2020年前期、千葉県公立高校入試前期「数学」第2問(1)(y=ax2の変域)問題・解答・解説(動画解説・文字解説両方あり)

 

【解説】

まず、一次関数のグラフとxの増加に伴う、yの増加・減少を確認しよう。一次関数のグラフの直線は→(矢印)ではなく直線であるが、xが増加する方向の動きに→をあえてつけてわかりやすいようにしたのが以下の図である。

グラフは、xが増加するとyが単調に増加する(a>0の場合)、xが増加するとyが単調に減少する(a<0)の単純な動きとなる。
数学の世界での一次関数の座標上のグラフと似た図が経済・統計などで使われる。横軸に時間(年)の経過をとり、縦軸に経済指標・人口などを書くグラフを見たことがあると思う。この場合、よく「右肩上がり」「右肩下がり」という表現がよく使われる。ZOOM会議などネット会議の利用者数は「右肩あがり」、一方年賀状の数は「右肩下がり」などと表現される。この表現は数学ではあまり使わないが、生活上で使う表現と連動させて考えるとイメージが広がる。
(この表現をあえて使うとa>0は単調に増加で「右肩上がり」であり、a<0は単調に減少で、「右肩下がり」である。)

一次関数におけるxの変域に伴うyの変域はa>0の場合でもa<0の場合でも、以下のまとめのように「xの変域の両端のyの値が、yの変域の両端となる」のでわかりやすい。

 

ところが、二次関数y=ax2では「xの変域の両端のyの値が、yの変域の両端となる」とは限らない「xの変域の両端のyの値が、yの変域の両端となる」という思い込みで答える人が多いので、正答率は57.7%(つまり42.3%が誤答か無答)と低い。

 

二次関数y=ax2のグラフとの形と増減の様子を確認しよう。xの値を増加させていくと、負→0→正の「0」のところで、減少→増加、増加→減少に転じる。この点を高校数学では「変曲点」と学ぶ。「曲がり方が変わる点」である。a>0の場合はyの値は0を最小に増加に展じ、0より小さい値(負の値)をとることはない。yがとり得る最小値0を高校数学では「極小値」という。
a<0の場合はyの値が0を最大に減少に展じ、0より大きい値(正の値)をとることはない。yがとり得る最大値0を高校数学では「極大値」と呼ぶ。
「増減表」も高校数学で学ぶものだが、xの増減に伴うyの増減を→の向きで表すものでわかりやすいので、中学でも知っておいたほうがよいでしょう。(知らなくても入試に困ることはないです。また高校に行くと更にこの増減表を深く学びます)

xの変域が正負にまたがらない場合(負≦x≦負(0)、正(0)≦x≦正)は、下図のように一次関数と同様、「xの変域の両端のyの値が、yの変域の両端となる」。

しかし、xの変域が正負にまたがる場合、範囲に「変曲点」となり、極大値・極小値となる原点(xもyも0)を含み、そこで増減がかわる影響でyの変域の範囲は以下の図のようになります。

図で示したように、yの変域の両端は単純にxの変域の両端の2乗となるのではありません。yの変域の端の1つは0となり、もう1つはxの両端のうち、絶対値が大きいほうの値の2乗になります。

本設問では、yの変域が-9≦y≦0なので、xの変域は正負にまたがるものです。するとエ(-1≦x≦3)が正解で、絶対値が大きい側のxの端の値3で-32=-9なので、
-9≦y≦0であることが確認できます。

ちなみにそれぞれの選択肢の場合のyの変域は以下のようになります。

ア、-1≦x≦0 yの変域 -1≦y≦0
イ、-3≦x≦-1 yの変域 -9≦y≦-1
ウ、1≦x≦3   yの変域 -9≦y≦-1
エ-1≦x≦3  yの変域  -9≦y≦0