2022年大学入試共通テスト「生物」第1問(計12点)問題、解答、解説
2022年7月4日 予備校講師・船橋市議 朝倉幹晴
2022年大学入試共通テスト「生物」第1問(計12点)問題、解答、解説を作成しました。学習や入試対策にご活用ください。
第1問 次の文章を読み、後の問い(問1~3)に答えよ。(配点12点)
(a)ヒトの近縁種の系統関係を調べるため、チンパンジー、ゴリラ、オランウータン、およびニホンザルのそれぞれについて、遺伝子Aからつくられるタンパク質Aのアミノ酸配列を調べたところ、互いに異なっているアミノ酸の割合は、表1のとおりであった。
問1 下線部(a)について、ヒトが持つ次の特徴~のうち、直立二足歩行に伴って獲得した特徴はどれか。その組合せとして最も適当なものを、後ののうちから一つ選べ。(4点)
手には、親指がほかの指と独立に働く、拇指(母指)対向性がある。
大後頭孔が頭骨の底面に位置し、真下を藻いている。
眼が前方についている。
骨盤は幅が広く、上下に短くなっている。
問2 表1の結果から得られる系統樹として最も適当なものを、次ののうちから一つ選べ。(4点)
問3 チンパンジーの祖先とオランウータンの祖先が分岐した年代が1300万年前、ヒトの祖先とチンパンジーの祖先が分岐した年代が600万年前とすると、分子時計の考え方により、表1を用いてヒトーチンパンジー間のタンパク質Aにおけるアミノ酸配列の違いを予測できる。ところが、タンパク質におけるヒトーチンパンジー間のアミノ酸配列の違いを実際に調べた値は、分子時計の考え方による予測値よりも小さかった。次の数値~のうち、分子時計の考え方による予測値はどれか。また、後の記述のうち、実際に調べた値が予測値よりも小さくなった原因に関する考察として適当なものはどれか。その組合せとして最も適当なものを、後ののうちから一つ選べ。(4点)
遺伝的浮動により、ヒトの集団内で、突然変異によって遺伝子Aに生じた新たな対立遺伝子の頻度が上がったため。
ヒトにおいて生存のためのタンパク質Aの重要度が上がり、タンパク質Aの機能に重要なアミノ酸の数が増えたことで、突然変異によりタンパク質Aの機能を損ないやすくなったたね。
医療の発達により、ヒトでは突然変異によってタンパク質Aの機能を損なっても、生存に影響しにくくなったから。
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