大学入試共通テスト2022年「数学ⅠA」第3問(確率)問題(選択・配点20点)・解答・解説
交換会参加者を2人の場合はAB、3人の場合はABC、4人の場合をABCD、5人の場合をABCDEとする。ABCDEの持ってきたプレゼントをそれぞれabcdeとする。交換会では、本当はプレゼントさえ受け取れば各人が席を移動してもよいが、わかりやすくするため、2,3、4人が円卓テーブルで向かいあって座り、それぞれの席(AはA席、BはB席、CはC席、DはD席、EはE席)の卓の上で、プレゼントが置かれるイメージで考えよう。
2人交換会、3人交換会の「プレゼントの受け取り方」(配置)の可能性の全パターンを樹形図で考え、その中から1回目で交換会が終了する(全員が自分以外の人の持参したプレゼントを受け取る)か確率を考えよう。
2人交換会 上図から、1回目で終了する受け取り方1通り(ア答)(1点)
1回目で終了する確率は1/2(イウ答)(1点)
3人交換会 上図から、1回目で終了する受け取り方2通り(エ答)(2点)
図から受け取り方6通りなので、1回目で終了する確率は2/6=1/3(オカ答)(1点)(1点)
4回以下の交換で交換会が終了する事象は、「4回連続終了しない事象」の余事象である。
(2)
共通テストの問題で、後半の小問を解くときは、それより前(多くは直前)に解いた結果を活用すると解きやすくなる(つまり前の小問の答は、次の小問のヒントになっている)ことが多い。
●ちょうど1人(のみ)が自分の持参したプレゼントを受け取る場合の数
ちょうど1人(のみ)が自分の持参したプレゼントを受け取るということは、残り3人は自分以外のプレゼントを受け取っていることになる。自分の持参したプレゼントを受け取ってしまった人を除く3人で考えると、その3人の中では自分以外のプレゼントを受け取っているので、その受け取り方は前問エと同じで2通りである。
自分のプレゼントを受け取ってしまったのが、A~Dの4通りあり、それぞれについて残り3人の中では受け取り方は2通りなので、
4通り(誰が自分のプレゼントを受け取ったか)×2通り(残り3人の中での受け取り方)=8通りとなる。(サ答)(2点)
●2人が自分の持参したプレゼントを受け取る場合の数
2人が自分の持参したプレゼントを受け取るということは、残り2人は自分以外のプレゼントを受け取っていることになる。その受け取り方は前問アと同じで1通りである。
どの2人が自分のプレゼントを受け取ったかの組合せは
6通り(どの2人が自分のプレゼントを受け取ったか)×1通り(残り2人の中での受け取り方)=6通り。(シ答)(2点)
同様に、次に「3人が自分の持参したプレゼントを受け取る場合」を考えてみるが、3人が自分の持参したプレゼントを受け取れば、残り1人も自分の持参したプレゼントを受け取ることになるので、「3人だけ」ということはありえないことがわかる。
最後に「4人全員が自分の持参したプレゼントを受け取る場合」はA-a、B-b、C-c、D-dの1通り。
交換会が終了しない受け取り方の総数は
1人のみが自分の持参したプレゼントを受け取る場合の数+2人が自分の持参したプレゼントを受け取る場合の数+4人とも自分の持参したプレゼントを受け取る場合の数
=8+6+1=15通り。(スセ答)(1点)
A席、B席、C席、D席にプレゼントabcdを順に並べる事象なので、事象の全数は
4P4=4×3×2×1=24
1回目の交換で交換会が終了する事象は、交換会が終了しない事象の余事象なので、
(3)
(2)で4人で行った作業を5人について考えればよい。
●ちょうど1人(のみ)が自分の持参したプレゼントを受け取る場合の数
ちょうど1人(のみ)が自分の持参したプレゼントを受け取るということは、残り4人は自分以外のプレゼントを受け取っていることになる。自分の持参したプレゼントを受け取ってしまった人を除く4人で考えると、その4人の中では自分以外のプレゼントを受け取っているので、その受け取り方は前問スセの余事象で、(24ー15)通り=9通りである。
自分のプレゼントを受け取ってしまったのが、A~Eの5通りあり、それぞれについて残り4人の中では受け取り方は9通りなので、
5通り(誰が自分のプレゼントを受け取ったか)×9通り(残り3人の中での受け取り方)=45通り。
●2人が自分の持参したプレゼントを受け取る場合の数
2人が自分の持参したプレゼントを受け取るということは、残り3人は自分以外のプレゼントを受け取っていることになる。その3人の中では自分以外のプレゼントを受け取っているので、その受け取り方は前問エと同じで2通りである。
どの2人が自分のプレゼントを受け取ったかの組合せは
10通り(どの2人が自分のプレゼントを受け取ったか)×2通り(残り3人の中での受け取り方)=20通り。
●3人が自分の持参したプレゼントを受け取る場合の数
3人が自分の持参したプレゼントを受け取るということは、残り2人は自分以外のプレゼントを受け取っていることになる。その受け取り方は前問アと同じで1通りである。
どの3人が自分のプレゼントを受け取ったかの組合せは
10通り(どの3人が自分のプレゼントを受け取ったか)×1通り(残り2人の中での受け取り方)=10通り。
同様に、次に「4人が自分の持参したプレゼントを受け取る場合」を考えてみるが、4人が自分の持参したプレゼントを受け取れば、残り1人も自分の持参したプレゼントを受け取ることになるので、「4人だけ」ということはありえないことがわかる。
最後に「5人全員が自分の持参したプレゼントを受け取る場合」はA-a、B-b、C-c、D-d、E-eの1通り。
交換会が終了しない受け取り方の総数は
1人のみ自分のプレゼント+2人+3人+5人とも自分のプレゼント
=45+20+10+1=76通り
A席、B席、C席、D席、E席にプレゼントabcdeを順に並べる事象なので、事象の全数は
5P5=5×4×3×2×1=120
交換会が終了する事象は交換会が終了しない事象の余事象なので、
(4)ABCDがそれそれ自分以外のプレゼントを受け取る場合には以下の2つの場合がありうる。
●Eは自分のプレゼントeを受け取っている場合
前問スセで答えた、4人で交換会が終了しない受け取り方(15通り)の余事象(4人で交換会が終了する受け取り方)と同じなので、24ー15=9通り
●A~E全員が自分以外のプレゼントを受け取っている場合
前問チツテトを求める時に考えた交換会が終了する事象なので44通り。
全部で9+44=53通りがこの場合となる。この中で講演会が終了するのは、A~E全員が自分以外のプレゼントを受け取った時なので、その条件付き確率は