岡山県での西日本豪雨災害ボランティア報告4日目(笠岡市、2018年7月26日)

25日(水)倉敷市真備町の災害ボランティアから、夜、総社市の仁熊義則さんご自宅(宿泊先)に戻った後、26日(木)はどこに行くのかの相談をしました。市社会福祉協議会が中心に立ち上げている災害ボランティアセンターの中で「県外ボランティア受け入れ」が明確なのは倉敷市のみでした。そんな中、笠岡市で、社会福祉協議会ではなく、民間ボランティアグループ「ぞうきんプロジェクト@笠岡」がボランティア受け入れをするという興味深い動きをされているという情報を目にし、「ボランティア参加者は県内に限る」とは書いていなかったので伺うことにしました。

 

(山陽新聞より)

 

仁熊さんにお送りいただき、公民館(北川公民館)の前にこじんまりと3梁のテントを張った民間ボランティアグループ「ぞうきんプロジェクト@笠岡~被災者応援団~」に伺いました。(仁熊さんご自身も3日連続ボランティア参加されました)

 

北川公民館に入ると豪雨の前に企画されていた議会報告会中止の表示。3週間前までは

日常の生活・活動の場所であったことがわかります。

公民館の奥に「ぞうきんプロジェクト@笠岡~被災者応援団~」の控室がありました。

笠岡市HPの中での「ぞうきんプロジェクト@笠岡~被災者応援団~」紹介ページ

ぞうきんプロジェクト@笠岡、FBページ

 

まず、テントにて、仁熊さんのお連れ合いから雑巾として使える布を集めたものと託されたものを滝沢やすこ前江戸川区議から寄付。

 

午前中のボランティアに出発しました。午前中のお宅は、床上浸水の床の拭き掃除。色が変わって白く塗りなおした部分までが浸水の高さです。

 

昼までに比較的順調に拭き掃除がおわり、昼テントで、午前中の活動報告をします。

ボランティアスタッフ側の手前の女性は、小林嘉文笠岡市長のお連れ合いの小林好恵さんで、「ぞうきんプロジェクト@笠岡~被災者応援団~」の中心のお一人として活動されていると、昼食中にあとでわかり、スタッフ部屋ボードの前で一緒に撮っていただきました。民間ボランティアが立ち上がった経過などを教えていただきました。

午後は、また別のお宅に伺うことになりました。近所に住む方のご親族が住まれていた場所で今は「空き家」となっているために、これまで片づけをせず、今日ようやく、片付けボランティアを依頼するとのことでした。スタッフより「空き家」片付けのボランティアに入るのははじめてに近いとお聞きしました。ご親族のお立合いのもと作業を行いました。浸水は食器棚の上の線のところについている黒い線で1mぐらいとわかります。

奥の納屋のような場所にはカメ(甕)や引き出しのあるタンス、畳などがあり、それを外に出し、ごみ集積場まで運ぶ軽トラに乗せる作業です。

大きな家具は2~4人がかりで手で運び、小さなものは一輪車(猫車)に乗せて軽トラまで運びます。

猫車の横にあるのは浸水により腐食した畳です。

午後の作業から帰ってきて、この空き家の片づけのことをスタッフに報告する中で、「他に同じような空き家がないのか?空き家が放置されると納屋や暗い所にいつまでも水が残り腐食が進み衛生的に危険だから対処したほうがよいのではないか?」と聞くと、ボランティアスタッフの側は「空き家の情報までは私たちは把握できていない。あくまでも、いただいた要望や拾い上げた要望に応えるに応えるのが基本だ」ということ。

滝沢やすこさんが、「空き家対策で空き家の情報を把握している市が積極的に動く必要があるのではないか。笠岡市にそのことを伝えよう」とご提案され、笠岡市役所に行くことにしました。途中、昨日あおいした総社市の産業カウンセラーの秋山幸子さんがメールなどで仲介していただいたこともあり、小林嘉文笠岡市長に緊急にお会いし、午後の体験を話しながら、浸水後放置される危険性のある空き家の把握と対策をお願いしました。

(左から小林嘉文市長、私、滝沢やすこ前江戸川区議、仁熊義則さん)

小林嘉文市長、伊藤忠商事勤務時代、津田沼駅周辺(前原西)に住んでいた船橋市民とのことでご縁を感じました。

笠岡市は瀬戸内海側の海岸がカブトガニの生育地ということでその保護に力を入れています。市長室にあるカブトガニ標本前でも写真をおとりいただきました。

笠岡市はカブトガニづくし。自販機までカブトガニです。

小林市長にお会いした後、生物教師である私は、カブトガニづくしに感動し、海岸部にある「笠岡市立カブトガニ博物館」を急きょ訪問させていただくことにしました。

カブトガニの形にしているという感動的な形の博物館でした。

カブトガニの血色素(酸素と結合する色素)は銅を含むヘモシアニンなので、「青い血」です。

銅の酸化(銅のさび)の色は青・緑系だからです。私たちの血色素は鉄を含むヘモグロビンなので、鉄の酸化(鉄のさび)と同じ色の「赤い血」となるわけです。カブトガニの血液は医療的な検査に活用されています。

岡山県を含む被災地全体が宿泊のキャンセルなどが相次いでいるそうです。被災地にボランティアに入っていただくのが一番うれしいですが、そうでなくても観光に行っていただくだけでも被災地に活気を取り戻すきっかけの1つになると思います。ぜひ笠岡市立カブトガニ博物館もご訪問ください。

 

カブトガニ博物館を見た後、総社に帰る途中、「ぞうきんプロジェクト@笠岡」の前を通ったのでトイレを借りるために立ち寄ったところ、小林好恵さん(市長のお連れ合い)がまだ活動のまとめのためいらしただけでなく、笠岡市議の蔵本隆文さん(写真右から2人目)にお会いできました。蔵本市議は、この地区の市議で発災時の水門管理にも関わり、また被災後はずっと様々な活動を続けて来られ休みなしで働かれた、ぞうきんプロジェクトにもずっと協力してきたとのこと。体調不良で今日の昼だけ20日ぶりに休んだが夕方出てこられたとのことでした。発災時の市議としての献身的な動きに感銘いたました。そして船橋にある日大理工学部に学び、市長と同じく、学生時代津田沼付近に住まわれていたことを知り、またまた不思議なご縁を感じました。