢(まっしょう)神経系は、自律神経系と中枢神経系(→体性神経系)の二つに分けられる。
神経系は中枢神経系(脳・脊髄)とそれ以外の末梢神経系に分類される。
そして末梢神経系が、意識下の神経「体制神経系」(感覚神経・運動神経)と、意識とは自律し、無意識に体を調節する「自律神経系」(交感神経・副交感神経)に分類される。
興奮が軸索に沿って伝わることを伝達(→伝導)といい、隣接する細胞に伝わることを伝導(→伝達)という。
無髄(むずい)神経繊維は有髄(ゆうずい)神経繊維と比べて、軸索の直径が同じとき、より速い(→遅い)速度で興奮を伝える。
→有髄神経のほうが、髄鞘と髄鞘のすきま(ランビエ絞輪)を電流が跳躍的に伝わる跳躍伝導を行うので速い。無髄神経では髄鞘を持たず跳躍伝導ができないので遅い。
問3解説
実験の条件と結果を〇×の表にすると以下にようになり、条件と結果の関係がわかりやすくなる。
特に実験3から視覚がなくても反応や接近ができることから、視覚は反応や接近に無関係で、性フェロモンを触角で感知する嗅覚が重要と予測できる。
青で示したように、性フェロモンという刺激源がないか、触角がないと反応を起こしていないことから、性フェロモンを触角で感知していることがわかる。
オレンジで示したように反応をしたものの中では、触角が2つ揃っていることが接近ができる条件とわかる。
雄が性フェロモンを感知するためには、触角は不要(→必要)である。
雄が性フェロモンを感知するためには、両側の触角がそろっている必要がある(→必要はない)。
感知するだけならば触角1つでもよいことが実験2の下でわかる。
雄が性フェロモンを感知するためには、触角は必要であるが、両方の触角がそろっている必要はない。〇
雄が性フェロモンに反応して雌に近づくためには、視覚情報と両側の触角の両方が必要である。(→視覚は不要。実験3)
雄が性フェロモンに反応して雌に近づくためには、視覚情報は不要で、両側の触角がそろっている必要がある。〇(実験3)
雄が性フェロモンに反応して雌に近づくためには、視覚情報は不要で触角は必要であるが両方の触角がそろっている必要はない(→必要がある)。
よって、