2021年共通テスト(第2日程)生物第1問B「電気泳動法・植物の交雑」(配点12点)問題・解答・解説

2021年7月29日(木)23時完成・発信 予備校講師・船橋市議 朝倉幹晴

2021年大学入試共通テスト「生物」(第2日程*)第1問B「電気泳動法・植物の交雑」(配点計12点)の問題・解答・解説です。なお第1問Aは同じ第3問ですがテーマが別(抗体と非同義置換・同義置換)であるため別に解答・解説を作ります。

*コロナ対策などのため、2021年の共通テストは1月16・17日(第1日程)、1月30・31日(第2日程)の2回、受験の機会を設けた。

本解説は、オリンピック期間中の平日夜を活用して作成・公開しました。
●東京オリンピック開会にあたって(オリンピック期間中に朝倉ができる社会貢献は入試問題解答解説作成)(2021年7月22日(開会式前日)、船橋市議・予備校講師、朝倉幹晴)

 

2022年以降の共通テスト「生物」を受験する人を含む大学入試「生物」選択者、物理選択で大学に入り、大学で生物を学ぶ必要がでてきた方、生物学に関心のある市民の方々に、以下解答解説をお届けします。ご活用ください。入試問題は白黒ですが、イメージ補強のため一部カラー化しました。

2021年大学入試共通テスト「生物」(第2日程)第1問B(配点12点、Aの13点と合わせ第1問全体では25点)

(問1~4はA)

動物に比べて、植物では頻繁に雑種ができる。ハイマツとその近縁種であるキタゴヨウとの交雑における配偶子の運ばれ方を調べるため、実験1・実験2を行った。

実験1、ハイマツを雌親に、キタゴヨウを雄親にして、人工的に雑種個体をつくった。同様に、キタゴヨウを雌親に、ハイマツを雄親にして、雑種個体をつくった。そこで、両親個体と雑種個体から、葉緑体のDNAとミトコンドリアのDNAを抽出した。次に、それらをある制限酵素で切断して電気泳動したところ、図3の結果が得られた。

実験2、ハイマツとキタゴヨウについて、葉緑体のDNAに存在する遺伝子S(以下、S)と、ミトコンドリアのDNAに存在する遺伝子T(以下、T)の塩基配列を調べたところ、SとTの塩基配列は、両種の間で区別できることが分かった。ある山で樹木の形態的な特徴を基準にして、ハイマツ、キタゴヨウ、および両種の中間的な特徴をもつ個体から試料を採取し、それぞれについてSとTの塩基配列を調べた。その結果と個体が生育する標高をまとめたところ、表1のようになった。

問5 実験1の電気泳動の結果に関する次の文章中のア~ウに入る語句の組合せとして最も適当なものを、のうちから一つ選べ。(4点)

DNAは水溶液中でに帯電し、寒天ゲル中において、その移動速度は分子量が小さいほど。したがって、図3のバンドaとバンドbのうち、分子量が小さいのはである。

問6 実験1の結果から導かれる考察として最も適当なものを、次ののうちから一つ選べ。(4点)

葉緑体は雄親から、ミトコンドリアは雌親から、子に伝わる。
葉緑体は雌親から、ミトコンドリアは雄親から、子に伝わる。
葉緑体とミトコンドリアのどちらも、雄親からのみ子に伝わる。
葉緑体とミトコンドリアのどちらも、雌親からのみ子に伝わる。
葉緑体とミトコンドリアのどちらも、雄親と雌親の両方から子に伝わる。

問7 実験1・実験2の結果、および種子植物の生殖の仕組みから導かれる考察として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。(4点)

雄性配偶子は、標高の低い場所から高い場所へと運ばれやすい。
雄性配偶子は、標高の高い場所から低い場所へと運ばれやすい。
雌性配偶子は、標高の低い場所から高い場所へと運ばれやすい。
雌性配偶子は、標高の高い場所から低い場所へと運ばれやすい。
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