2013年前期、千葉県公立高校入試「数学」第2問(6)(作図、5点配点)問題・解答・解説

【解答】(5点配点)(正答率5.5%(無答率29.3%))

【解説】

2点A、Bから等距離」にある点は、ABの垂直二等分線上の点であるので、船のある位置はこの線上にある。
次に∠BPC=30°であるが、30°の作図は60°の半分であることを利用する。60°は正三角形を使って作図できる。BCを1辺とする正三角形を作図すると、60°の角度を作ることができる。30°は60°の角の二等分線で描くことが多いが、この図の場合、角の二等分線では描けない。そこに以下の図のような発想をする。この図は解答の図に、その解答にいたる論理の流れをオレンジで加筆したものである。

BCを1辺とする正三角形を作図し、もう1つの頂点をOとすると、∠BOCは60°である。Oを中心にOB(OC)を半径とした円を描くと、その円周上の弧BCに対して、∠BOCは中心角となる。したがって弧BCの両端のB、Cと円周上の1点を結ぶ線分のなす角度は「円周角」となり、60°の半分の中心角となる。したがって円と垂直二等分線の交点が求めるべきP(船の位置になる)。

千葉県公立高校入試では、同様に中心角90°に対する円周角で45°を考えさせる問題も出題された。
「60°の作図(90°の作図)→角の二等分線→30°の作図(45°の作図)」の他、
「60°の作図(90°の作図)→中心角に対する円周角→30°の作図(45°の作図)」
という流れもありうることを頭にとめておこう。

 

 

作図の基礎知識

どの年の問題での出題されていることが多い3種類の作図
千葉県公立高校入試、第2問(5)の作図の問題では、作図に関わる様々な手法や知識が問われるが、一番使われる作図法は「垂直二等分線」と「角の二等分線」の作図である。どの年の問題でもこの2つのうちどちらかがを使う作図が出題されていると考えてほぼ間違いない。作図法を確認しておこう。

なお上記で垂直二等分線の作図①②、角の二等分線の作図①で弧を続けずに、コンパスをいったん紙から離し各直線のそばだけ作図する(弧を分離して作図する)方法でもよい。

★次によくつかわれるのは垂線に関する作図である。作図法を確認しておこう。

なお上記「直線上にない点を通る垂線の作図」①、「直線上の点を通る作図」①②③で弧を続けずに、コンパスをいったん紙から離し各直線のそばだけ作図する(弧を分離して作図する)方法でもよい。

★垂線の作図と正三角形の作図ののち角の二等分線を使うと、45°・60°・30°の作図ができる。
これは図形の証明の問題を解くヒントになることがあります。また中心角と円周角の関係を使うと、90°・60°中心角から、45°・30°円周角を描けます。

★円と接線との関係
作図の方針を考えていくためには、小中学校で学んだ三角形・四角形・円・角度などに関する様々な性質を知っておく必要がある。円と接線の関係を確認しておこう。