2020年大学入試センター「生物」第6問(植物の遺伝子と光受容体)(選択問題・配点10点)問題・解答・解説
問1解説
実験2で末尾7アミノ酸を結合したGFP(GFP-1)はペルオキシソームに移行するので、末尾7アミノ酸は、ペルオキシソームへに移行を促進するシグナルペプチドとわかる。末尾2アミノ酸を結合したGFP(GFP-2)は、タンパク質合成装置のリボソームがある細胞質基質に留まるので、シグナルぺプチドではない。
実験1で、「酵素X1の末尾の7つのアミノ酸を削除したタンパク質」の酵素活性が変化しなかったことから、末尾7アミノ酸の有無は酵素Xの活性に影響を与えないことがわかる。したがって(3点)。
問2解説
共通部分の後の末尾に7アミノ酸があるのがX1、2アミノ酸があるのがX2である。終止コドンの手前のコドンの数を数えてみる。共通部分の最後のGはコドンの1文字目として認識されると考えると
mRNA-Aが7アミノ酸、mRNA-Bが4アミノ酸、mRNA-Cが2アミノ酸となり、X1に対応するmRNAがmRNAーA、X2に対応するmRNAがmRNAーCとわかる。よって(4点)。
問3解説
植物の光受容体は以下のように整理できる。
ウはフィトクロム、エはフォトトロピンとわかる。ウ(フィトクローム)を欠損すると光環境に応答した酵素X1と酵素X2のmRNAの存在量比調整ができないことから、裏返して考えると、ウ(フィトクロム)が光環境に応答した存在量比調整をしていると考えられ、赤色光に応答した選択的スプライシングをしていることがわかる。よって(3点)。