2020年前期、千葉県公立高校入試「数学」第5問(総合問題)問題・解答・解説(動画と文字両方あり)

【解答(第5問)】(2020年前期・千葉県)(配点15点)

(1)450(個)(配点3点)(正答率72.6%(無答率2.0%))
(2)4(個)(配点3点)(正答率42.0%(無答率22.3%))
(3)箱Aを2回、箱Bを1回、箱Xを2回使って増やすので、個数は1×32×5×x2個となり、これが540x個となるので、
  1×32×5×x2=540x  これを解いていくと 45x2=540x x2=12x x2−12x=0  x(x-12)=0
  x=0,12が解となる。xは自然数なので x=12(配点4点)(12.4%が4点、10.6%が2点(無答率50.8%))
(4)5/16(配点5点)(正答率17.5%(無答率38.3%))

 

【解説】

箱Aを通すと3倍になるから、箱Aは「×3」、箱Bを通すと5倍になるから箱Bは「×5」、箱Xは「×x(かけるエックス)」の計算を示す。

(1)2AABBなので、2×3×3×5×5=450個
(2)AとBを合わせて5回使ったのであるが、それぞれ何回ずつかはわからない。AAAABかもしれないし、BBABAかもしれない。ただABは順番が変わっても結果は同じなので、ABの回数だけが問題である。最初の数をaとすると
a×3か5を5回かける
=2700なので、2700が、3や5や他の数をどうかけるとできるのかを考える。3も5も素数であるので、2700の中にどのような素因数(素数の約数)が含まれているかを調べれる素因数分解をすればよい。

整数に関する用語の整理
★因数(いんすう) 
正の整数(自然数)がいくつかの自然数の積で表されるとき、その1つ1つをもとの数の因数という。約数と同じである。
例 30=1×30 30=2×15 30=3×10 30=5×6 30=2×3×5
    よって、1,30、2、15、3、10、5、6は30の因数である。
★素数(そすう)
1とそれ自身以外に因数(約数)を持たない2以上の自然数。(1は素数に含めない)
2、3、5、7、11、13、17、19、23、29、31・・・・・(2以外は全て奇数)
★素因数分解 
素数である因数を素因数といい、自然数を素数の積で表すことを素因数分解という。
30=2×3×5
120=2×2×2×3×5=23×3×5
(
ある数をn回かけることは「n乗」といい、数の右肩に小さくかけた回数を記す。23は「2×2×2」、2の3乗を示す

この設問で2700個となるかけ算を分析するため、素因数分解をしてみる。

すると箱Aが3回、箱Bが2回で計5回操作であり、最初の数が4個であったとわかる。

3)箱Aを2回、箱Bを1回、箱Xを2回使って増やすので、個数は1×32×5×x2個となり、これが540x個となるので、
  1×32×5×x2=540x  これを解いていくと 45x2=540x x2=12x x2−12x=0  x(x-12)=0
  x=0,12が解となる。xは自然数なので x=12
(これは解答がそのまま解説である。若干文章表現が違っても内容が合っていれば正解となる。部分点2点はおそらく0を除外しなかった場合などと思われる)

(4)最初4個から始め、AとBの操作を計4回したものが、「1000個を越え」ればよい。1000個ぴったりでは「1000個を超え」たことにならないので、実際は1001個以上、4の倍数だから1004個以上であることが必要である。
つまり最初から、251倍以上になっていればよい。
Aの操作とBの操作を合計4回で、AとBは順番は関係なく、それぞれの回数がかけ算の数を決めるので、Aを先に書くと
AAAA
AAAB
AABB
ABBB
BBBB

の5通りがありうる。
それぞれの掛け算は
AAAA=3×3×3×3=81倍
AAAB=3×3×3×5=135倍
AABB=3×3×5×5=225倍
ABBB=3×5×5×5=425倍
BBBB=5×5×5×5=625倍

であり、最後の2つの場合のみが251倍以上となる。

ここまでは、それぞれの箱の回数だけで考えたが、コインの表裏で表ならA、裏ならBを選ぶ。「表」と「裏」という漢字は一見して区別しにくいので、表を〇、裏を×と表記する。
ので、表裏(〇×)の出方は
1回目について「〇か×」の2通り
2回目についても「〇か×」の2通り

3回目についても「〇か×」の2通り
4回目についても「〇か×」の2通り

なので2×2×2×2=16通りの出方がある。

このうち、条件を満たす目の出方は
ABBB(〇1回、×3回)となるのは、実際の出方の順番まで考えると

〇×××(ABBB)、×〇××(BABB)、××〇×(BBAB)、×××〇(BBBA)の4通りとなる。

BBBB(×4回)となるのは、XXXXの1通りのみである。
すると計5通りなので、5/16となる。