2020年大学入試センター「生物」第7問(進化と系統)(選択・10点)問題・解答・解説

2022年1月 朝倉幹晴(予備校講師・船橋市議)

入試問題は黒印刷ですが、せっかくの画面上などの一部カラー化しました。

2020年大学入試センター試験「生物」第7問(選択・計10点

生物の進化に関する次の文章を読み、下の問い(問1~3)に答えよ。

生物が誕生して以来、生物と地球環境は深く関わり合いながら移り変わってきた。原始大気中には酸素がほとんど存在していなかったと考えられるが、酸素発生型のを行う生物が出現したのちに環境中の酸素が増加した。酸素が大気中に放出されるようになると、大気中の酸素濃度の増加とともに、生物に有害な紫外線を吸収するの濃度が増加して層が形成された。

最初の生物は海中で生じ、その後の生物の多様化もしばらくは海中で進んだと考えられている。約6億年前の先カンブリア時代末期の化石にはとよばれる軟らかいからだをもった多細胞生物が認められており、a古生代カンブリア紀には、節足動物など現生のほとんどの動物門を含む、多様な無脊椎動物が出現した。多様化した生物は、層の形成後に陸上に進出したと考えられている。

問1 上の文章中のア~ウに入る語の組合せとして最も適当なものを、次ののうちから一つ選べ。(3点)


問2 下線部aに関連して、節足動物に関する記述として適当なものを、次の
のうちから二つ選べ。ただし、解答の順序は問わない。(2点×2=4点)
線形動物と同様に、胚の原口が将来の口になる。

線形動物と同様に、胚の現口が将来の肛門になる。

棘皮(きょくひ)動物と同様に、胚の原口が将来の口になる。

棘皮(きょくひ)動物と同様に、胚の原口が将来の肛門になる。

環形動物と同様に、からだは体節に分かれる。

環形動物と同様に、からだは体節に分かれない。
軟体動物と同様に、からだは体節に分かれる。
軟体動物と同様に、からだは体節に分かれない。

問3 下線部に関連して、陸上植物と藻類との関係を考えるため、シロツメクサの緑葉、アナアオサ(緑藻)、アラメ(褐藻)、
およびマクサ(紅藻)のそれぞれから色素を抽出した。それぞれの色素を薄層クロマトグラフィーによって分離したところ、図1の結果が得られた。この結果について考察した下の文章中のエ~カに入る語の組合せとして最も適当なものを、下ののうちから一つ選べ。

シロツメクサ、アナアオサ、アラメ、マクサの全てでクロロフィルaとカロチンが認められたが、クロロフィルbとはアナアオサとのみで、クロロフィルcはアラメのみで認められた。これらの色素組成の類似と相違に基づくと、緑藻、褐藻、および紅藻の中では、が陸上植物に系統的に最も近縁であると考えられる。

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